自分のお墓をどうするか  

金沢に来ています。30日、全互連の中部ブロック研修会がマリエールオークパイン金沢で開催されます。わたしは、全互連会長と当番互助会代表という2つの立場で参加します。
さて、30日に「サンデー毎日」2017年6月11日号が発売されます。
表紙の人物は、三宅裕司さんです。わたしは、同誌にコラム「一条真也の人生の四季」を連載しています。第82回目のタイトルは、「自分のお墓をどうするか」です。


サンデー毎日」2017年6月11日号



中国に行ってきました。兵馬俑を見学した翌日、西安から上海に向かいました。上海で訪れたのは、中国初の大型公園墓地である「福寿園」です。1995年に開園した福寿園は、上海市と民間企業である福寿園国際集団との第三セクター方式で造られています。土地を上海市が提供し、墓園の造成と販売を民間が行うというスタイルです。



23.3ヘクタールの広大な面積の霊園は多くの植栽と四季の花々に包まれ、あちらこちらで水の流れる水路や噴水も目にすることができます。
「東洋で最も美しい霊園」と呼ばれ、故人の銅像がたくさん立ち並ぶ。施設としては儀式ホール、レストラン、納骨堂、博物館などがあります。



また、樹木葬はもちろん、花壇の土に遺灰を撒いた「花葬」、レンガの壁を墓標代わりにした「壁葬」、ステンドグラスを墓標にした「ガラス葬」などの多様なスタイルがあって、興味深かったです。唯物論共産国家である中国に、このような立派な霊園が存在することは、人間には死者を弔う本能があるのではとさえ思います。



日本では、お墓の継承者が減り、お墓の在り方が大きく変化しています。「自分のお墓をどうするか」考えざるを得ない時代になりました。お墓が「家墓」から「個人墓」に変化してきている。つまりお墓が「家」のものから、「個人」のものに変容してきているのです。かつてはお墓の中に、いくつもの遺骨が入っているのは当たり前でした。長男の嫁であれば、死んだら嫁ぎ先の墓に入ることに誰も疑問を持ちませんでした。



しかし、今はどうでしょうか。「死後は、夫と同じお墓に入りたくない」という女性が増えています。また長男といえども、先祖のお墓ではなく自分らしいお墓に入りたいと願う人も多いです。お墓も大家族型から、核家族化してきたということです。
ここには少子高齢化無縁社会の問題も含まれています。そのへんの事情は拙著『墓じまい・墓じたくの作法』(青春新書インテリジェンス)をご一読あれ!


サンデー毎日」2017年6月11日号の表紙



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2017年5月30日 佐久間庸和