最後のセレモニー

ブログ「チョコと取材」で紹介した会報誌が創刊されました。
西日本新聞社が主宰する「路地裏オトナ塾」の会報誌です。
「シニアの積極ライフ 応援マガジン」と銘打たれています。


春をイメージさせる「路地裏オトナ塾」創刊号



創刊号の表紙には、「春」を連想させる和菓子が並んでいます。
これは創業明治28年の小倉の老舗・湖月堂さんの生菓子です。それぞれ「桜」「花束」「行く春」「すみれ」「うらら」「水温む・水鳥」をイメージして作られたそうですが、本当に美しい!
ちなみに、湖月堂さんは銘菓「栗饅頭」の元祖として全国的に有名です。


「路地裏オトナ塾」創刊号より



ブログ「西日本新聞講演」に書いたように、2011年4月16日、わたしは第1回の「路地裏オトナ塾」の講師を務めました。テーマは「故郷で死ぬということ」でした。
講演会は非常に盛況でしたが、その後も順調に運営され、今では600人もコアな参加者がいるそうです。いずれ、わたしも講師として再登場するように依頼されましたが、それに先立って、このたび発刊されることになった会報誌のインタビューを受けたのです。
会報誌は季刊で、年4回発行されるそうです。わたしも4回連続インタビュー取材を受けることになりました。一貫したテーマは「冠婚葬祭を考える」で、第1回目は「今をいかに生きるかで変わる、人生最後のセレモニー」というタイトルがついています。



昨今、葬儀の考え方が大きく変化し、「家族葬」が主流になりかけています。
それは面倒臭い、費用をかけたくない、家族や子供に迷惑をかけたくない、といった価値観の変化が要因のひとつとして挙げられるでしょう。しかし、本当の気持ちを押し殺して、気を使っているケースも多いのではないでしょうか。そうのように思えてなりません。
葬儀は人生最後のセレモニーです。誰もが自分のことを思い出してもらい、ともに過ごした時間を共有してもらいたいはずです。また、故人が生前お世話になった方々に残された遺族がお礼をする場でもあります。「ひっそりと葬儀を行いたい」という言葉の裏には、「はたして自分の葬儀に人が来てくれるのだろうか」という不安もあるのではないでしょうか。



現在、日本社会は「無縁社会」などと言われていますが、この世に無縁の人などいません。どんな人だって、必ず血縁や地縁があります。そして、多くの人は学校や職場や趣味などでその他にもさまざまな縁を得ていきます。この世は、最初から多くの「縁」で満ちているのです。ただ、それに多くの人々は気づかないだけなのです。「縁」という目に見えないものを実体化して見えるようにするものこそ葬儀ではないかと思います。



わたしは講演会などで「自分の葬儀をイメージしてみてください」という話をよくします。「どんな人が何人きてくれるか」「どういうことを言ってくれるか」など。
「自分の葬儀をさみしいものにしない。大勢の方に立ち会ってもらうんだ」と思うだけでも、人は残りの人生を前向きに生きられるのではないでしょうか。
葬儀を考えることは、今をいかに生きるかということにつながってくるのです。
最後に、自分らしい葬儀をあげるためにも、また残された人たちが迷わないためにも、自分がどのような最期を迎えたいのか、どのような旅立ちをしたいか、という想いをエンディングノートに綴っておきたいものです。それが幸せにつながるのではないでしょうか。


「路地裏オトナ塾」創刊号より



エンディングノートといえば、わたしは究極のエンディングノートとして『思い出ノート』(現代書林)を刊行しましたが、おかげさまで非常に好評で増刷を重ねています。
今回、北九州市市制50周年と「路地裏オトナ塾」の創刊を記念して、読者の方々に10冊プレゼントさせていただくことになりました。創刊号の14ページに案内が出ています。
みなさんも、ぜひ「路地裏オトナ塾」をお読み下さい。
なお、問い合わせ先は以下のとおりです。



〒802−0005
北九州市小倉北区堺町1−2−16 十八銀行第一生命共同ビル4階
西日本新聞北九州本社営業部内「オトナ塾」事務局
FAX:093−513−5413
TEL:093−482−2603



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2013年3月15日 佐久間庸和