同級生からの手紙

ブログ「中学の同窓会」に書いたように、11月9日、日新館中学校の同窓会に参加しました。35年ぶりに会った同級生たちと思い出話に花を咲かせましたが、今日、とても嬉しいことがありました。東北大学大学院教授の江藤裕之君から手紙と著書が届いたのです。


江藤君からの手紙




江藤君の手紙は素晴らしい名文で、わたしの心を打つ言葉が綴られていました。
もちろん私信ですので、すべてを公開するわけにはいきません。
でも、以下の冒頭の文章ならば、紹介させていただいても大丈夫でしょう。
「佐久間(昔のよしみで、呼び捨てにさせてもらいます)、先日は、久しぶりに会うことができて、本当にうれしかったです。貴兄を始め、他のみんなも立派になり、社会人としてそれぞれの分野で活躍している姿は本当にうれしくもあり、また励みにもなりました。そして、年齢的にも責任のある地位や立場にいるのだけど、一瞬、そういったことを忘れ、恩師を囲み35年前にタイムスリップした感じは、いいものですね」



続いて、江藤君は次のように書いていました。
「さて、同窓会のすぐ後に、ある学生から、小生のことがある人のブログに出ているとの情報をもらい(こういう学生がいるんです)、早速、見てみると、貴兄の『天下布礼日記』でした。その11月10日の項に今回の同窓会の詳細な報告がアップされていました。早速、一読し、貴兄の文章の素晴らしさ、美しさだけでなく、参加者への配慮(たとえば、名前を挙げるにしても50音順にするとかの)や思いやりを感じ、貴兄の優しさ、そして、ご縁を大切にするという貴兄の生き方に感銘を受けました。そこで、余計なこととは思いましたが、すでに公開されているものでもあるので、中学、高校のフェイスブック仲間に知らせ、今は、皆、貴兄のブログを読んでいることと思います。事後報告になりましたが、感謝をもってお知らせします」


江藤君から贈られた2冊



わたしは、この江藤君の文章を読んで嬉しく感じ、こちらのほうが感謝の気持ちでいっぱいになりました。江藤君の手紙は便箋で3枚にも及び、わたしとの思い出や恩師・渡部昇一先生のことなどが書かれていました。手紙と一緒に江藤君の著書も同封されていました。
『看護・ことば・コンセプト』(文光堂)という本です。看護に関する「〜とは何か」を考えていくきっかけとして、看護研究や看護実践でよく使われる言葉、あるいは看護をとりまく言葉を取り上げ、その語源や歴史をヒントにしつつ、その本質に触れる非常に興味深い本でした。



同書の「序――看護を哲学しよう  Care is Everybody′s Business.」の冒頭には、「大切な『魂の世話』」として、以下のように書かれています。
「体が疲れたら休みをとり、お腹がすいたら何か食べる。体の調子が悪い時は薬を飲むか、病院に行く。こうやって、体の世話に事欠くことはありません。しかし、私たちは、内面の問題、つまり『魂の世話』は十分にやっているのでしょうか。こう問いかけたのは古代ギリシアの哲人ソクラテスです。そして、魂の世話のために、幸福な生活を求めて『真とは何か』『善とは何か』『美とは何か』を思索することの大切さを説きました。
言うまでもないことですが、健康とは、身体面のみならず、心、精神、そして人間関係までをも含めた全体的に良好な状態のことを言います。ですから、魂の世話は、体の世話と同じくらい大切なものなのです」



わたしはこの文章を読んで、感銘を受けました。そして、とても嬉しく思いました。
ソクラテスの「魂の世話」は、わたしの座右の言葉のひとつです。
つい最近も、名言ブログ「ソクラテス(3)」で紹介したばかりです。
わたしは「魂の世話」というソクラテスの言葉から、「結魂」や「送魂」などのキーワードを思いつきました。冠婚葬祭業とは、まさに魂のお世話業なのです。
また、昨年からわが社は高齢者介護事業に進出しましたが、介護の根本も「魂の世話」であると思っています。同級生から贈られた著書の最初に「魂の世話」という言葉を発見して、わたしがどれほど驚き、また喜びを感じたか、おわかりいただけるでしょうか?



それから、もう1冊。『Multiple Perspectives on English Philology and History of Linguistics』という青い英語で書かれた本です。これは、渡部昇一先生が80歳になられたことを記念して、教え子から贈られた英語学および言語学の記念論文集だそうです。わたしは江藤君と違って、それほど英語が得意ではありませんので(苦笑)、この本をスラスラ読むというわけにはいきませんが、とても嬉しかったです。
蔵書として、わが書斎に大切に保管させていただきます。



それにしても、英語は世界で最も影響力のある言語であり、インターネットの世界でも大半は英語で書かれた情報が流通しています。英語でのメッセージがいかに影響力があるかを、わたしはブログ「宇宙葬」で紹介したエピソードで痛感しました。わたしの書いた本をハーバード大学の大学院生が翻訳してくれ、それがNASAの重要人物の目にとまって、現実の宇宙葬ビジネスに結実したのです。その顛末を鬼才ブロガーの不識庵さんが「宇宙葬と交遊抄」という記事にまとめてくれました。



わたしの長女は大学のESSに所属し、次女も英会話スクールに通っています。
やはり、今後の国際社会を生き抜く上で英語は不可欠のたしなみですね。
これから「50の手習い」で英語の勉強でもし直そうかなと思います。
ともあれ、同級生の江藤君から心温まる手紙と著書が届き、とても幸せな気分になれました。わたしも、江藤君に返事の手紙と著書を数冊送らせてもらいました。
同級生はいいもんです。また江藤君に会えることを心より楽しみにしています!


同窓会で江藤裕之君と



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2013年11月16日 佐久間庸和