地域力向上イベント

サンレー総合研究所の関野弘所長は、もともと毎日新聞社の部長さんで、わたしが連載している「北九州発 ハートフル通信」の担当者でした。わが社の「隣人祭り」や高齢者ビジネスへの取り組みに高い関心を抱いておられたので、わたしがヘッド・ハンティングしたのです。その関野所長が、本日、古巣の「毎日新聞」の「発言 地方から」に取り上げられました。


毎日新聞」6月23日朝刊


記事は、「地域力向上願いイベント」の見出しで以下のように書かれています。
「地域創生の柱の一つでもある『地域コミュニティー強化』のため、昨年11月から北九州市で始まった無料イベント『お隣さん いらっしゃい』の運営に関わっている。町内会など小さな単位で集まった住民に、子どもから大人まで楽しめる内容を提供している。
ただ全く新たなイベントだけに、地域の理解と協力を得るのは簡単ではない。『何十人も地域の方が集まる機会なので、身近な行政情報を伝えたい』と行政側に情報提供を呼びかけても、断られた時があった。
私が住む北九州市は、5市合併で誕生した52年前に九州一だった人口(103万人)が、36年前のピークから10万人余り減って現在約96万人。65歳以上の高齢者は人口の28・2%(3月末現在)で政令指定都市では一番高い。
お年寄りは1人でできることが限られるため、超高齢社会では地域コミュニティーの確立や、地域力の向上がより望まれる。20年前の阪神大震災では生き埋めになった方の4分の3以上が、隣近所や家族らの民間人に助け出された。災害に巻き込まれた時に頼れるのは遠くの親戚より近くの他人。日ごろの近所づきあいが非常時の減災につながるという発想から『お隣さん いらっしゃい』がスタートした。
これまでに5回催したが、今年2月に小倉北区で開催した時の内容を示すと、人形劇から始まり、地元中学生のリコーダー演奏や中学教論のオペラ合唱、地元小学生の「あいさつ運動」標語の表彰、超高齢社会を住みやすくするコツを伝える私の講演などが続いた。アンケートでは『満足』または『どちらかといえば満足』が96%に達した(回収数25)。
町内会などの公的機関が主催し、私どもが企画と運営を担当する。地域密着型の内容にするためには入念な打合せが欠かせず、地元の方々とは何度も会議を重ねる。昨年11月に開催した山間部の公民館では『何年か前までは毎週のようにカラオケ大会などで集まっていたのに、今では年数回のみ』と喜ばれ、今年1月開催のマンション集会所では『マンションが建って10年たつが、集会所を使うのは2回目』と感謝された。
イベント経費は1回数万円だが、手間はかかる。
でも私たちの研究所が属する冠婚葬祭会社のPRはしない。本業の挙式も葬式も人と人とのつながりなしでは成り立たず、地域コミュニティーの活性化がやがて本業に跳ね返る可能性もあると割り切り、社会貢献活動に徹している。
平成の大合併や高齢化の進展により、地方から祭が次々と姿を消している。校区単位の行事は残っても、町内会単位は激減している。祭りを通じてつながっていた地域の絆を新たな形のイベントで少しでも埋め合わせられたら、地方創生につながる。それは今後、高齢化問題の深刻化が見込まれる首都圏など大都市部の手本になる可能性もあると信じ、徐々にでも地域に浸透していくように取り組みを進めている」



また、関野所長のプロフィールについて以下のように紹介されています。
「せきの・ひろし 1957年、徳島市生まれ。毎日新聞社に入り西部本社事業部長などを歴任。昨年4月、北九州市の冠婚葬祭会社、サンレーに移って高齢化問題を研究中」
奇しくも本日、ブログ「北九州を老福都市に」で紹介したように、日本経済新聞電子版の「ライフ」に連載中の「一条真也の人生の修め方」の第8回目がアップされました。
今回のタイトルは「高齢化進む、北九州市を老福都市に」です。サンレーグループは、総力をあげて「老いるほど豊かになる」老福社会の実現をめざします!



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2015年6月23日 佐久間庸和