小谷みどり講演会


東京に来ています。27日(火)は、大塚駅前にある「ホテルベルクラシック東京」で全互協の今年最初の理事会が開催されました。13時30分から理事会、14時40分から臨時総会が行われ、業界をめぐるさまざまな諸問題が話し合われました。


演題は「『つながり』を考える」でした



臨時総会の終了後、15時50分から新春講演会が開催されました。
講師は、第一生命経済研究所主席研究員・博士の小谷みどりさんです。
演題は、「つながりを考える〜社会や家族のゆくえ」でした。
小谷さんとわたしは、ともに互助会保証株式会社主宰の「アジア冠婚葬祭業国際交流研究会」の副座長を務めており、日頃より親しくさせていただいております。


講演する小谷みどりさん



講演の冒頭で、小谷さんは「今日は、『明るい話をお願いします』とのオファーを受けましたが、わたし、葬式とか墓とか暗い話にしか興味がないんです」と言って会場を笑わせてくれました。また、なんと、この日は小谷さんの○回目の誕生日だそうです。それを告げると、大きな拍手が起きました。おめでとうございます!


グラフを使ってわかりやすく説明

ひとり暮らし高齢者の増加

未婚高齢男性の増加

平均初婚年齢について説明


小谷さんは、豊富なグラフ類を示しながら、以下のようなテーマについて話してくれました。
●65歳以上世帯の住まい方
●ひとり暮らし高齢者の増加
●未婚高齢男性の増加
●未婚者(18〜34歳)の平均希望結婚年齢
●平均初婚年齢
●同居期間別でみた離婚
●地域の将来に対する意識
●4軒に1軒が空き家


家族や他人とあいさつ程度の会話や世間話をする頻度

どんな葬儀をしたいか

かつては共同体が葬儀を担った

つながり再認識のために



さらに、小谷さんは以下のようなテーマについて説明してくれました。
●家族や他人とあいさつ程度の会話や世間話をする頻度
●死の自己決定〜ぽっくり
●高齢者の死の増加
●どんな葬式をしたいか
●かつては共同体が葬儀を担った
●病気やけがで困ったとき、配偶者は頼りになるか
●儀式・儀礼の現代的意義
●つながり再認識のために



歯に衣を着せない直言を、早口の関西弁でズバズバ言い切ってゆく小谷さんのマシンガン・トークは非常にユーモアに富んでいながらも、有意義なアドバイスに溢れていました。
さすがに現在、各テレビ局から引っ張りだこというだけあって、小谷さんの話術のうまさには感心しました。またシンクタンクの主任研究員らしく、具体的な数字を基にして社会の変化を説明してくれるので、非常に理解しやすかったです。


講演会のようす




特に「夫も思う以上に、妻は別れたがっている」「年金手帳を持参する高齢社婚活パーティーの参加者」「年金にもヒエラルキーがある」「妻が死んだらコロっと逝く男は、たいてい家事ができない」「日本は世界一の長寿国なのに、長生きしたくない人が多い」「日本人の高齢者の自殺は、先進国の中でダントツに多い」「今の社会、ボケた者、死んだ者勝ち」「終活がブームになればなるほど、葬式をしなくなる」といった話が印象に残りました。


ライヴ感覚満点でした!



どちらかというと、上沼恵美子ばりの毒舌に近いトークを繰り広げて聴衆を圧倒させた小谷さんですが、最後は「みんな家族に迷惑をかけたくないというけれど、迷惑のかけ合いをしなければ絆は生まれない」「手間と迷惑とは違う。出来の悪い子どもは手間がかかるけれども、手間がかからない優秀な子よりも可愛いもの」「今の社会、『なぜ葬式をするの?』と意味を問う人が多いが、本来、儀式は行うことにこそ意味があった」、そして「葬儀をはじめ、儀式を行うことで『つながり』が生まれる」といった発言には安心しました。小谷さんも、やはり「つながり」のある社会を再生しようとしているんだなと思いました。
小谷さん、興味深いお話をありがとうございました。



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2015年1月27日 佐久間庸和