送魂

わたしは、これまで多くの言葉を世に送り出してきました。
この際もう一度おさらいして、その意味を定義したいと思います。
今回は、「送魂」という言葉を取り上げることにします。



わたしは思うのですが、葬祭業とは一種の交通業ではないでしょうか。その本質は「この世」というA地点から「あの世」というB地点にお客様をお送りすることだからです。
「あの世」という目的地は、浄土、天国、ニライカナイ、幽世(かくりよ)などなど、さまざまな呼び方をされます。わたしは、まとめて心の理想郷という意味で「ハートピア」と呼んでいますが、ハートピアへ行くには飛行機、新幹線、船、バス、タクシー、それにロケットと数多くの交通手段があるのです。それが、さまざまなお葬式です。


「あの人らしかったね」といわれる 自分なりのお別れ<お葬式>

「あの人らしかったね」といわれる 自分なりのお別れ<お葬式>


新幹線しか取り扱わない旅行代理店など存在しないように、魂の旅行代理店としての葬祭業も、お客様が望むなら、あらゆる交通機関のチケットを用意するべきなのです。
そして、葬祭会館の本質とは、死者の魂がそこからハートピアへ旅立つ、魂の駅であり、魂の港であり、魂の空港であると言えるでしょう。



「葬送」という言葉がありますが、今後は「葬」よりも「送」がクローズアップされるでしょう。
「葬」という字には草かんむりがあるように、草の下、つまり地中に死者を埋めるという意味があります。「葬」にはいつまでも地獄を連想させる「地下へのまなざし」がまとわりついているのです。一方、「送」は天国に魂を送るという「天上へのまなざし」へと人々を誘います。



わたしが提唱し、実行している「月への送魂」などの新時代セレモニーによって、お葬式は「お送式」、葬儀は「送儀」、そして葬祭は「送祭」となるのではないでしょうか。
ブログ「観月会のご案内」に書いたように、10月18日の夜、「月への送魂」が行われます。


*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2013年10月6日 佐久間庸和