佐久間会長メッセージ


いよいよ、9月になりました。2日は、朝から総合朝礼に本部会議と大忙しです。
ブログ「互助会保証の監査役に就任しました」に書いたように、わたしは、このたび互助会保証株式会社の社外監査役に就任いたしました。168社の互助会と7,172億円を契約する同社の発展と業界の信用確保のために全力を尽くす覚悟です。
その互助会保証さんが毎月配信しているメールマガジンの9月号が届きました。


互助会保証メールマガジン「GHK Bulletin」9月号より



今月号には、サンレーグループ佐久間進会長のメッセージが掲載されています。
佐久間会長は、先月8日に創立40周年を迎えた一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)の初代会長を務めました。ブログ「全互協創立40周年記念式典」に書いたように、同協会の40周年記念祝賀会は急な式次第の変更によって、初代会長である佐久間会長の挨拶が台無しになってしまいました。まことに遺憾な出来事でしたが、互助会保証さんから「ぜひ、メルマガに初代会長のメッセージを書いて下さい」とのお申し出がありました。
なお、くだんの記念祝賀会には「時の人」である甘利明・経済再生担当大臣がお越しになられていました。じつは、本日(2日)、佐久間会長は福岡で甘利大臣とお会いする予定です。


全互協創立40周年記念祝賀会での佐久間進会長の挨拶



さて、佐久間会長のメッセージは以下の通りです。
記念祝賀会のときには伝え切れなかった佐久間会長の想いが込められています。
サンレーグループ社員はもちろん、互助会業界の皆様もお読み下されば幸いです。


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「全互協創立40周年を迎えて」      


サンレーグループ会長 佐久間進




先日8月8日に、一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)の創立40周年記念式典が、ホテルベルクラシック東京にて盛大に開催されました。
開催にあたり、ご出席いただきました多くの政治家の皆様をはじめ、経済産業省の担当の方、関係各位の皆様にまずは感謝申し上げます。
さて、初代会長としてこの場をお借りして一言ご挨拶申し上げます。この40周年という節目に語るに相応しいことは、全互協の草創期を語ることが何よりも一番だろうと思います。



設立時には3団体がひとつになり、347の互助会事業者の加盟でスタート致しました。
当初は、加盟各社のほとんどが任意の組織でありましたから、それぞれの地域で思いのままに活動しており、考え方に大きな違いもありました。また、誹謗中傷もよく聞かされたりしてなかなか大変な船出でした。そのような中でも、自分達は「互助会」と称して仕事をさせていただいているのだから、業界内において問題を抱えている互助会、行き詰って意欲を失くした互助会、何よりもマスコミの目が非常に厳しかった時だけに、自分の会社にとっては負の資産・マイナス面となることを充分承知の上で引き受けていただいたり、統合や合併をしたりと、設立当初の混乱期を会員の皆様のご協力により何とか切り抜けてきました。



私も、初代会長としての責任もあり、そのうち約20社の互助会を救済のかたちで引き受けてきましたが、そのために大きな痛手を受けた苦しい経験などを思い出します。
そういった苦い経験こそありましたが、大半が良心的なメンバーであり、これまで大きな問題も起こすことなく、外部にも迷惑をかけずに、こうして発展的に創立40周年を迎えられたことは、誠に感無量でございます。これまで深いご理解とご協力をいただき、支えてくださいました関係者の皆様方に改めて心から感謝の意を表したいと存じます。



本年に入って、私はこの業界・冠婚葬祭互助会事業に更なる誇りと自信を持つようになりました。なぜなら、この事業・仕事は、心がけ次第で実に日本人に合っている、必要不可欠な仕事だと感じたからです。
弊社の事業基盤は北九州でございます。その北九州市の門司は、今では異色にして偉大なる経営者と言われております、あの出光佐三氏が興した出光商会(現:出光興産)の創業の地です。私がまだ若かりし頃、その創業地の建物の2階に資料館があり、創始者である佐三氏の写真と共に、次の言葉が添えられてありました。
「社会とは人間が集まってできたものであるから人間は互いに仲良くすること、そして力を合わせることが大切です。それは人間の尊厳だからです。平和の基です。人間の美しさでもあります。私はそれを人間尊重と言っております。」



私は、今でもこの言葉を鮮明に覚えております。これに加えて、互譲互助(お互いに譲り合い、助け合うことの大切さ)・和の精神の大切さも添えられておりました。私はその「人間尊重」という言葉に強く惹かれ、事業を始めるにあたっては基本理念にも定めました。今でも弊社の経営の原動力となっております。



それから48年が経過し、この出光佐三氏がモデルとなった小説『海賊とよばれた男』が今年の本屋大賞を受賞し、半年間で130万部を超える大ベストセラーとなった上に、ロングセラーとなりつつあります。この事実は、今の時代に出光佐三氏の理念や考え方、すなわち、「自分の利益だけではなしに日本の復興はどうあるべきか」「どうしたら仕事を通じて社会貢献ができるか」がこの本の中に強く滲み出ているからではないでしょうか。だから多くの日本人の心を呼び起こし、強い共感を得たのだと思います。



