空気が育てる

今日は「13日の金曜日」です。でも、13日であろうが何だろうが金曜日なので、ロータリーのある日です。今日も、わたしは小倉ロータリークラブの例会に参加しました。


本日の例会のようす

昼食はチキンカレーでした



今日は参加者が少なく、親睦委員長である「ダンディ・ミドル」ことゼンリンプリンテックスの大迫益男会長も海外に行かれていて欠席でした。大迫委員長から「おー、あんた、また来たんね。意外と、よく来るね」などと言われないと、なんだか寂しい気がします。ほんとに。
昼食は、リーガロイヤルホテル小倉特製のチキンカレーでした。



二村会長の挨拶では、主に2020年に東京開催が決定したオリンピックの話をされていました。ブログ「おもてなしの時代」で、滝川クリステルさんの「おもてなし」パフォーマンスを紹介しましたが、それを二村会長がしっかり真似してくれたので嬉しかったです。(笑)
二村会長にとって、1964年に開催された東京オリンピックの一番の思い出は、柔道無差別級での神永とヘーシンクの決勝戦だそうです。二村会長が柔道に興味があるとは初めて知りました。最後に、二村会長は「オリンピックは参加することに意義がある。ロータリーも参加することに意義がある。終わります!」と言って、挨拶を終えられました。



本日の卓話は、元公立小学校教頭の下迫信子氏による「空気が育てる」というお話でした。
下迫氏は、最初に公立小学校の組織について触れ、数十人の教諭に対して、管理職は校長と教頭の2人しかいなくて立場が弱いことなどを説明してくれました。
漱石の『坊ちゃん』とか「金八先生」シリーズをはじめとする学園ドラマでは校長・教頭を権力者のように描いていますが、実際はそうでもないようです。



下迫氏は、ご自身が教頭を務められたある公立小学校の読書実践例について話して下さいました。その学校では、毎朝、校庭をランニングした後で10分間の自習の時間がありました。それぞれのクラスの担任の考えで、クラス全員で歌を歌ったり、漢字ドリルや計算ドリルをやったり・・・・・そのスタイルはまちまちだったそうです。



それを、あるとき、校長が「朝10分間、全校で読書をしよう」と提案したそうです。
反対する教諭もいたものの、なんとかスタートし、生徒だけでなく全教員や職員(給食調理員以外はすべて)で全校一斉にみんなで好きな本を読みました。「体の目覚ましは全校マラソン、心の目覚ましは朝の読書」ということで、静と動の切り替えを行ったわけです。その結果、静かな時間を共有することで、学校全体に落ち着いた空気が醸成されたそうです。



また、校長は「自分をりっぱに」という校訓を考え、すべての教室に掲げました。
校長は、各クラスの担任をとにかく褒めたそうです。それも、自分のクラスの生徒を褒めた先生を褒めたそうです。校長は、「教師の能力とは、どれだけの褒め言葉を持っているか」だと語り、どんな子にも長所があり、それを褒めることを何よりも奨励しました。
その結果、生徒たちは自信と自己肯定感を与えられ、自分に誇りを持ったとか。



「自分をりっぱに」というスローガンを守るには、バスの中ではお年寄りに席を譲りました。また、当然ながら「いじめ」のような卑劣な行為はなくなったそうです。
すべては、朝の読書と「自分をりっぱに」のスローガンが子どもたちを変えたのです。
わたしは、その校長先生はまるで孔子のような方だなと思いました。
素晴らしいお話を聴かせていただいた下迫氏に心より感謝いたします。



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2013年9月13日 佐久間庸和