ニューヨーク2日目


全互連の「米国冠婚葬祭事情視察ツアー」2日目です。
19日、ホテルで朝食を取った後、わたしたちは9時に専用車に乗り込みました。
この日は、終日、ニューヨーク近郊を含めた婚礼トレンド視察をします。


9月19日のニューヨークの空

リバーサイド教会を訪れました


まず、わたしたちはニューヨークの「リバーサイド教会」を訪れました。ハドソン川に面した、コロンビア大学の近くの静かな場所にそびえたつ世界最大級の教会です。フランスのシャルトル大聖堂を模して、1922年に大富豪ロックフェラー2世によって建設されました。まだ100年経っていないのが信じられないほど、荘厳な外観です。


教会のテラスから外を眺める



この教会には3箇所の結婚式を挙げられる聖堂があります。また、レセプション会場も500名収容から100名まで収容できるパーティー会場などを備えています。専属のケータリング会社がパーティーの食事などを出しています。


大聖堂の中のようす

大聖堂の中のようす



最も広い大聖堂の中に足を踏み入れると、天井高の広々とした空間と壁一面を埋め尽くすステンドグラスに圧倒されます。大聖堂の反対側には、イエス・キリストの像が見下ろしています。この教会は長さ約65メートル、高さ約30メートル、約2500名を収容できるそうです。1万1000本のパイプが張りめぐらされたパイプオルガンも有名です。ここで、ポール・マッカートニーらがコンサートを行い、マーチン・ルーサー・キング牧師、ダライ・ラマ14世、ネルソン・マンデラクリントン元大統領などの錚々たる人々が演説しています。
さらに詳しく知りたい方は、ブログ「リバーサイド教会」をお読み下さい。


ホテル・アンダーズのオープン・キッチン



わたしたちは続いて、3つのホテルを訪れました。
最初は「ホテル・アンダーズ」。ハイアット系のホテルで、オープン・キッチンのあるバンケットが売り物です。わたしは東京・新宿にある「パークハイアット東京」の最上階レストラン「ニューヨーク・グリル」を連想しました。200人まで収容可能な結婚式レセプション会場もあります。


ニューヨーク市立図書館

ニューヨーク市立図書館の前で



ホテル・アンダーズを出ると、わたしたちのバスはニューヨーク市立図書館の前で停まりました。ここもぜひ訪れてみたい場所ですが、今回は冠婚葬祭視察の視察で来ているので、とてもそんな時間はありません。残念ですが、この前で記念撮影するだけで我慢しました。


ホテル・エヴェンティのフロント

ホテル・エヴェンティのテラス



そこから歩いて、わたしたちは次の目的地である「ホテル・エヴェンティ」を訪れました。マンハッタンのど真ん中という最高の立地にあるブティック・ホテルで、最新の映像演出なども駆使して、非常にスタイリッシュな空間でした。カクテル・レセプション会場は350人収容可能、着席ディナーは265人のゲストまで受け入れ可能です。


ホテル・キタノの外観



そして、わたしたちは「ホテル・キタノ」を訪れました。ここはもともと日本の北野建設がオーナーでしたが、力尽きて最近ついに手放しました。もう日本資本ではありませんが、それでも日本人のVIP客が多いことで知られます。国連本部が近いこともあり、安倍晋三首相をはじめとした日本人政治家のニューヨークにおける定宿です。また、2年続けて、テニスの全米オープン時に錦織圭選手が宿泊しています。


ホテル・キタノのベランダで



ホテル・キタノの高階層のレセプション会場は大きなベランダもあり、エンパイア・ステート・ビルディングクライスラービルも目の前に見え、アメリカ人にも人気があります。パーティーではベランダでのBBQも可能。本格的な和食のパーティー用メニューもあります。


ホテル・キタノのロビー



この日訪れた3つのホテルに共通していることは、いずれもテラスやベランダでのウエディングが可能なことです。いま、ニューヨークではヒルトン、シェラトンウォルドルフ・アストリアといった大規模ホテルよりも小ぶりのブティック・ホテルの婚礼が人気だそうです。500人以上収容できるのは、今やヒルトンのみとか。また、日本と同じくWEBサイトからの来館者が多いそうです。


Mr.Nishimoriと


ホテル・キタノのベランダを見学した後、わたしたちは、ニューヨークのカリスマ・フローリストとして知られる日本人であるMr.Katsuya Nishimoriのお話を聴きました。北九州市の黒崎出身であるというMr.Nishimoriは、フローリストとして数多くの結婚式、イベントを手掛けておられます。この日は、銀行、博物館、植物園、工場といった施設で行われた結婚式の写真なども交えて説明して下さいました。驚いたのは、銀行で開かれたというユダヤ人の男の子の13歳の誕生日パーティーの話です。なんと3億円もの費用をかけて盛大に開催されたそうですが、そのうち花の費用は100万円ぐらいだったとか。それにしても、世界の金融センターであるニューヨークには度外れた大金持ちがいるようですね。


現地のビールが美味でした



その後、ホテル・キタノ内のレストランで、Mr.Nishimoriを交えて、ランチしました。内容は婚礼料理で、メインディッシュはビーフ、チキン、サーモンの3種類あり、わたしたちはそれぞれの皿を取り分けて食べました。現地のビールを飲みましたが、美味しかったです。もちろん、これは単なる「バチあたりの昼間酒」ではありません。NYスタイルのウエディングやパーティーを企画した際に導入を考えており、そのため試飲してみたのです。本当です。(笑)


