稲盛和夫(7)


お客様から尊敬される




言葉は、人生をも変えうる力を持っています。
今回の名言は、現代日本を代表する経営者である稲盛和夫氏の言葉です。
稲盛氏が松下幸之助翁から強い影響を受けておられることは広く知られています。松下翁の「ダム式経営」に稲盛氏が感銘した逸話から分かるとおり、松下哲学の本質を鋭敏に感じ取り、血肉化していった稲盛氏の情熱を凌駕する経営者は存在しないのではないでしょうか。


松下幸之助と稲盛和夫―経営の神様の原点

松下幸之助と稲盛和夫―経営の神様の原点

「お客様から尊敬される」とは、一見平凡な言葉です。しかし、この言葉にこそ、稲盛氏が松下幸之助の真の継承者であることの所以があると思えます。松下幸之助は「昭和の経営の神様」と呼ばれましたが、稲盛氏は「平成の経営の神様」と呼ばれています。


敬天愛人―私の経営を支えたもの (PHP文庫)

敬天愛人―私の経営を支えたもの (PHP文庫)

商いの極意は、お客様から信用されることが基本であり、「儲ける」という漢字は「信じる者」と読めることから、商いを信じていただける人が増えることによって、利益が上がるということは古から言われていますが、稲盛氏は著書『敬天愛人』(PHP研究所)において、「もちろん、信用は商いの基本であり、お客様に信用されるだけの実績を積み上げていくことがビジネスではまず求められる。だが、信用の上に、さらに『徳』が求められるのではないだろうか」と述べています。



製品やサービスの品質向上、徹底した低価格での商品提供、製品納期の厳守など、数値化できる要素で信用を得ることは可能だが、このレベルでは自社と他社との決定的な差異は生まれないと稲盛氏は喝破し、次のように述べます。
「尊敬にまで達する、お客様との絶対的な関係を築くこと、それこそが真の商いではないだろうか。それには尊敬に値する高い人間性を経営者や社員が備えなければならない。企業とは、経営者をはじめとする社員を映し出す鏡である。だからこそ、特に経営者は自分自身を高めるための努力を続けていかなければならない」



稲盛氏が「フィロソフィ」を掲げ、全員参加経営を実践している背景には「人として何が正しいか」という判断基準が経営に反映していなければ、「徳」のある企業風土は形成されないという強い信念があるからなのです。いま、企業は単に業績がよいというだけでは通用しない時代になってきました。激動する超大国・中国の惨状を見るまでもなく、これからは、こころ豊かな人間性こそが一番大きな経営資源となっていくことでしょう。わたしたちサンレーグループは、稲盛氏が説く「お客様から尊敬される」企業を目指しています。これからも、社業である冠婚葬祭のお手伝いを通じて、「人間尊重」という大ミッションを遂行し続けます。


ホスピタリティ・カンパニー

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*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2014年7月13日 佐久間庸和