台北の孔子廟を訪れて

19日の夜、ブログ「さようなら、マスター!」で紹介した故西山富士雄さんの通夜に参列しました。心のこもったお通夜で、特に喪主の挨拶には深く感動しました。
さて、20日に「サンデー毎日」2017年4月2日号が発売されました。
表紙の人物は黒塗りですが、正体はジャニーズ事務所亀梨和也です。
わたしは同誌にコラム「一条真也の人生の四季」を連載しています。
第73回目のタイトルは、「台北孔子廟を訪れて」です。


サンデー毎日」2017年4月2日号



先日、台湾を訪れました。わが社の創立50周年を記念した社員旅行です。
3班に分け、そのうち2回、わたしが社長として参加したのです。台北市を中心にさまざまな観光スポットを回りましたが、最も強く印象に残ったのが「孔子廟」でした。儒教創始者である孔子を祀る霊廟ですが、本国である中国はもとより、韓国、日本、ベトナム、マレーシアの各地にも建立されています。



台湾にも複数の孔子廟が存在しているようですが、今回は台北市内にある孔子廟に参拝しました。わたしは、これまで日本各地の孔子廟を参拝していますが、このたびの台湾旅行でも、どうしても訪れたかったのが孔子廟でした。



台北市孔子廟の建立は1879年。しかし、日本統治時代に病院へと変わり、1907年には取り壊されて学校となりました。その後、29年に再建され、大成殿が完成。翌年以降、門や明倫堂が建てられ、2008年の修復を経て現在の姿となっています。実際に訪れてみると、わたしが想像していた以上の威容に圧倒されました。



わたしは冠婚葬祭の会社を経営しています。日々、多くの結婚式や葬儀のお手伝いをさせていただいていますが、冠婚葬祭の基本となる思想は「礼」です。「礼」とは、「人間尊重」ということだと思います。わが社のミッションも「人間尊重」です。
また、わたしは大学の客員教授として多くの日本人や中国人留学生に「孔子」の思想を教えてきました。孔子や『論語』についての本も書いてきました。



それらの活動は、バラバラのようで、じつは全部つながっていると考えます。
すべては「天下布礼」ということ。人間尊重思想を広く世に広めることが「天下布礼」です。
そんな想いや行動が認められて、12年には第2回「孔子文化賞」を受賞する栄誉に浴しました。50周年というわが社にとっての節目に、孔子が説いた「礼」の精神をしっかりと守っていくことを台北孔子廟で誓ったことは言うまでもありません。


サンデー毎日」2017年4月2日号



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2017年4月2日 佐久間庸和