雨が降れば傘をさす
言葉には、人生をも変える力があります。
今回の名言は、「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助の言葉です。天理教の本部を視察したことがきっかけになって天理を悟ったという松下幸之助は、「無理をしないということは、理に反しないということ、言いかえると、理に従うことです」と語りました。
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春になれば花が咲き、秋になれば葉が散る。草も木も、芽を出すときには芽を出し、実のなるときには実を結び、枯れるべきときには枯れていく。まさに自然の理に従った態度です。そして松下幸之助は、「人間も自然の中で生きている限り、天地自然の理に従った生き方、行動をとらなければなりません。といっても、それは、別にむずかしいことではない。言いかえると、雨が降れば傘をさすということです」と語りました。事業経営に発展の秘訣があるとすれば、やはりこの天地自然の理に従うことであるといいます。雨が降れば傘をさすごとくに、平凡なことを当たり前にやるということにつきるというのです。
松下幸之助は言います。事業というものは天地自然の理に従って行なえば、必ず成功する。いいものをつくって、適正な値段で売り、売った代金はきちんと回収する。簡単に言えば、それが天地自然の理にかなった事業経営の姿である。そしてその通りにやれば、百%成功するものだ。成功しないとすれば、それは品物が悪いか、値段が高いか、集金をおろそかにしているか、必ずどこかに天地自然の理に反した姿があるからである。孫子は「彼を知り己を知らば、百戦してあやうからず」と言っているが、それが天地自然の理にかなった戦の仕方だからである。そのように経営の神様は言いました。
なお、この名言は、『孔子とドラッカー 新装版』(三五館)の中で紹介されています。
- 作者: 一条 真也
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2013年4月8日 佐久間庸和拝