助け合い日本一の街

北九州発 ハートフル通信」第4回目のタイトルは、「助け合い日本一の街に」でした。
昨年の師走のある日、わたしは八幡東区荒生田にある東八幡キリスト教会を訪問しました。ホームレスの方々の「人間の尊厳」を守るための寄付金をお届けするためです。
NPO法人・北九州ホームレス支援機構の奥田知志理事長からは丁重な感謝状を頂戴しました。「歳末助け合い運動」ではありませんが、これが終わらないと年が越せません。



毎日新聞」1月11日朝刊



牧師でもある奥田理事長はわたしと同年齢なのですが、キリスト教の「隣人愛」の精神を実践されている方です。すべてを奉仕に捧げる生き方には大きな感銘を受け、深く共鳴させていただいています。わたしが訪れたとき、教会では「仲間の会」という会が開かれ、ホームレスの方々の誕生日が祝われていました。誕生日を祝うことは、「あなたがこの世に生まれたことは正しいですよ」ということ。いわば、その人の存在を全面的に肯定することです。まさに、人間尊重そのものです。「仲間の会」のみなさんは、とても幸せそうでした。外は非常に寒かったけれど、みなさんの心はポカポカしていたのではないでしょうか。



現在、ホームレス支援機構さんの大活躍で、北九州市は「日本で最もホームレスの人々や生活保護受給者の支援が盛んな街」と呼ばれるようになりました。
同機構が中心となって、「絆プロジェクト北九州」という試みも実施されました。住まいの提供から生活相談、就業支援まで官民協働のネットワークで被災者を支えることを目指しています。また、39歳以下の生活保護受給者を、地域や行政、企業などが自立まで支える「伴走型就労支援事業」も行われました。



これらのプロジェクトにはわが社も賛同、ささやかながら協力をさせていただきました。
さらにホームレス支援機構は、さらにホームレスの方々の住居となる「抱僕館」を今年の秋に建設する予定だそうです。本当に素晴らしいことだと思います。
この施設は、おそらく「助け合い」のシンボルになることでしょう。



いま、日本では孤独死や自殺が問題になっています。奥田理事長によれば、その背景には他人に「助けて」と言えない人々の急増があります。本当に困ったとき、素直に「助けて」と言える社会を作らなければなりません。わたしは、拙著『隣人の時代』(三五館)に「助け合いは人類の本能だ!」と書きました。そして、北九州市をぜひ、人類の本能が大いに発揮される街にしたいです。他人への思いやりにあふれた日本一の「助け合い」の街にしたいです。「北九州にさえ行けば、孤独死も自殺の心配もない」と日本中の人々が思ってほしいです。



ちなみに、来る3月25(月)には、北九州ホームレス支援機構が「就労支援シンポジウム」を開催しますが、わたしもパネリストを依頼されました。
場所は、北九州市戸畑区の「ウエルとばた」です。詳細は、また当ブログで告知いたします。
奥田理事長とは、ブログ「無縁社会シンポジウム」のイベント以来の共演となります。
あのときは、わたしが奥田理事長にパネリストをお願いしました。
今回は、わたしが奥田理事長からお願いされました。
お互いにお願いし合って、お互いに助け合う・・・それこそ「互助社会」ですね。


北九州ホームレス支援機構の奥田理事長と



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2013年3月9日 佐久間庸和