エンパイア・ステート・ビルディングをバックに



午後は、レンタルアイテムなどの専門店、レンタルスペースの空間などを回りました。
最初に訪れたのは、「パーティー・レンタル」という会社です。「ニューヨーク市立図書館」のすぐ近くという都心にあり、ずばり超一等地です。入っているビルの前に立つとニューヨークのシンボルであるエンパイア・ステート・ビルディングの姿が見えました。


パーティー・レンタル社の店内のようす

ディヴィッド・ブライダルを視察しました



パーティー・レンタル社は、その名の通り、テーブル、チェア、食器類、リネンなどをすべてレンタルできる会社です。ニュージャージー発祥で、現在は東海岸で8店舗を展開しているそうです。小さいパーティーも含めると、年間5万件を扱っているというから驚きました。
その後、ブライダルドレスの専門店「ディヴィッド・ブライダル」を視察しました。


ザ・グラスハウス



次に、ザ・グラスハウスという窓を大きく取ったイベントレンタルスペースを訪れました。マンハッタンの摩天楼を一望できるロケーションで、夜ならばさぞ綺麗だったでしょうが、午後の明るい時に見学したので、今ひとつイメージがつかめませんでした。


トライベッカ・ルーフトップの会場設営のようす

トライベッカ・ルーフトップのテラスのようす

最高の眺めです!!



それから、わたしたちは「トライベッカ・ルーフトップ」という施設に向かいました。
ここはマンハッタンのダウンタウン、トライベッカ地区にあります。以前は倉庫だったビルですが、広い空間を利用して、今は結婚式やパーティーなどの開催も可能です。専用のテラスがあり、そこで挙式をすることもできます。ここは、これまで見たウエディング空間の中でも最もユニークな印象を受けました。


不思議な人型のオブジェ

剥き出しの土を置くグリーン・ウエディング



ちょうど翌日の結婚パーティーの準備をしていたのですが、テーブルコーディネートを見て驚きました。なんと、鉢のない植木を置いているのです。つまり、婚礼テーブルの上に剥き出しの土の状態のまま置かれているのです。「グリーン・ウエディング」といって、エコ意識の高い人々に好まれているそうです。テーブル上には、人型をした針金のオブジェもあり、なんとも不可思議な光景が展開されていました。



先にレンタル用品の会社に寄ってから、レンタル会場を見学したので、イメージがつかみやすかったです。改めて思ったのは、ニューヨークに住む人々の価値観は「多様」の一言に尽きるということ。そして、日本よりもずっとパーソナルなサービスを求めているように感じました。



その他にも、ニューヨーク・ブライダルのトレンドをいろいろと学びました。
ニューヨークで結婚式のプロデュ―スをされているキヨコ・ホルバート氏によれば、ギリシャ人の結婚式が一番派手だそうです。ギリシャ人にはDINERのオーナーが多く、食にはうるさいとか。次に派手なのはユダヤ人で、戒律の厳しい宗派ほど結婚パーティーで激しいダンスを踊るそうです。逆にプロテスタントの白人の結婚式は地味というか、保守的だと言っていました。
結婚式&パーティーにかける費用ですが、全米平均で約2万〜2万5000ドルですが、ニューヨーク平均は倍の4万〜5万ドルとなります。ニューヨーカーの中でも、ユダヤ人はさらに豪華で、花が好きで大金をかけるのだそうです。



日本人の結婚披露宴は友人の挨拶とか新郎新婦の紹介ビデオ上映などが中心ですが、アメリカの結婚パーティーはダンス中心です。特に、花嫁と父親のダンスがメインイベントで、参列者の涙を誘います。ニューヨークの結婚式は「マイ・ドーターズ・ウエディング」と呼ばれ、基本的に新婦の両親が主催し、費用も払います。新郎側はゲストなのです。新婦の親は「私の娘の結婚式に来て下さって、ありがとう」と挨拶します。そして、最後に万感の想いを込めて、父親は娘とダンスをするのです。想像しただけで涙が出そうになります。



婚礼衣装ですが、アメリカには日本のように「お色直し」の習慣がありません。1回だけミニドレスに着替えるぐらいです。タキシードも日本のように太目のパンツではなく、細身パンツがトレンドだとか。
花嫁のドレスのトレンドは、ずばり人魚、「マーメード」です。
日本では「かわいい」が重視されますが、アメリカではどこまでも「セクシー」が追求されます。とはいえ、ニューヨークの結婚式そのものはコンサバ、つまり保守的です。これは費用を負担するのが両親だからで、平均費用は約5000万ドルから6000万ドルとのことでした。というわけで、ブライダルについて大いに学んだ一日でした。


ウルフギャング・ステーキハウス本店



17時にホテルに戻り、一息つきました。
夜は、「ウルフギャング・ステーキハウス」のマンハッタン本店で食事しました。
今年、東京は六本木に日本初上陸を果たした話題の店です。ニューヨークの老舗店「ピーター・ルーガー」を超えて、今や「世界一のステーキハウス」の呼び声も高い店です。


これが世界一のステーキだ!

これは旨い! たまらん!



最初にビールで乾杯し、わたしが乾杯の音頭を取りました。わたしは「今日のステーキを特別にアップグレードさせていただきました。ぜひ、全互連もアップグレードしましょう。では、カンパ〜イ!」と言いました。名物である「Tボーン・ステーキ」の大きさには仰天しましたが、とても旨かったです。世界一の味を大いに堪能しました。


タイムズスクエアのようす



帰りは、腹ごなしにタイムズスクエアでバスを降りて、ホテルまで歩いて戻りました。
その間、同行のみなさんと、いろんな話をしました。
旅はどこに行くかも大事ですが、誰と行くかも大事です。業界の明日を担う全互連の仲間との時間は、ステーキの味に劣らず、忘れえぬ思い出となりました。


タイムズスクエアにて



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2014年9月20日 佐久間庸和