冠婚責任者会議

2月24日、サンレーグループ冠婚責任者会議が開催されました。
会場は、松柏園ホテルバンケットフェリーチェ」でした。
各地から、わが社の誇る“むすびびと”たちが集結しました。
わたしは、じつに2014年の9月以来の冠婚責任者会議で訓話しました。
もちろん、会議そのものはその間に数回開催されていました。
しかし、どうしてもスケジュールが合わなかったのです。


冠婚責任者会議のようす

お久しぶり! 元気ですか?



社長訓示で、わたしはまず、インド視察の簡単な報告をしました。
インドの結婚事情には深刻なものがあります。というのも、年端もいかない15歳以下の少女が年上の男と強制的に結婚させられているのです。世界保健機関が正式に発表した数字によれば、15歳以下で結婚を強要される少女たちは、なんと毎年1420万人だといいます。この低年齢結婚はインドを中心に、中東やアフリカにも多く見られます。これらの地域では、8歳から15歳の少女が年上の男性と強制的に結婚させられているのです。そして、多くの少女が結婚を理由に教育の機会を奪われています。早過ぎる出産の強制や、それによる死亡例 も多く報告されています。日本のように、普通に結婚できて、普通に結婚式を挙げられるというのは本当に幸せなことなのです。それなのに、「コスパが悪い」などを理由に結婚や結婚式を否定するなど愚の骨頂と言えるでしょう。


インド視察の報告をしました

「ゲスの極み」について持論を述べました



それから、最近よく言及する「ゲスの極み」について話しました。
今年最初に驚いた芸能ニュースは、「週刊文春」がスクープしたタレントのベッキーとロックバンド「ゲスの極み乙女。」のボーカル川谷絵音の不倫報道でした。
川谷絵音は昨年夏、バンドを結成時から支えた女性と結婚しました。しかし、世間には結婚したことを公表しませんでした。結婚していること自体を秘密にしているため、結婚式も挙げませんでした。彼の奥さんは身内だけでも結婚式をしたいと願望を伝えましたが、その気持ちは届きませんでした。川谷絵音ベッキーは、本物の「ゲスの極み」になってしまいました。その最大の理由は、川谷がきちんと結婚式を挙げなかったことに尽きると思います。


結婚したら結婚式を挙げなければならない



結婚したら、必ず結婚式を挙げなければなりません。これは、国家や民族や宗教を超えた人類普遍の「人の道」です。結婚式は何のために行うのかと考えたら、それは簡単に言えば、神や人の前で離婚しないように約束するためです。ですから、神前式でも教会式でも人前式でも、2人が夫婦として仲良く添い遂げることを誓う「宣誓の言葉」を述べるのです。結婚するだけなら役所に婚姻届を出せばいいし、結婚式をしたことを周囲の人々に知らせ祝福してもらいたいのなら、レストランでの披露パーティーで充分です。わざわざ結婚式をやる意味とは、離婚を防止するため、これに尽きると思います。そもそも、最初から離婚するつもりで結婚する人が、この世にいるでしょうか。もし、そんな人がいたら、まず「慰謝料目当て」という言葉を連想し、さらには「保険金殺人」といった犯罪の匂いさえします。とにかく、自分が結婚しても結婚式を挙げないから、ゲスの極みになってしまうのです。


「ナシ婚」について話しました



そんな大切な「結婚式」が最近は軽視されているようです。この日は気になる2つのデータを紹介しました。まず1つ目は、入籍をしたが結婚式はしていない、いわゆる「ナシ婚」についてのデータである(みんなのウエディング「ナシ婚」に関する調査2015)。これによると入籍者の実に約半数が結婚式をしていないことのこと。ちなみにナシ婚の三大理由は「経済的事情」「さずかり婚」「セレモニー行為が嫌」と続いています。 


「ナシ婚」の三大理由を説明しました



そして2つ目は「結婚式を実施した理由について」(ゼクシィ結婚トレンド調査2014)、その回答では「親・親族に感謝の気持ちを伝えるため」「親・親族に喜んでもらうため」「友人など親・親族以外に感謝の気持ちを伝えるため」と続きます。興味深いのは、「ナシ婚」の理由が、自分たちの都合であるのに対し、「した派」すなわち「アリ婚」の理由は親族・友人へとベクトルが向いているところです。敢えていうなら「利己的理由」と「利他的理由」の違いと言えるのではないでしょうか。


