強風とブッダ

9日に北陸から東京に入りました。
11日は関東の沿岸部や伊豆諸島を中心に各地で風や雨が強まったほか、東京でも気温が23度を超える暖かさとなりました。午前中、「出版界の炎のランナー」ことPHP研究所の中村悠志さんにお会いして、打ち合わせしました。中村さんはビジネ書編集部の副編集長になられたのですが、この日は『なぜ、一流の人は先祖を大切にするのか』という新しい本の企画について意見交換しました。これは、ぜひ書いてみたいテーマです。


11日の東京は強い風が吹きました

赤坂見附も24度近くありました

神谷町に大量の落葉が・・・・・・

この日は「インド講話」がメインでした



それから、13時からは神谷町にある互助会保証で「アジア冠婚葬祭業国際交流研究会」の平成27年度第3回研究会が開催されました。この日のメニューは「インド講話」がメインで、まずは第一生命経済研究所の小谷みどり主席研究員による「インド概況」、それから青森公立大学学部長の羽矢辰夫教授による「インド仏教(原始仏教)について」のお話を拝聴しました。
小谷氏のお話は、1.インドの概況として、(1)人口動態、(2)インフラ、(3)宗教。2.結婚として、(1)結婚年齢、(2)結婚の儀式。3.葬儀・・・という流れで、大変わかりやすく話して下さいました。


小谷氏が「インド概況」を説明して下さいました



また、羽矢教授は、1.インダス文明、2.ヴェーダの宗教、3.ウパニシャッドの神秘思想、4.原始仏教、5.ゴータマ・ブッダの生涯、6.ブッダとは何か、7.ゴータマ・ブッダの思想、8.ゴータマ・ブッダの思想の現代的意義、9.ばらばらコスモロジーの認識の様式、10.つながりコスモロジーの認識の様式・・・という流れで話して下さいました。


ブッダについて語る羽矢教授




羽矢教授のお話は興味深かったですが、特に「仏教とはけっして欲望の消滅をめざす宗教ではなく、欲望の成長をめざす宗教であり、欲望の成長の先に慈悲がある」「仏教は、無我ではなく超我を志向する」という指摘は新鮮でした。質疑応答の時間では、トップバッターでわたしがマイクを取りましたが、わたしは2つの質問をしました。1つは、最近、某宗教学者が『ブッダは実在しない』という本を書きましたが、わたしは神話と伝説に彩られているにせよ、ブッダは実在したと考えています。果たして、ブッダは実在したのかということ。もう1つは、よく「ブッダは葬儀を否定していた」などと言われますが、鈴木隆泰氏の『葬式仏教正当論』などによれば、ブッダはけっして葬儀を否定していなかったという証拠が原始仏典には書かれてあるとあります。果たして、ブッダは葬儀を否定したのか。その2点について質問しました。


図解でわかる! ブッダの考え方 (中経の文庫)

図解でわかる! ブッダの考え方 (中経の文庫)

その答えですが、まず1つめの「ブッダは実在したか」についての答えは「実在した」でした。羽矢教授によれば、1898年にインドでブッダの遺骨が発見されたそうです。
2つめの「ブッダは葬儀を否定したか」についての答えは「否定はしていない」でした。ブッダは僧侶が自身の葬儀のことを気にかけるよりは修行を重んじるべきであると言ったのです。わたしには『図解でわかる!ブッダの考え方』(中経の文庫)という著書がありますが、今日は羽矢教授のお話を拝聴して、久々にブッダについて学び直した気分です。


日経ビジネス」の記事が配布されました



また研究会では、ブログ「冠婚葬祭互助会が乗り出した『孤独死対策』」で紹介した「日経ビジネスオンライン」の記事が参加者全員に配布されました。
研究会の終了後は、急いで羽田空港に向かいました。
ちょうど長女が帰省するので空港で待ち合わせて、一緒にスターフライヤーで北九州に帰りました。本当は17時15分の便に乗るはずでしたが、強風のために15時半の便が45分遅れの16時15分発に変更されていたので、そちらに飛び乗りました。北九州空港に降り立つと、東京とはうって変って寒かったです。ぶるぶる、やっぱり日本は師走でした。



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2015年12月12日 佐久間庸和