「和」を実現する企業

17日は、早朝から松柏園ホテルの神殿で月次祭を行いました。
戸上神社の是則神職が神事を執り行って下さいました。
祭主である佐久間進会長に続いて、わたしは参列者を代表して玉串奉奠しました。


月次祭のようす

玉串奉奠する佐久間会長

柏手を打ちました



神事の後は、恒例の「平成心学塾」を開催しました。
最初に、サンレーグループ佐久間進会長が檀上に立ち、簡単に訓話をしました。


一同礼!

平成心学塾のようす

パワーポイントで「紫雲閣の今後について」を説明


続いて、北九州紫雲閣の青木総支配人が「社会」「業界」「宗教」「人」の変化を説明し、今後の商品企画や営業施策について説明しました。豊富なデータをもとに新たなビジョンを示す内容で、これからが楽しみです。このビジョンをしっかり具現化していけば、今後さらに紫雲閣グループは発展すると思います。


わたしが登壇しました

和を求めて』を持って・・・


和を求めて

和を求めて

そして、社長であるわたしが登壇しました。
最初に青木部長の報告についての感想を述べました。
続いて、ブログ『日本人となにか』で紹介した本の内容を紹介し、靖国信仰や創価学会の設立コンセプトにまで影響を与えた柳田國男の思想について説明しました。それから、新しい著書を取り出して示しました。このたび、『和を求めて』(三五館)を上梓しました。わたしの80冊目の著書となります。本を紹介してから、和」について語りました。


「和」について語りました



「和」は日本文化のキーワードです。多くの宰相を指導した陽明学者の安岡正篤によれば、日本の歴史には断層がなく、文化的にも非常に渾然として融和しているといいます。征服・被征服の関係においてもそうです。諸外国の歴史を見ると、征服者と被征服者との間には越えることのできない壁、断層がいまだにあります。しかし日本には、文化と文化の断層というものがありません。天孫民族と出雲民族とを見ても、非常に早くから融和しています。


日本の古代史は「和」の歴史そのもの



三輪の大神神社大国主命、それから少彦名神を祀ってありますが、少彦名神出雲族参謀総長ですから、本当なら惨殺されているはずです。それが完全に調和して、日本民族の酒の神様、救いの神様になっているのです。『古事記』や『日本書紀』を読むと、日本の古代史というのは和の歴史そのものであり、日本は大和の国であることがわかります。


聖徳太子について語る



「和」を一躍有名にしたのが、かの聖徳太子です。
太子の十七条憲法の冒頭には「和を以て貴しと為す」と書かれています。聖徳太子は、574年に用明天皇の皇子として生まれました。推古天皇の即位とともに皇太子となり、摂政として政治を行い、622年に没しています。内外の学問に通じ、『三経義疏』を著わしたとされます。また、仏教興隆に尽力し、多くの寺院を建立すしました。平安時代以降は仏教保護者としての太子自身が信仰の対象となり、親鸞などは「和国の教主」と呼びました。


聖徳太子の偉業をたたえる



しかし、聖徳太子は単なる仏教保護者ではありません。その真価は、神道・仏教・儒教の三大宗教を平和的に編集し、「和」の国家構想を描いたことにあります。日本人の宗教感覚には、神道も仏教も儒教も入り込んでいます。よく、「日本教」などとも呼ばれますが、それを一種のハイブリッド宗教として見るなら、その宗祖とはブッダでも孔子もなく、やはり聖徳太子の名をあげなければならないでしょう。


「神仏儒」に支えられた「和」の思想



聖徳太子は、まさに宗教における偉大な編集者でした。
儒教によって社会制度の調停をはかり、仏教によって人心の内的不安を解消する。すなわち心の部分を仏教で、社会の部分を儒教で、そして自然と人間の循環調停を神道が担う。3つの宗教がそれぞれ平和分担する「和」の宗教国家構想を説いたのです。この太子が行った宗教における編集作業は日本人の精神的伝統となり、鎌倉時代に起こった武士道、江戸時代の商人思想である石門心学、そして今日にいたるまで日本人の生活習慣に根づいている冠婚葬祭といったように、さまざまな形で開花していきました。


「和」は「平和」思想そのもの!



十七条憲法の根幹は「和」です。しかもその「和」は、横の和だけではなく、縦の和をも含んでいるところにすごさがあります。上下左右全部の和というコンセプトは、すこぶる日本的な考えです。それゆえに日本では、多数少数に割り切って線引きする多数決主義、いわゆる西欧的民主主義流は根付かず、何事も根回しして調整する全員一致主義の国なのです。「和」は「平和」思想そのものです。


「和」のルーツをさぐる



「天の時は地の利に如かず。地の利は人の和に如かず」とは『孟子』の言葉です。天の時、つまりタイミングは立地条件には及びません。しかし、立地条件も「人の和」には及ばないという意味です。人の和がなかったら、会社の発展もありません。組織の結束力を高めることは、仕事を成功させることにおいて非常に大事なのです。


「和」について語った孔子孟子



孟子』が出てきましたが、じつは「和」はメイド・イン・ジャパンではありません。
聖徳太子の「和を以って貴しと為す」は太子のオリジナルではなく、『論語』に由来するのです。「礼の用は和を貴しと為す」が学而篇にあります。「礼のはたらきとしては調和が貴いのである」の意味です。聖徳太子に先んじて孔子がいたわけですね。
天下布礼」に取り組んでいるサンレーグループは「和」を実現する企業でもあるわけです。これからも「和」の精神を大切にして、サンレーグループは歩んでいきたいと考えています。


最後に再び登壇した佐久間会長

冠婚葬祭ほど素晴らしい仕事はありません!



わたしの訓話の後、最後に佐久間会長が挨拶しました
佐久間会長は「冠婚葬祭ほど素晴らしい仕事はありません。今日の紫雲閣からの報告では、いろいろな展望が出て、頼もしく感じました。ぜひ、単に葬儀を行うだけではない地域のコミュニティ・センターを目指していきたいものです」と述べました。
明日は、ブログ「サンクスフェスタ小倉のお知らせ」で紹介したイベントが開催されます。



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2015年10月17日 佐久間庸和