「アリ婚」の理由も説明しました



それでは「ナシ婚派」は、本当に感謝の気持ちを届ける必要性はないと考えているのでしょうか。答えは、NOです。ナシ婚三大理由を克服し「感謝の気持ちを届ける」きっかけ作りをしていくことも、むすびびとたちの新たなミッションです。ここに興味深いデータがあります。ナシ婚三大理由トップの「経済的事情」を選んだカップルの42.2%が、結婚式の概算を調べたり、見積りを取ったりしていないと回答しているのです(みんなのウエディング「ナシ婚」に関する調査2014)。「何となく高そうだからしない」という理由が最も多いのです。つまり、ナシ婚派の多数は情報不足が理由で、親族・友人達へ「感謝の気持ちを届ける」きっかけを失っているのです。



ナシ婚三大理由第2位の「さずかり婚」はどうでしょうか。わたしは「子どもをさずかったからこそ、親への感謝をカタチにする必要がある」のではないかと考えています。さらに「子どもが理由で諦めた」では、将来成長した子どもたちはどう思うでしょうか?
結論からいうと、大切な生命を授かったからこそ「婚礼は行うべき」なのです。しっかりと結婚披露の場を設け、親族・友人たちへ感謝の気持ちをきちんと届けてほしいものです。成長した子どもたちも、「あなたを授かったからこそパパとママは一緒になれたんだよ」と誇らしげに想い出のアルバムを開く時が来るのではないでしょうか。


「ナシ婚」派は情報不足である!



さらに第3位の「セレモニー行為が嫌」について。これは各地で結婚式のお世話をさせていただいている、わたしたちの責任も大きいと思います。なぜなら、「感謝のココロをカタチにする」という婚礼本来の意味(価値)をうまく伝えていないからです。
以上、ナシ婚三大理由のどれをとっても残念ながら「情報不足」は否めません。  


わが社の方策について



わが社では3つのスタイルのウエディングを新たに提案しています。
1つ目は「フォト・ウエディング」。いわゆる「写真だけの結婚式」です。わが社では衣裳・スタジオを直営しているため、質の高いサービスをリーズナブルに提供することができます。日本庭園での和装姿や、ガーデンでのロケーション撮影が特に人気です。2つ目は「顔合わせのお食事会」。すでにナシ婚派の6割以上が行っているわけですから、潜在需要が最も高い商品でしょう。フォト・ウエディングと合わせた「ハイブリット婚」も今後は増えていくと思われます。



そして3つ目。発表後、最も注目されているのが「エンジェル・ウエディングです」。これは子どものお披露目も兼ねた新たなウエディングのカタチです。「子どもができたからしない」ではなく、「子どもがいるからこそする」、非常にポジティブな発想から生まれたセレモニーです。新郎新婦が赤ちゃんを抱いて入場するシーンはとても微笑ましいですね。まさにエンジェルの笑顔で会場は一気にアットホームなムードに包まれていきます。結婚式とは親族や友人へ「感謝のココロを届けるカタチ」です。「感謝もまったくナシ婚」ではいただけません。今後も、わたしたちは多様なカタチのセレモニーを提案しながら新郎新婦の魂を結ぶ「結魂」のお手伝いをし、かつ両家の御縁も結ぶ「きっかけ作り」をしたいものです。


エンジェル・ウエディングを熱く語る



最後に、成人式の話をしました。ここ10年ほど本社所在地である北九州市の成人式が「派手すぎる」と注目を浴びています。本年は行政から「きちんとした服装で出席するように」との異例の呼びかけもあったと聞きます。派手なカラーの袴で拡声器をもって練り歩く男性たち、花魁のように肩を出した女性たち・・・・・・。その異様な姿が多くのメディアで取り上げられ、あろうことかインターネット上では「安定のヤンキー文化」「修羅の国」などと正月の風物詩(?)として拡散をしているといいます。


