荘子(1)


気が集まればそれが生命である。
  気が拡散すればすなわち死である。




言葉は、人生をも変えうる力を持っています。
今回の名言は、中国の古典である『荘子』に登場する言葉です。荘子は「気が集まればそれが生命である。気が拡散すればすなわち死である」と言いました。人間というものは天の気、地の気が集まってできた存在であり、その気がなくなれば死ぬというのです。


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東洋医学というより東洋思想の根本的な考えは「気」を中心に置いています。東洋思想は、人間の誕生についてもこう考えます。宇宙は混沌としたカオスの状態であり、その中から陰と陽の気が合体して1つになり、人間の生命が宇宙に誕生した。よって、人間の生命は気の統合によって生まれ、気によって生かされている、と。
人間の身体とは、気の流れそのものです。
ちょうどバッテリーのようなもので、放電ばかりしていると、電気がなくなってしまいます。長くもたせたいなら、ときどき充電しなければなりません。人間も同じで、気の充電をしなければ気力もなくなり、やる気も起こらなくなって、ついには病気になって死んでしまいます。そして、気を充電する身体技術のことを「気功」と呼ぶのです。
気功で大事なのは、朝起きて自然のフレッシュな気を深呼吸すること。朝の5時から5時半という時間帯は植物も動物も目覚め、自然の気を取り入れています。人間も体内に朝の大気を丹田呼吸という下半身呼吸によって取り入れ、気を養うことを心がけるべきです。



また、朝、太陽の光を浴びることも大切です。さらには睡眠や食事も気の充電法として大事です。人間にとって睡眠は欠かすことのできないものであるとともに、自然のリズムに従った生物時計を回復する必要があります。
人間は眠ることによって、日中放出した気を充電します。また、食物は地の気である。「医食同源」という言葉がありますが、食とは医であり、薬なのです。自然の摂理に従って旬のものを食べ、味に気づき、過食せず、規則正しく食を取ることが大事です。


産霊気功のようす



わが社には、これらの考えをふまえ、独自に開発した「産霊気功」というものがあります。もう30年も前に中国の大連において初めて気功を知った佐久間進会長が、自ら開発して、改良を重ねたものです。現在でもサンレーグループの各職場で行われている朝の気功として受け継がれています。詳しくは、ブログ「気功で元気になろう!」をお読み下さい。



わが社は冠婚葬祭やホテルというホスピタリティ・サービスを事業としますが、これらの仕事に携わる者にとって、最も必要とされるのがプラスの気です。なぜなら、自分自身が充電した気をお客様に対して放電しなければならないからです。
社員自らが気を充実させ、元気、陽気、楽しい雰囲気、厳かな雰囲気といったプラスの気をお客様に与えること、それが産霊気功の目的です。
なお、今回の荘子の言葉は、『孔子とドラッカー新装版』(三五館)にも登場します。


*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2013年7月17日 佐久間庸和