西日本新聞の集い

ブログ「洞海湾クルーズ」に書いた1時間の周航を終えたわたしたちは迎えのバスに乗り込みました。雨の降る中、わたしたちが向かう先は若松の老舗料亭「金鍋」です。
この夜、ここで西日本新聞北九州本社「感謝の集い」が開かれるのです。


雨夜の「金鍋」の外観



わたしは初めて金鍋の中に入ったのですが、創業100年以上の佇まいに感心しました。
料亭がどんどんなくなっていく北九州において、このような老舗が今も存続していることは素晴らしいことだと思います。会場となった大広間には80名以上の人が集まっていて、古い表現ではありますが「熱気ムンムン」でした。クルーズには参加していない知り合いがここにも大勢いたので、驚きました。相次ぐサプライズ・・・・・西日本新聞おそるべし!


川崎社長の挨拶をお聞きしました



最初に、主催者を代表して西日本新聞社の川崎隆生社長から挨拶がありました。
川崎社長は「いつもは小倉のホテルで行う『感謝の集い』ですが、今日の会場はここ若松の金鍋を選ばせていただきました。ここは、北九州本社代表の玉井のお膝元です。わが社は、これからも地元を大切にした紙面作りに励みます」と言われました。
玉井代表のお爺さんは、芥川賞作家の火野葦平です。
火野葦平が父親の玉井金五郎を主人公に書いた小説がかの「花と龍」です。
玉井金五郎は、明治39年に石炭荷役請負業の「玉井組」を設立しました。
「花と龍」には玉井金五郎と妻マンの半生が描かれています。
また、「花と龍」は何回も映画やテレビドラマとして放映されました。
これまで玉井金五郎を演じたのは藤田進、石原裕次郎中村錦之助高倉健、渡哲也、高島政宏らです。また、玉井マンを演じたのは島崎雪子、麻丘ルリ子、佐久間良子香山美子古手川祐子らです。それにしても、すごい顔ぶれですね!
その「玉井組」が愛用したのがこの金鍋だったのです。


挨拶をする利島会頭

乾杯の音頭を取る北橋市長



その後、参加者を代表して、北九州商工会議所の利島康司会頭による挨拶がありました。
続いて北九州市北橋健治市長が乾杯の音頭を取られました。
それから、金鍋の女将さんから歓迎の挨拶がありました。



それにしても、金鍋さんで働くコンパニオン嬢(仲居さん?)たちが若くて可愛くてコスチュームがキュートなのには感心しました。ちょうどお隣りが千草の小嶋亮専務だったのですが、コンパニオン会社からの派遣などではなく、すべて金鍋さんが直々に募集したアルバイトだと教えてくれました。コスチュームはなんとなくアキバ系のような気もしますが、もしかすると若い社長さんのセンスなのかもしれませんね。老舗料亭においてもアップデートが行われているわけで、ドラッカーの「継続」と「革新」の姿を見た思いです。勉強になりました。


名物の牛鍋が旨かった!



テーブルに並んだ料理も美味しかったです。特に、名物の牛鍋が旨かった! 
それもそのはず、この店は九州で初めて牛鍋をメニューに加えた料亭なのです。
牛鍋を肴に飲むビールや日本酒の熱燗が五臓六腑に染み渡るようでした。


末廣住職と石田部長



わたしの前の席にはサンレー企画部の石田恭一部長が座り、その隣には瑞松寺の末廣石光住職が座られました。眼光鋭い住職の横で石田部長は小さくなっていましたが、住職が「石田先生、よろしく御指導下さいよ」などと言うので、ますます縮こまってしまいました。
この末廣住職は独特のユーモアの持ち主で、最初にお会いしたとき、わたしに向かって「佐久間先生、お願いがあります。わたしに紫雲閣を1つくれませんか?」と言うので仰天しました。その後も、ロータリーの飲み会の後などに「そうだ、二次会は紫雲閣でビールを飲もう!」などと大きな声で言うのです。その頃は「変ったお坊さんだな」と思っていたのですが、しばらくお付き合いしてそれがユーモアであることがわかってきました。この日も、末廣住職が一番の上座だと思って座った席がじつは下座の端だったのですが、「市長も会頭もボクのところに挨拶に来ないねぇ」などと言っていました。本当に面白い人ですね。(笑)


山椒家小粒さんによる落語



そのうち、舞台の上では落語が始まりました。山椒家小粒という噺家さんでした。酒に酔った末広住職が大きな声で「面白いぞ!」とかなんとかやたらと野次るのでヒヤヒヤしましたが、小粒さんは一度も末広さんの方向を向こうとせず、一瞥もしなかったのでホッとしました。
ところが、この後に思わぬ展開が待っていたのでございます。
ところで、この日の参加者には落語家だけでなく、染織家、俳人、漫画家の方まで勢揃いしていました。経済人だけでなく、これだけの文化人を集めるとは、さすがは新聞社ですね。


「感謝の集い」のようす



この日の参加者には、本当に知り合いの方が多く、染織家の築城則子先生や北九州文学館の今川英子館長などにもお会いしました。ブログ「ロータリー日和」に書いた井筒屋外商サービスの江渕泰生社長にもお会いしたので、ブログ記事をスマホでお見せしました。
ふと会場を見渡すと、もやい聖友会の権頭喜美惠理事長の姿が目に入りました。
ブログ「終活セミナーのご案内」で紹介した方です。2月15日に北九州市男女共同参画センター「ムーブ」5階大セミナールームにおいて、もやい聖友会さん主催の「終活セミナー」が開催されます。「人生の卒業式入門」として、わたしが基調講演を務めます。また、講演後のパネルディスカッションにもパネリストとして参加します。


