立川らく朝独演会

七夕の前日となる7月6日、「サンクスフェスタ in小倉紫雲閣」が行われました。
雨にもかかわらず、サンレー会員様をはじめとしたお客様が、たくさんお越し下さいました。
わが社の会員様をはじめとしたお客様に、「ありがとうございます」という感謝の心をお伝えするイベントです。日本語にすれば「感謝祭」ですね。
そのハイライトにふさわしいイベントが開催されました。
現役ドクターの噺家である立川らく朝さんの落語独演会です。


立川らく朝独演会が開かれました



健康落語で大人気のらく朝さんは昭和29年1月26日、長野県生まれ。
杏林大学医学部時代から落語研究会に所属していました。
大学卒業後は東京は表参道でクリニックを開業しながら、平成12年に46歳にして立川志らくに入門します。平成16年、立川流落語の家元である立川談志に認められ、二つ目昇進。医師という立場を生かし、健康教育と落語をミックスした「ヘルシー噺(トーク)」、「健康落語」、「健康噺」、「健康一人芝居」という新ジャンルを開拓されました。


健康落語で笑わせてくれました



独演会の内容には医師としての知識や経験が落語に織り込まれれ、高齢社会にぴったりの素晴らしいものでした。「喉越しのよい胃カメラ」とか「人間ドック・マニア」などのネタで大いに会場を笑わせてくれました。また、ガンの話題にも触れられました。現代において、日本人の死因の1位はガンであり、3人に1人はガンになるとされています。ガンを撲滅するのがナチュラル・キラー細胞ですが、この細胞、ストレスが大の苦手です。


大ホールが満員になりました



らく朝さんは、笑いこそがナチュラル・キラー細胞を増強させ、ガンになりにくくなる最高の方法であることを説きました。笑うとストレスがなくなってガンになりにくいというのは有名ですが、らく朝さんによれば、ウソ笑いでも効果があるそうです。ただし「フン」と鼻先で笑うぐらいではダメで、「ワッハッハ」と横隔膜で笑うことが大事だとか。
笑いはガンの撲滅だけでなく、血圧や血糖値を下げる効果もあるそうです。
つまり、高血圧や糖尿病になりにくくなるといいます。
さらには、笑うとα波が出て、禅僧が座禅を組んだときと同じ脳波になるそうです。
要するに、笑うと頭の中が「無」になるわけですね。
「笑いとともに健康情報を提供しよう」をコンセプトに生まれたヘルシートークの数々に、小倉紫雲閣の1000人収容の大ホールを埋め尽くしたお客様は大喜びでした。


らく朝さんが書いた2冊の本



その後は、貴賓室で面談させていただきました。らく朝さんが上梓されている『立川らく朝の一笑健康』、『笑いの診察室』(ともに春陽堂)という2冊の本の話題に触れ、拙著
葬式は必要!』(双葉新書)、『命には続きがある』(PHP研究所)をプレゼントさせていただきました。らく朝さんは同じ医師である矢作直樹先生と小生の対談本『命には続きがある』を手に取られ、興味深そうに見ておられました。


講演後、師匠の談志さんについてお話しました



また、らく朝さんの師匠である故・立川談志さんの話題にも触れました。
ブログ「談志の戒名に思う」にも書いたように、談志という人はとにかく権威を嫌いました。
それにしても、最後に自分でつけたという戒名には驚きました。
「立川雲黒斎家元勝手居士」
「たてかわうんこくさいいえもとかってこじ」と読みます。
「ウンコくさい」という言葉を入れ込んだのは明らかに確信的ですね。
これは、前代未聞の戒名ではないでしょうか。らく朝さんによれば、故人はこの戒名をかなり前から考えていたそうです。わたしは、談志だんは戒名をシャレにすることによって「死の不安」から逃れようとしていように思えます。ユーモアには死を超える力があるのであり、それはグリーフケアの場合にも言えることではないでしょうか。


わたしも大笑いしました



また、「戒名は自分でつける」的な安易な発想とは違って、談志さんの戒名からは一種の哲学を感じます。まるで人間を「糞袋」だと表現したフランソワ・ラブレーをも連想させますが、「人間というのは、そんな大層なもんじゃねぇ」ということが言いたかったのでしょうか。談志さんはよく、落語とは「人間の業の肯定」であると語っていたそうです。
そんな彼の思想が戒名にもよく表れていると思います。
らく朝さんとは他にもいろいろな話をさせていただきました。
とにかく話が面白く、わたしは「ワッハッハ」と横隔膜で大笑いしてしまいました。(笑)


立川らく朝さんと



らく朝さんの落語を聴いて、笑っているうちに健康になる気がします。
わが社は各地の施設で、高齢者向けのイベントを開催しています。
そんなイベントに、「笑い」と「健康」を兼ね備えたヘルシートークはまさにピッタリ。
ぜひ、これからも立川らく朝さんに独演会をお願いしたいと思っています。



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2013年7月7日 佐久間庸和