孔子像

世界各地、そして日本各地に建立されている聖人や偉人の銅像
わたしは銅像が三度の飯より好きです。名所旧跡を訪れて銅像を見つけると狂喜乱舞し、一緒に記念撮影をせずにはおれません。わたしはさまざまな銅像と対峙しながら、そこに建立せずにはおられなかった先人を慕う人々の熱い想いを感じてしまいます。


湯島聖堂の巨大孔子



ブログ「『銅像に学ぶ』開始!」に書いたように、これからさまざまな銅像を紹介しながら、先人から何を学ぶべきかを考えていきたいと思います。最初にご紹介する銅像孔子像です。
数多くある孔子像の中でも、東京湯島聖堂に建立されている巨大な孔子像は、孔子をこよなく敬愛するわたしにとっては、たまらない存在です。
東京に行った際に、ちょくちょく時間を見つけては訪れるようにしています。


湯島聖堂孔子像とともに

この孔子像は昭和50年(1975年)に中華民国台北市のライオンズ・クラブから寄贈されたもので、高さ4.57メートル、重量は約1.5トン! おそらく世界最大ではないでしょうか。


湯島聖堂孔子像の前で・・・



日中対立が最も深刻化した2010年9月24日にここを訪れ、わたしは孔子像と魂の会話を行いましたが、今年5月21日に久しぶりの再会を果たしました。その時も孔子の顔を見上げながら色々と考えました。心の中で、孔子と対話したのは言うまでもありません。


足利学校孔子像を発見!!

足利学校孔子像の前で



栃木の足利学校にも孔子像があります。
こちらは銅像ではなく石像です。
当然ながら記念撮影を行いました。
もちろん、同じポーズで・・・・・・。


孔子像が見えてきました

多久聖廟孔子像にて



そして佐賀の史跡「多久聖廟」にも孔子像があります。こちらも銅像ではなく石像です。当然ながら記念撮影を行いました。もちろん、同じポーズで!


雨が降ってはいましたが・・・・・・



雨が降ってはいましたが、わたしは孔子像と同じポーズを取りました。
この両手を胸の前で組み合わるポーズは、拱手礼(きょうしゅれい)と呼ばれるもの。日本語の「手を拱(こまね)く」は何もしないことの意ですが、古代中国においては両手の指を胸の前で組み合わせてお辞儀をする拱手礼は敬礼であり、相手に対して敵意がないことを表していました。



なぜ、わたしが敬愛するようになったのか。
それは、わたしの人生は孔子の思想によって救われたからです。
わたしが40歳になる直前のことでした。
不惑の年を迎えるにあたり、何をすべきかといろいろ考えましたが、「不惑」という言葉が『論語』の「四十にして惑わず」に由来することから、『論語』を精読することにしました。当時、わたしは社長に就任したばかりで、多くの問題を抱えていました。



わが社は冠婚葬祭を生業とすることから、その根幹となる「礼」の精神を学び直したいという思いもありました。高校の漢文の授業以来久しぶりに接する『論語』でしたが、一読して目から鱗が落ちる思いがしました。その頃の自分が抱えていた悩みや疑問の答えが、すべて『論語』に書かれていたのです。「どうして、2500年前の古代中国人が、21世紀の日本人である私のことを知っているのだろう?」と不思議で仕方がなく、「この本は自分のために書かれたのではないか」とさえ思いました。



そこで、わたしは40歳になる誕生日までに、『論語』を40回読むことに決めました。
それだけ読めば内容は完全に頭に入りますので、以後は誕生日が来るごとに再読しようと決めたのです。つまり、わたしが70歳まで生きるなら70回、80歳まで生きるなら80回、『論語』を読んだことになります。すると、不思議なことに、何も怖くなくなりました。何も惑わなくなりました。なんのことはありません、わたしは「不惑」という言葉の出典である『論語』を読み込むことで、実際に「不惑」になったのです。



冠婚葬祭業もホテル業も、あるいは高齢者介護事業も、すべては「人間尊重」というわが社のミッションに直結しています。わが社は「礼」の実践を生業とする「礼業」であると思っています。平成24年には、この「礼の実践」を一般社団法人・世界孔子協会からご評価いただき第二回「孔子文化賞」を受賞いたしました。



「五十にして天命を知る」
わたしは一昨年50歳となりましたが、いま、自らの使命は孔子の「礼」の精神、すなわち「人間尊重」の精神をさらに広めていくことだと確信しています。
天下布礼」という壮大なる大義の実現を目指し、礼の実践を行っていきます。


「平成の寺小屋」こと天道館の外観



孔子ゆかりの地には「孔子廟」があり、そこには孔子の像が祭られているのです。
湯島聖堂足利学校しかり、閑谷学校多久聖廟しかり、です。
孔子を祀る聖廟には、必ず「孔子像」があるのです。
であるならば、サンレーにも孔子像が必要ではないのか!


天道館孔子



この想いから、昨年6月18日にサンレーの「創業守礼」のシンボルである「天道館」に、究極の平和思想とも言える孔子の教えを広める一環として孔子像も建立したのです。けっして大きな像ではありませんが、「北九州のミケランジェロ」と呼ばれる名工・三島平三郎氏による入魂の孔子像です。どうぞー、一度見に来られて下さい!


天道館孔子像と




*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2015年8月14日 佐久間庸和