空目とマインドフルネス

今日は「13日の金曜日」でした。不吉な予感を振り払いながら、リーガロイヤルホテル小倉で行われた小倉ロータリークラブの例会に参加しました。ニコニコBOXで、わたしは「おかげさまで昨日、みやこ紫雲閣がオープンしました。60番目の紫雲閣です。いつも末廣石光さんから『たくさんあるんだから1つくれ』と言われますが、大切な生活の糧ですので、それはできません」とコメントを書いたところ、大受けしました。(笑)例会終了後、末廣さんからは「1つといわず、3つくらいくれ!」と言われましたけど。(苦笑)


本日の卓話テーマは「空目とマインドフルネス」でした



ロータリーの例会で楽しみなのは卓話です。今日の卓話は、「空目とマインドフルネス〜ヤフーニュースでわかるあなたの情報の読み方」というテーマでした。卓話者は、ヤフー(株)北九州センター北九州編集室の奈須川信幸室長でした。


「ヤフー北九州センター」について説明



須川室長は最初にヤフーの北九州センターについて話して下さいましたが、これは東京・大阪に次ぐカスタマーサポート拠点なのだそうです。東京の本部に何かのトラブルが発生し、ヤフーのTOPページを更新できないような場合、ヤフー北九州で更新や編集作業を行うといいます。これは、初めて知りました。


ヤフーのTOPページを背に語る



わたしも毎日、ヤフーさんにはお世話になっています。
検索なども、もっぱらグーグルではなくヤフーで行います。
またヤフーのTOPページに表示される「ヤフーニュース」の影響力は大きく、学生をはじめとした若者は新聞を読まずに、もっぱら「ヤフーニュース」で日々の情報を得ています。


超シンプルな「ヤフーニュース」のタイトル



その「ヤフーニュース」の記事タイトルは超シンプルで非常に短いことで知られますが、それゆえに「空目」という現象を呼び起こしているそうです。
「空目」というのはわたしも初めて目にする言葉でしたが、「そこに存在していないものを見たと認識してしまうこと」あるいは「書かれている単語を、別の単語として見間違えること」だそうです。「空耳」が幻聴なら、「空目」は幻視というわけです。


「空目」とは何か?



現在ではあまり使われませんが、「光ありと見し夕顔の上露はたそかれ時の空目なりけり」という和歌も残っているように、じつは平安時代からある用法だそうです。「何も見えないはずのときに、何かが見える」という意味もあるといいます。



須川室長は、ユーモアも交えながら、大変わかりやすく「空目」について説明して下さいました。最初に「小僧憎し ラーメン事業進出」という空目の事例をあげて、正しくは「小僧寿し ラーメン事業進出」だと解説。また、「宅配便業界 家事介入へ」が「宅配便事業 軍事介入へ」と見られたり、「官僚トップツー 異例の不在」が「官能トップツー 異例の不在」に見間違えられた例などをあげ、会場中を笑わせていました。


「空目」には個人の趣向が反映される



はてなキーワード〜空目とは」には、空目の例として、「キクチメガネ⇔キチクメガネ」「トイレ⇔トレイ」「おこと教室⇔おとこ教室」「ひつまぶし⇔ひまつぶし」「マスカラ⇔マラカス」「バンガロー⇔ガンバロー」「照明⇔照英」「タラバガニ⇔タイバニ」などがあげられています。他にも「おじや⇔おやじ」「相模⇔相撲」などがあります。さらに両国国技館の住所である「横網1丁目」をほとんどの人が「横綱1丁目」に見間違える実例を示して、奈須川室長は「空目」には個人の趣向が反映されると述べました。そして、「空目」をすることは、情報摂取の仕方を振り返るきっかけとなり、「マインドフルネス」に通じるのだそうです。


情報摂取の仕方を振り返るきっかけに・・・・・・



「マインドフルネス」とは何か?「MiCBT(マインドフルネス統合認知行動療法)とは?」というサイトでは、「マインドフルネス」について以下のように説明しています。
「マインドフルネスとは、私たちの体内や心で体験される出来事一つ一つに、価値判断も反応もせず受け入れるような姿勢で意識を向け、この瞬間から次の瞬間へその意識を持続することです。 マインドフルなあり方を学ぶにつれて、色々な出来事をとらわれのない無執着の姿勢で体験できるようになっていくので、ストレスや不安症、うつといった日常の苦しみにも対抗できるようになっていきます」



NHK出身という奈須川室長は、ニュース番組のアナウンサーのように解説して下さいました。しかし、何を隠そうわたし自身が「空目」を経験したのでございます。というのも、マインドフルネスは一般に瞑想などと関連づけて語られることもあり、わたしは「空目とマインドフルネス」を「空海とマインドフルネス」と思い込んでいたのです。


超訳空海の言葉

超訳空海の言葉

もともと、わたしが「空目」という言葉を知らなかったこと、『超訳 空海の言葉』(KKベストセラーズ)を昨年末に上梓したこともあり、完全に「空目」を「空海」と見間違えてしまいました。それにしても、非常に面白い卓話でした。奈須川室長、ありがとうございました。



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2015年2月13日 佐久間庸和