２１日の夜、小倉の松柏園ホテルで、「２００２ 北九州商工会議所欧州経済事情視察調査団」参加者の旧交を温める集いが開催されました。毎年１０月に開催されるので、「オクトーバー会」と呼ばれますが、今年は４月にずれこんだので「エイプリル会」となりました。
ブログ「オクトーバー会」で紹介した２０１４年１０月３日以来の開催となります。
エイプリル会のようす
昨夜の参加者は、当時の団長を務められた岡野バルブ製造（株）の岡野正敏会長、副団長を務められた（株）タカミヤの高宮俊諦社長、（株）豊川設計事務所の豊川悦子社長、九州電力（株）の元執行役員・北九州支店長の緒方誠一氏、（株）九電工の取締役常務執行役員で、現在は（株）きたせつ会長の長木修氏、北九州市総務部の鮎川透部長、北九州商工会議所の初代産業観光推進室長を今春で退任されたばかりの北野秀幸氏、わたしの８人でした。
その他、この日は欠席でしたが、メンバーには西部ガスや福岡銀行など地元の経済界を代表される方々がいらっしゃいます。時節柄、この日は九州の地震の話題が中心になりました。
わたしは２００１年１０月、株式会社サンレーの代表取締役社長に就任しました。
その翌年の２００２年１０月にみなさんと一緒にヨーロッパに行かせていただきました。
当時のわたしは、３９歳。参加者の中で最年少でしたし、社長になったばかりということもあり、地元を代表するオーナー経営者や大企業の役員の方々に囲まれて緊張の連続でした。それでも、みなさんは非常に親切にして下さいましたし、経営のことをはじめ、人生のいろいろな問題について教えて下さいました。暗中模索していた若造経営者にとって、それらのアドバイスは何よりの宝物になりました。わたしは、よく「本を読め、人と会え、旅をしろ」と若い人に言っているのですが、本を読んでいるだけでは得られない情報というのが確かにあります。
そして、旅とは、何よりも人と人との「縁」を生み、深めるものです。
わたし個人の場合を考えても、ずいぶんと旅行で築いた人間関係が多いように思います。ときどき各種の経済団体や業界団体が主催する海外視察に参加するのですが、そこで知り合った社長さんや大企業の幹部の方々との御縁を深めてきました。
講演の講師として招かれたり、具体的なビジネスにまで発展したこともあります。
たとえば、「グレート・ダディ」こと伊藤忠商事の九州支社長だった高嶋正次氏とイスタンブールとドバイに行ったことがきっかけで、同社の講演会で講師を務めさせていただき、同社の丹羽宇一郎会長（当時）も紹介していただきました。
また、ブログ「石原進氏」に書いたように、同じくイスタンブール＆ドバイで御一緒したＪＲ九州の石原進会長（当時）からも講演を依頼していただきました。
海外視察団というのは、帰国後、交流会が開かれることがあります。
会食しながら旅の思い出を語り合い、近況報告をしたりするのです。
わたしも多くの視察団、そして交流会に参加してきましたが、この会ほど長く継続している会はありません。非常に珍しいと思います。
ひとえに、岡野会長と高宮会長のお人柄によるものだと思います。お２人とも尊敬申し上げている経営者ですが、ともに北九州商工会議所の副会頭を務められました。岡野バルブ製造（株）さんといえば、社員の方々が福島第一原発の事故現場で危険をかえりみずに活躍し、「フクシマの英雄」と呼ばれたことで知られます。心から尊敬すべきだと思います。
（株）タカミヤさんは釣り用具製造・販売の最大手で、高宮社長ご自身も「釣りの達人」として有名です。最近も、麻生太郎・元首相や大前研一氏などと一緒に釣りを楽しまれたそうで、今夜もその動画を見せていただきました。それにしても、すごい釣り仲間！
高宮社長は「釣り」という本業を通じて、多くの方々との御縁を結んでおられるのです。
これもまた、本当に素晴らしいことだと思います。
２００２年１０月１９日、福岡空港から関西空港を経て、パリへ。パリからユーロスターでロンドンへ向かい、そこから空路ベルリンへ、さらに空路ミラノへ。ミラノからは空路ローマへ行き、そこから成田空港を経て、２８日に福岡空港へ戻ってきました。その間、さまざまな都市の再開発地区や企業やショッピングモールなどを視察し、現地の経営者のプレゼンテーションを聞きました。忘れられない思い出といえば、岡野社長に誘われて、ベルリン・オペラを初体験したことです。旅の途中で岡野社長の御尊父が危篤になられ、急遽帰国されたことも憶えています。結局、御尊父はお亡くなりになられ、小倉紫雲閣で葬儀が盛大に行われました。
思い出の写真が会場の入口に飾られました
昨夜はベルリンの空港で撮影した集合写真が会場の入口に飾られ、みなさんは「ああ、なつかしいねえ」と言われていました。それにしても、みなさん、旅の細かい出来事までよく記憶されていることに驚きました。最も若いわたしがすっかり忘れていたようなことが多かったので、人間の記憶力というのは年齢には関係ないのだなと思いました。
というより、一流のビジネスマンには記憶力のすぐれた方が多いのかもしれませんね。
昨夜は、久々になつかしい方々とお会いし、旅の思い出に花を咲かせました。旅によって結ばれる「旅縁」のありがたさを噛みしめました。やはり、この世は「有縁社会」です！
＊よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。
２０１６年４月２２日 佐久間庸和拝
