天道館の竣工式

9月26日は、サンレーグループ佐久間進会長の満78歳の誕生日です。
わたしは、1着30万円のスーツか、ピアジェの時計か、高級車のセンチュリーでもプレゼントしようかと思いました(笑)。もちろん冗談ですが、会長にとって、そんなものよりももっと嬉しい出来事がありました。この日、「天道館」というわが社の施設が竣工したのです。


完成した天道館の外観

竣工清祓神事のようす

一同礼!

拍手を打つ佐久間会長

社員一同とともに拍手を打つ



11時より、皇産霊神社の瀬津隆彦神職による竣工清祓神事が執り行われました。
サンレー総務課の國行昭年課長による「開式の辞」の後、修祓、降神之儀、祝詞奏上、清祓之儀が行われました。続いて、玉串奉奠です。佐久間会長、社長のわたし、株式会社スズキ設計の鈴木基正社長、株式会社田中の田中喜英常務の順番で玉串奉奠しました。
そして昇神之儀を行って、閉式となりました。


感謝状贈呈式のようす



竣工清祓神事が終了すると、感謝状贈呈です。わたしが、スズキ設計の鈴木基正社長、田中の田中常務に感謝状を金一封を添えて贈呈させていただきました。
感謝状贈呈式の後、施主挨拶に立ったわたしは、次のような話をしました。
もともと、この場所には「天動塾」という柔道場がありました。わたしが幼少の頃より柔らの道に励んだ道場です。それが老朽化したので取り壊し、新たに「天道館」と名付けられました。


施主挨拶をしました



「天道館」の設立主旨は主に3つあり、それは以下の通りです。
まず、実践礼道小笠原流の礼儀作法を取り入れて、サンレー社員としての基本的なスキルを学ぶ社員教育の場、また、社員間の意思疎通を図り、目的の共有を図るための社員同士のコミュニケーションの場としての役割を担う施設とするため。



それから、サンレー創業の地である上富野周辺の方々に、長くご愛顧いただき、お世話になった感謝の気持ちを込めて、この天道館をご近所の皆様が気軽に集える「公民館」や「市民センター」のようなものとして、ご利用いただける施設とするため。



さらに、高齢者社会へと向かう日本において、高齢者同士が隣近所付き合いを活性化させ、共に支え合う社会を目指していく研究所としての役割を果たしていくことを目的とする。


「天道」について語りました



「天道」とは何か。日本では、一般的にお天道様(おてんとさま)とも言うように、太陽神としても知られます。サンレーの社名の由来でもある太陽は、日本において神として祀られたのです。信仰心が伴わなくても、日本人は太陽を「お日様」と呼び、「お月様」と同様に自然崇拝の対象でした。天照大神は太陽の神格化であり、仏教の大日如来とも習合しました。


「人間尊重」と「互譲互助」の額が並びます



佐久間会長の出身地である千葉県では、「天道念仏」と称して、春2月・3月に祭壇を作り、踊り念仏で作物の豊作を祈るなど、農耕儀礼に展開しています。
「天道」には修験道も深く関わっています。
祭壇には出羽三山を祀りましたが、中央に湯殿山を拝していたのは太陽崇拝であり、湯殿山は、胎蔵界大日如来を本地、天照大神垂迹としました。


佐久間会長と



さらに注目すべきは、いわゆる「天道思想」が戦国末期の仏教・神道儒教の統一思想に発展したという説があることです。「天道思想」といえば、二宮尊徳の名が思い浮かびます。
尊徳は、常に「人道」のみならず「天道」を意識し、大いなる「太陽の徳」を説きました。それは大慈大悲の万物を慈しむ心であり、この徳の実践が尊徳の「無利息貸付の法」なのです。


「こころ」の教えを学ぶ館です



また、名言ブログ「二宮尊徳(1)」で紹介したように、尊徳は神道・仏教・儒教を等しく「こころ」の教えとしました。「神道は開国の道なり。儒学は治国の道なり。仏教は治心の道なり。」として、神仏儒の正味のみを取り、人の世の無上の教えとして「報徳教」と名づける。また、それを「神儒仏正味一粒丸」と薬にたとえて、その効能の広大さをアピールしました。
この思想は、石田梅岩が開いた「心学」の流れを受け継ぐものです。


平成心学塾」の看板の前で



わたしは、梅岩や尊徳の思想を受け継ぎ、「平成心学塾」を主宰しています。
今日からは、この天道館の中に平成心学塾の本部を置くことになりました。
「天道」とは太陽神のこと。太陽といえば、名言ブログ「中村天風(4)」の「太陽の光線は、美人の顔も照らせば、犬の糞も照らしている」、名言ブログ「賀川豊彦(1)」の「太陽は実によく光る!」、そして名言ブログ「ラ・ロシュフーコー(1)」の「太陽と死は直視できない」といった言葉からもわかるように、わたしたちが幸福に生きるためのシンボルです。


万物に光を注ぐ天道の名をば掲げてめざす世直し



天道思想は太陽の徳の如く、あらゆる人々、いや人をも超えた万物を慈しむ思想です。
ぜひ、この「天道館」を拠点に何事も「陽にとらえる」明るい世直しを推進したい。
施主挨拶の終わりに、わたしは心をこめて次の道歌を詠みました。



万物に光を注ぐ天道の
     名をば掲げてめざす世直し(庸軒)




直会のようす

挨拶する佐久間会長



その後は参加者全員で記念撮影を行い、直会に移りました。
直会では、最初に佐久間会長の挨拶がありました。
会長は、万感の思いで以下のように述べました。
「天道館が完成して、本当に嬉しい。今年は伊勢神宮式年遷宮出雲大社の御遷宮の当たり年ですが、そのような記念すべき年に、天動塾が天道館として生まれ変りました。『大遷宮』とはいかないまでも、同じ場所で再生したのだから『小移転』とでもいいますか。(笑)
かつて、わたしが天動塾をここに作った頃は、“子どもに夢を、若者に希望を、お年寄りに生きがいを”というキャッチフレーズを使っていたものです。
新しくなった天道館で、ぜひ、多くの方々を幸せにするお手伝いをしたいと願っています」


乾杯!

最後は、末広がりの五本締め



続いて、橋本洋介常務による乾杯の音頭でスタート。
みんなで松柏園ホテル特製の美味しい弁当をいただきました。
直会の途中で、スズキ設計の鈴木社長から設計コンセプトについてのお話がありました。
最後は、中野正行取締役が「末広がりの五本締め」が行って、中締めとなりました。


天下布礼」の新しい物語が始まります!



なお、「天道館」の住所と電話番号は、以下の通りです。
(住所)北九州市小倉北区上富野3丁目15−12
(TEL)093−551−6812
どうぞ、みなさん、気軽に遊びに来られて下さい。
わたしも、ここで「論語教室」などの寺小屋授業を行う予定です。
ここから、「天下布礼」の新しい物語が始まります!



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2013年9月26日 佐久間庸和