権頭理事長はムーブの西本祥子所長や青春座の井生定巳代表もおられましたので、みなさんと記念撮影しました。ムーブでのイベントはわが社の企画課の西宏課長が担当してくれています。また、「エンディング・ノート」をテーマにした青春座とのコラボ企画も西課長が担当しています。ここ数日、権頭理事長とメールのやり取りをし、この日は井生代表と直接打ち合わせも行ったという西課長がこの写真をどう思うでしょうか。「彼の驚く顔が目に浮かぶようですね」と、デジカメのシャッターを押してくれた石田部長がニヤニヤ笑っていました。


小倉昭和館館主の樋口さんと



また、この日はいろんな方から声をかけていただきました。
多くの方がわたしのブログや各紙での連載コラムを愛読されていて嬉しかったです。
第一交通産業執行役員広報室長である坂口みわ子さんからはブログ「黒土始氏叙勲祝賀会」の記事について丁重なお礼のお言葉を頂きました。
また、小倉昭和館の館主である樋口智巳さんからもブログ「小倉昭和館」の記事について丁重なお礼のお言葉を頂戴しました。そういえば、西日本新聞北九州本社の諸隈光俊副代表からも、ブログ「最期の絆シンポジウム」の記事のお礼を言われ、「新聞だけでなく、個人の情報発信のパワーを知りました」とまで言って下さり、恐縮しました。「こんな、へっぽこブログを誰が読んでいるのやら」と思っていましたが、わたしの予想以上に多くの方々に読んでいただき、しかも喜んでいただいていることを知り、わたしの胸はいっぱいになりました。
なお、小倉昭和館の樋口館長とは、今後の映画館の在り方についても意見交換しました。わたしは、「思い出映画館」というコンセプトでの名画座と互助会のコラボなど非常に面白いと思っています。今後、さまざまな形で小倉昭和館さんを応援させていただきます。


北九州市の梅本副市長と



また、北九州市の梅本和秀副市長にも声をかけていただきました。
ブログ「小倉高校同窓会」に書いたように、2012年5月21日に開催された「第98回 明陵同窓会総会」で梅本副市長が来賓祝辞を述べられましたが、小倉高校出身者で活躍している人として、アサヒビール会長やNHK会長を歴任されて現在は新国立劇場運営財団理事長である福地茂雄氏、NPO法人ロシナンテス理事長としてスーダンや東北で医療活動を展開している川原尚行氏とともに、わたしを孔子文化賞を受賞した同窓生として名前をあげて下さったのです。感激したわたしは、早速、梅本副市長に御挨拶に伺いました。
そのことをくだんのブログに書いたところ、副市長もその記事を読まれたそうです。本当に多くの方々が、わがブログを読んで下さっているということを知り、身の引き締まる思いです。


山椒家小粒さんの南京玉すだれ



さて、宴会も終盤となり、デザートが出された頃に、山椒家小粒さんが再び登壇しました。
今度は落語ではなく、南京玉すだれの芸が披露されました。
若戸大橋西日本新聞のマークなど、さまざまな形が作られていきます。
さっきは野次を飛ばしていた末廣住職ですが、今回は食事をされていて、その視線はステージの小粒さんではなく、目の前の筍御飯に注がれていました。
南京玉すだれの最後、ステージを下りた小粒さんは末廣住職のところへやって来て、あろうことか、住職の頭に玉すだれを当てて「カミの御加護を・・・」と言ったのです。
しかし、末廣住職は怒りもせず、笑いもせず、完全に無視して下を向いたまま食事を続けていました。その雰囲気の怖いこと、怖いこと・・・・・。隣に座っていた石田部長は、もう「子泣きじじい」のような顔になって固まっていました。わたしも腰を抜かすほど驚き、咄嗟に小粒さんに向かって「あんた、何をやっているんだ! 殺されるぞ!」と叫んでしまいました。
それを聞いた小粒さんは、脱兎の如く一目散に退場していってしまいました。(笑)
末広住職は相変わらず「我関せず」で、筍御飯を食べ終わり、涼しい表情で吸い物を啜っていました。本当に凄い人です。「さすがは永平寺で修業された方だ!」と思いました。


締めの挨拶をする玉井代表

最後は、若松三本締めで・・・・・



そんなこんなで大いに盛り上がった「感謝の集い」ですが、お開きの時間となりました。
最後は、西日本新聞北九州本社の玉井代表が登壇して挨拶をされました。
「玉井組の若松にようこそ!」と言って大歓声を浴びた玉井代表は、「今後とも、北九州を良くする新聞をめざして頑張ります。どうぞ、よろしくお願いいたします」と述べられました。そして、若松ゆかりの建設会社である若筑建設の田中邦夫・専務執行役員本店長をステージに呼び込み、玉井組の法被姿を羽織って一緒に「若松三本締め」をされました。
このような素晴らしい催しにお招き下さった西日本新聞社さんに心より感謝いたします。


金鍋娘」によるお見送り(*´∀`*)ホケェ



帰りは、小倉駅に向かう送迎バスに乗り込みました。バスの外では「金鍋娘」たちが手を振って見送ってくれました。コスチュームがなんとも萌え系で、まるでAKB48のメイド姿のように見えます。わたしと石田部長は、彼女たちに力いっぱい手を振りました。
小倉駅でバスを降りた後は、成り行きで末広住職と二次会のカラオケに行きました。
わたしは全然知らなかったのですが、末広住職は石田部長の耳元で「石田先生よ、今夜は佐久間君を酔い潰そうや。ふふふ」と悪魔のように囁かれたそうです。あらら!
でも結局、二次会で酔い潰れて寝てしまったのはご住職のほうでございました。合掌。



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2014年2月8日 佐久間庸和