名古屋に向かいながらフロイトを読む

おはようございます。いま、新幹線の中です。
22日の朝、わたしは早起きして、自宅で読書と筋トレをしました。
それから荷造りをして、迎えの車に乗ってJR小倉駅に向かいました。
そして、7時49分発の新幹線のぞみ8号で名古屋へ。


小倉駅のホームで



今日は、全国冠婚葬祭互助会連盟(全互連)の中部ブロック拡大キャンペーン表彰式が名古屋市の結婚式場「ブライドスクウェア美翔苑」で開催され、わたしは会長として出席するのです。その前に、全互連の会長を務められた業界の偉人お二方のお墓参りを予定しています。


『トーテムとタブー』を読みました



ブログ「旅縁の集い」で書いたように、昨夜も大いに飲みましたので、今朝はちょっと辛かったです。しかしながら、新幹線の車内では読書をしました。フロイトの『トーテムとタブー』を読みました。分厚い『フロイト著作集』(人文書院)第3巻に収録されているので、該当箇所だけをコピーして車内に持ち込んだのですが、これが飛び上がるほど面白くて眠気など一気に覚めました。ショッキングピンク蛍光ペンでたくさん傍線を引きました。


蛍光ペンでたくさん傍線を引きました



現在執筆中の『儀式論』の参考文献として読んだのですが、改めてフロイトを見直しました。じつは、これまでわたしはフロイトにあまり良い印象を持っていなかったのです。「今さら、フロイトでもないだろう」という思いもありましたし、彼の心理学はセックス理論に固執した狭い心理学であり、人間全体を俯瞰したユングの心理学のほうが優れていると思っていました。しかし、ブログ「九州へ!」で紹介した『幻想の未来/文化の不満』といい、『人はなぜ戦争を行なうのか』を読んだときにも感じましたが、フロイトは「狭い」どころか非常に「広い」そして「深い」思想家であることを知りました。『トーテムとタブー』には、ダーウィン種の起源』、バッハオーフェン『母権論』、タイラー『原始文化』、フレイザー金枝篇』、ロバートソン・スミス『セム族の宗教』といった名著のエッセンスも詰まっています。


この一文にシビレました!

「太初に行いありき」で終わる



特に、「呪術すなわちアニミズム的思考方法を支配している原理は、『観念の万能』である」という一文には体に電流が流れるような気づきを得ました。これだけで飯が三杯は食えるというか、原稿を30枚ぐらいは書けるように思えました。
『トーテムとタブー』の最後を飾る「太初に行いありき」という言葉にも感銘を受けました。『旧約聖書』の冒頭にある「太初に言葉ありき」をもじったものでしょうが、まさに我が意を得た思いでした。原初の宗教においては、教義よりも先に儀式があったのです。まず、儀式があり、それから神話、宗教、芸術が生まれていったというのが、わたしの考えです。このフロイト説は、『儀式論』の背骨を通してくれたような気がします。わたしは思わず、「フロイト、すごすぎる!」とつぶやきましたが、そうこうするうちに11時52分に名古屋に着きました。


名古屋駅に到着しました



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2016年4月22日 佐久間庸和