成人式への想いを述べました



はっきりと言わせてもらいます。わたしたちがお手伝いをさせていただいているお客様に「修羅の国」のようなスタイルをした方は1人もいません。早朝眠い目をこすりながら家族とともに来館され、着付け後は晴れやかな笑顔で家族や友人たちと記念撮影をする姿はとても微笑ましいです。「修羅の国」は新成人たちだけのせいではありません。ずばり言いますが、「大人になったことを自覚し、自ら生き抜こうとする青年を祝い励ます」という成人式の趣旨を無視し、「稼ぐこと」に特化した一部業者による「間違えた差別化」がこのような現象を起こしているのではないでしょうか。また一部の事象のみを面白おかしく報道するマスメディアの姿勢にも問題があると考えます。大人たちの商売の都合で、一生に一度の晴れの日を「修羅の日」にしてはなりません。国際的にも大きな恥です。今年は「北九州の成人式を変えるので、みんなも一緒にアイデアを出してほしい」と訴えました。


懇親会の冒頭で挨拶する佐久間会長

職場のコミュニケーションを活発に!

続いて、わたしが挨拶しました

カンパ〜イ!



社長訓話が終わった後は、懇親会が開かれました。
最初に佐久間会長が挨拶し、「わたしは今年から茶道の全国の会長を務めることになりました。おもてなしの真髄という視点からすると、わが社のみなさんはまだまだ『気づき」や『気配り』が足りない。職場のコミュニケーションを活発にすれば業績は上がります」と述べました。続いて、わたしも「社内コミュニケーションで大切なのはホウレンソウ、つまり報告・連絡・相談です。それから、お客様とのコミュニケーションが何よりも大事。儀式の意味や重要性をきちんと伝えましょう」と挨拶しました。それから、橋本常務の発声で乾杯しました。



懇親会は大いに盛り上がりましたが、みんな松柏園の料理の素晴らしさに感嘆の声を上げていました。わたしも日本全国のホテルや結婚式場や料理屋さんなどでさまざまな料理を食べますが、身内のひいき目抜きに松柏園の料理は美味しいと思います。それは、胸を張って言えます。しかし、インド帰国以来わたしはお腹の調子が良くないため、この日は病人用の特別メニュー(お粥コース)でした。お酒も飲めずにお茶で我慢です。とほほのほ!
その代わりに、各テーブルを回ってお酌役に徹しました。


わたしにはお粥が運ばれました

1人でお粥をすすりました



それにしても、松柏園の宴会料理は美味しそうでした。
特に熱々のビーフシチューが美味しそうでした。
わたしの向かいに座っている人はじつに旨そうにハフハフしながら食べていました。
わたしは、1人寂しくお粥をいただきました。松柏園はお粥も旨いです。



懇親会の最後は、沖縄部の小久保達美事業部長によって中締めの挨拶がされました。
大塚事業部長は、 サンレー・オリジナルの「末広がりの五本締め」で締めました。わが社のオリジナル文化は色々とありますが、この「末広がりの五本締め」もそのひとつです。これをやると、みんなの心が本当にひとつになるような気がします。これもまた、「和」を実現する秘法なのです。やはり、カタチにはチカラがあります! 


みんなで「末広がりの五本締め」をしました



いま、冠婚葬祭互助会業界は大きな過渡期にあります。しかし、わたしたちは「人間尊重」をミッションとする礼業の会社として、正々堂々と胸を張って結婚式のお世話をさせていただきたいものです。そして、互助会の会員さんが幸せになるためのお手伝いができるように、つねにアップデートを心がけ、アップグレードを目指したいと思います。懇親会終了後は、松柏園のラウンジにて二次会が行われました。



ブログ『稲盛流コンパ』では、組織の団結を実現するコンパについて紹介しました。
経営トップも管理職も若手社員もすべて胸襟を開いて飲んで語り合うコンパには、人間関係を良くして、業績を向上させる力があります。まさに、理念とコンパは経営の両輪ですね。
じつは、わが社には50年来のコンパの伝統があります。
そして、今夜のサンレー流コンパも大いに盛り上がりました。わたしはいつものハイボールではなく、ストレートの紅茶でしたけど・・・・・・。とほほのほ!
やはり、理念と志をともにする「同志」とのコンパは最高です!



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2016年2月25日 佐久間庸和