日銀支店長講演

24日の夜、松柏園ホテルで「新北九州を考える会」が開催されました。
講師は、日本銀行北九州支店の宮田支店長でした。
テーマは、「北九州経済の現状と展望」でした。


日本銀行の宮田慶一支店長が講演しました



「新北九州を考える会」は、かつて某銀行が主催していた「平成会」という若手経営者の勉強会を前身とするのですが、現在は経営者のみならず、大企業役員、県会・市会議員、大学教授、医師など、バラエティに富んだメンバーが集まります。
そして、みんなで、北九州市の未来像を追求していく会です。
マイ・ローヤー」こと弁護士の辰巳和正先生が代表世話人を務められています。



最初に、日本銀行北九州支店の歴史を振り返って下さいました。
北九州支店の前身である西部支店は明治26年(1893年)に設置されています。
仮店舗として赤間ヶ関(現在の下関市)に設置された後、明治31年(1898年)に本店舗が落成した門司に移転しました。大阪に次ぎ、日本銀行として2番目の支店です。
そして初代支店長は、かの高橋是清が就任しています。



今年3月に赴任されたばかりの宮田支店長ですが、そのお話は北九州への愛に溢れていました。特に北九州が何かと反社会勢力と結び付けられる点を挙げて、「あれは、おかしいですよ。北九州よりも六本木のほうがずっと危険です!」と言われていました。
まさに、その通り! わたしは、その言葉に感銘を受けました。
宮田支店長によれば、日銀では「北九州支店長は二度泣く」と言われているそうです。
一度目は、北九州への赴任を命じられたとき。「あんな怖い街に行くのか」という涙。
二度目は、北九州からの転勤を命じられたとき。「こんな素晴らしい街を去るのか」という涙。
それを聞いて、わたしはブログ「日銀支店長送別会」に書いた服部守親・前支店長が送別会で流された涙を思い出しました。


福岡市と北九州を比較されました


さて、宮田支店長の講演は以下のようなポイントで進められ、非常に興味深かったです。
●北九州はわが国経済の近代化、高度成長、成熟化の舞台
●北九州の業種別にみた製造品出荷額の推移
●他の政令都市との比較
●福岡市、北九州市の比較
●北九州の人口、経済の概観
●北九州の生産年齢人口の推移
●北九州の生産年齢人口と就業者数の推移


北九州市を高齢者モデル都市に!



そして、宮田支店長は「どうする北九州」として、今後の北九州市は「高齢者モデル都市」としての立場を打ち出すことの必要性を強調されていました。
●北九州と周辺地域との就業者の移動状況
●北九州への昼間流出入人口の推移
●北九州の総生産の要因分解
労働力人口の減少は高齢者・女性進出でカバー
労働生産性向上の鍵
●北九州財政の特徴
●どうする北九州
「高齢者モデル都市としての北九州」は、わたしの以前からの持論でもあります。
詳しくは、ブログ「高齢者への取り組み」ブログ「世界一の老福都市」をお読み下さい。


懇親会で乾杯する日産の斉藤取締役



講演会後の懇親会では、日産自動車の斉藤淳取締役執行役員の乾杯の音頭でスタートし、大いに盛り上がりました。わたしは宮田支店長の隣の席に座らせていただき、いろいろとお話をさせていただきました。宮田支店長は慶應の幼稚舎からという生粋の「慶應ボーイ」というサラブレッドにもかかわらず、非常に気さくに接していただきました。
ご自身はラグビーに青春を捧げてこられたそうですが、お二人のお子さんもラグビーをされているとのことで、「親父として泣けるほど嬉しいですよ」と言われていました。


懇親会のようす



宮田支店長は昭和39年5月生まれで、38年5月生まれのわたしの1歳年下です。
昭和63年3月に慶応義塾大学経済学部を卒業、同年4月に日本銀行入行、平成15年12月にパリ事務局長、18年6月に決済機構局企画役、19年9月に金融市場局企画役、22年7月に国際局企画役、23年7月に金融研究所制度基盤研究課長、25年3月に北九州支店長・・・・・といった具合に、輝ける正真正銘のエリートです。
そんな方が今夜は、わたしと親しく飲んで下さいました。
なんといっても世代が同じなので、宮田支店長とは話題が合いました。



懇親会の最後は、図らずも、わたしが締めの挨拶の指名を受けました。
それで、八坂和子さんのご指示もあって、ブログ「ミャンマーまつりのご案内」に書いた新しい門司での祭りについて説明させていただきました。
宮田支店長、ご講演ありがとうございました。
また、一緒に飲めて、すごく楽しかったです。
今後とも、どうぞ、よろしくお願いいたします!



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。
*当ブログのすべての文章および写真の無断掲載を禁じます。
*当ブログにリンクを貼る場合は必ず事前承認をお願いいたします。
*当ブログ管理者へのご連絡、記事のご意見、ご感想などは、
公式サイト「ハートフルムーン」のメール機能をお使い下さい。



2013年7月25日 佐久間庸和