北九州で生きる


昨日、東京から帰ってきましたが、北九州はとても寒いです。
今年はもう出張はありません。年末年始を北九州で過ごします。
さて、今日の「毎日新聞」朝刊に第41回目の「北九州発 ハートフル通信」が掲載されました。最終回となる今回のタイトルは、「北九州で生きる」です。



毎日新聞」12月18日朝刊



40回以上にわたる本連載も、今回でひとまずの区切りとしたいと思います。
最後に、北九州市に住む方々に一言。北九州市の最大の特徴とは何でしょうか。
それは、高齢者が多いことです。現在の高齢者比率は、全国に20ある政令指定都市の中で最も高い数字だとされます。日本は世界で最も高齢化が進行している国であり、その中で北九州市は最も高齢化が進行している政令指定都市です。つまり北九州市は世界一の超高齢化都市であると言っても過言ではありません。


その多くの高齢者が生活する北九州市において「老い」が不幸だとしたらどうなるでしょうか。北九州市は不幸な人間がもっとも多くいる世界一不幸な街となります。しかし逆に、「老い」が幸福だとしたら、世界一幸福な街になるのです。世界一幸福な街と世界一不幸な街。まさに、天国か地獄か、です。ならば、わたしたちは天国を選ぶしか道はないではありませんか。



わたしは、北九州ほど日本人の豊かさに貢献してきた地域はないと思います。
筑豊では、危険な炭鉱に潜り石炭を掘って貢献しました。八幡では、熱い製鉄所で鉄を作って日本中を豊かにしてきました。そして今度は、高齢者の多さを「強み」とすることで、もう一度、日本人を豊かにするチャンスが北九州市にはあるのではないでしょうか。



わたしは「人は老いるほど豊かになる」と信じています。
そして、ぜひ北九州の高齢者の方々にそれを実現していただきたいと思います。わが社は、「人間尊重」をミッションとして、冠婚葬祭・ホテル・介護事業や「隣人祭り」などの社会貢献活動に取り組んできました。北九州市には、社会に貢献している企業がたくさんあります。また、高齢者や被災者の方々を支える「思いやり」のある人々がたくさんおられます。北九州市は、きっと日本一の「思いやり都市」になれると思います。




泣いても笑っても、人生は1回きりです。後戻りはできません。
その人生を福岡で過ごす人もいれば、大阪や東京で過ごす人もいます。また、ロンドンやパリやニューヨークや上海やソウルで過す人もいるでしょう。しかし、わたしたちは北九州で暮らしています。北九州で生きています。この街で生まれ、結婚し、子どもを産み、育て、それから老い、そして人生を卒業していくのです。その人生を卒業するときに、「ああ、この街で生きることができて良かった」と言いたいものです。そのためにも、わたしは北九州を世界一の「老福都市」にしたいです。北九州は人類の未来を担っているのです。



今年の残りわずかですが、何事も「有終の美」を飾らなければなりません。
人生においても、葬儀の場で「有終の美」を飾りたいのですね。
わたしも、この連載の最後は「有終の美」を飾ることを願って、連載を終えました。
今後は、「サンデー毎日」に連載中の「一条真也の人生の四季」を通して、わがメッセージを広くお届けしたいと思います。そう、北九州発でわが想いを全国へ発信するのです!




*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2015年12月18日 佐久間庸和