「風と共に去りぬ」の思い出


27日、「サンデー毎日」2016年10月9日号が発売されました。
わたしは、同誌にコラム「一条真也の人生の四季」を連載しています。
じつは今月末で連載開始からちょうど1年となり、終了の予定でした。
しかし、非常に好評とのことで連載継続が決定しました。ありがたいことです。
これからも、日本人が幸せになる「こころ」と「かたち」について書いていきます。
本当は最終回のはずだった第49回目のタイトルは「『風と共に去りぬ』の思い出」です。


サンデー毎日」10月9日号



わたしの最新刊『死を乗り越える映画ガイド』(現代書林)が刊行されました。帯には、「『風と共に去りぬ』から『アナと雪の女王』まで」というキャッチコピーが躍っています。
じつは、わたしが初めて観た長編の洋画が「風と共に去りぬ」なのです。たしか小学3年生ぐらいのとき、テレビの「水曜ロードショー」で観ました。とても新鮮でしたが、まず思ったのが「よく人が死ぬなあ」ということでした。



南北戦争で多くの兵士が死に、スカーレットの最初の夫が死に、2人目の夫も死に、最愛の父親も死に、親友のメラニーも死にます。特に印象的だったのが、スカーレットとレットとの間に生まれた娘ボニーが落馬事故で死んだことでした。わたしは「映画というのは、こんな小さな女の子まで死なせるのか」と呆然としたことを記憶しています。このように、わたしは「風と共に去りぬ」によって、「人間とは死ぬものだ」という真実を知ったのです。



主役のスカーレット・オハラを演じたヴィヴィアン・リーの美しさに子ども心に一目惚れしたわたしは、「将来、この人に似た女性と結婚したい」と思いました。ヴィヴィアン・リーの巨大ポスターをパネルにして、自分の勉強部屋に飾ったりしました。



水曜ロードショー」では、ヴィヴィアン・リーの吹き替えを栗原小巻さんが担当しましたが、ラストシーンの「明日に希望を託して」というセリフが子ども心に深く残りました。
原作では“Tomorrow is another day”というセリフですが、訳書では「明日は明日の風が吹く」と訳していました。それをテレビでは「明日に希望を託して」というセリフに変えて、栗原さんが力強く言い放ったのです。わたしは非常に感動し、わが座右の銘となりました。



先日、「風と共に去りぬ」をリアルタイムで上映した小倉昭和館の77周年祝賀会で、栗原小巻さんにお会いしました。わたしは、栗原さんに少年時代の感動のお礼を申し上げました。栗原さんは、とても喜んで下さいました。


サンデー毎日」10月9日号の表紙



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2016年9月27日 佐久間庸和