古くから日本人の生き方には、聖徳太子の十七条憲法にある「和を以て尊しと為す」の精神をはじめ、文献としては問題視されておりますが、『古事記』『日本書紀』のルーツとも一部で言われている『秀真伝(ホツマツタヱ)』には、「他人の為に尽くすことの大切さ」「他人の幸せを優先することの大切さ」などが述べられております。
古い昔から日本人の精神的DNAには、互譲互助・利他の精神・和の心・相互扶助の実践などがしっかりと組み込まれていたのだと痛感した次第です。



私ども冠婚葬祭互助会は、戦後間もない混乱の中、昭和23年に横須賀において西村熊彦氏の「貧しくとも、せめて冠婚葬祭ぐらいは執り行える、そういう環境をつくってやりたい」との思いやりから誕生しました。昭和23年といえば戦争のために諸外国へ派遣出征していた戦士達が一斉に帰還され、ベビーブームが起きた時期に重なります。まさに、互助会事業は経済的困窮から生まれ、現在まで続いて参りましたが、これからも同じ考えで進めても良いのでしょうか。戦後の日本の情勢は、たちまち若者文化の全盛時代となり、私どもが行なっている仕事も冠婚中心に進んできました。それから徐々に高齢化が進み、平成元年あたりからお年寄り文化に移行するまで、40年かかりました。



若者人口から老人人口へのスライドは「婚」から「葬」への移行、人口の逆転はマーケットの逆転となり、冠婚葬祭互助会事業も葬儀優先の業界になりました。戦後の昭和23年から冠婚中心で始まった私どもの事業は、現在では冠婚から葬祭優先の事業になったわけです。それから高齢化社会となって今日まで更に25年が経過しましたが、今では〝無縁社会〟と言われる独居・孤立・孤独の高齢者が増加している時代へと変化してきました。



先般、互助会保証(株)の藤島安之社長が時代を的確に捉えた名著『無縁社会を生きる』を上梓されました。私も感慨深く拝読させていただきましたが、確かにご卓見の通り、今後の無縁社会は拡大・問題化されていくことは確かでしょう。その裏付けとして、これからの日本社会は、単身世帯が30年後には人口の半分近くになるという調査結果が出ておりました。
そこで私ども互助会業界は、このご時勢、超高齢化社会に対応すべく、支え合う社会の構築を民間活力の先頭を切って、その中心的役割を果たす必要があるのではないか。これは私ども業界の社会的使命ではないかと思うくらいです。



私ども互助会業界の安定・充実、起業の利益確保もこれまでと同じように求めていかなければなりませんが、同時にこれからの社会を見据えて、間違いなく増えていく一人暮らしの孤立孤独者対策を事業の中に組み入れた新制度や会員サービスの在り方を考えていきたいものです。高齢者対策とは、すなわち高齢者の「居場所」と「出番」をどうつくるかです。絆を紡ぎあうにはどうしたら良いのかということです。したがって、高齢者が安心して暮らせるような社会構造づくりが必要になってくるわけです。



簡単な例として、高齢者同士の食事会である「隣人祭り」で人とのつながりをつくります。余裕がある人は旅行などに参加するのもいいでしょうし、趣味の会を通じての仲間づくり(カラオケ・グラウンドゴルフ・フラダンスなど)をするのもいいでしょう。そして、挨拶は自分から先にすることを心掛ける。「仲間づくり・健康づくり・生き甲斐づくり」を通してつながりを深めていく。また、お年寄りの知恵や経験が必要となる地域儀礼の復活や創造なども取り組んでいきたいものです。とかく引き籠りがちなお年寄りを外に連れ出すための何かを発信し続けていくことが必要なことだと思います。



今日、二代目や三代目の社長・経営者が多く見られるようになりましたが、是非新しいビジョンや感覚をもって次の目標を定め、共有して仲良く力を合わせて取り組んで欲しいと思います。その暁には、互助会業界は単に冠婚葬祭サービスを提供するだけではなく、この世の中で不可欠な業界へと更なる躍進を遂げることができるはずです。
新しい指導者の若い皆様が、若い力・行動力を発揮して下さることを切に願います。また、ご関係の皆様のより深いご理解とご協力を賜り、業界の躍進、そしてこれからの輝かしい未来に向かって希望ある新たなスタートにしたいと思います。



最後になりますが、現在、冠婚葬祭互助会業界は大きな苦難の時を迎えております。しかし、何事も「陽」に捉えて、明るく、前向きに、積極的に、業界の皆様が仲良く力を合わせて、これからの社会になくてはならない業界をつくることを互いに誓い合って、これからの時代、価値ある業界づくりに向かって進もうではありませんか。苦難を乗り越えるだけで終わらず、これを試練と心得て、一大転機として精一杯がんばろうではありませんか。




スクリーンに映し出された全互協創立40周年記念映像



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2013年9月2日 佐久間庸和