わが「志」を語る

PHP研究所といえば、「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助が創業した出版社です。
同社では、経営者の文章を集めた本を編集・刊行しています。これまでも多くの書籍が出され、わたしも寄稿する機会に何度も恵まれました。それらは、一条真也オフィシャル・サイト「ハートフルムーン」の中の「PHP〜ビジネスマンへのメッセージ」で紹介しています。


刊行された『トップが綴る仕事の原点・未来の夢 わが「志」を語る』(PHP)



このたび、『トップが綴る仕事の原点・未来の夢 わが「志」を語る』という本が刊行されました。ビジネス界で活躍される方々が、自身の「志」を披露し、若い方へのメッセージを込めています。そこに、わたしは「孤独死と自殺を減らしたい」という文章を書きました。


孤独死と自殺を減らしたい」




死は最大の平等である。
これはわが信条であり、わが社のスローガンでもあります。
箴言家のラ・ロシュフーコーは「太陽と死は直視することができない」と語りましたが、太陽と死には「不可視性」という共通点があります。わたしは、それに加えて「平等性」という共通点があると思っています。



わが社の社名は「サンレー 」ですが、万人に対して平等に冠婚葬祭を提供させていただきたいという願いを込めた、「太陽光線(SUNRAY)」という意味を持っています。太陽と同じく、「死」も平等です。どんな人にも、「死」だけは平等に訪れます。しかしながら、「死」そのものは平等でも「死に方」は平等ではないように思います。家族に見守られて大往生を遂げる方もいれば、孤独死や自殺や殺人で亡くなられる方もいます。
わが社は、冠婚葬祭という仕事をさせていただいています。警察ではありませんので殺人事件を減らすことはできませんが、孤独死や自殺を減らすお手伝いはできると思います。



「会社は社会のもの」と喝破したのは、敬愛する経営学ピーター・ドラッカーですが、社会にとって必要不可欠な存在にならなければ会社も存続できません。わが社は「無縁社会」や「老人漂流社会」を乗り越えるべく、さまざまな試みを行なっています。
例えば、高齢者の食事会である「隣人祭り」の開催サポートです。
また、「隣人館」という低価格の老人ホームを展開中です。いずれは年金の範囲内で入居できる施設を各地に展開することを目指しています。「隣人祭り」および「隣人館」は、孤独死を減らす力を持っています。また、今年からは高齢者宅食事業もスタートさせ、「老人漂流社会」への対策とする予定です。



さらには、「月あかりの会」というグリーフケア自助グループのお世話をさせていただいています。グリーフケアは、愛する人を亡くした人が「うつ」になること、そして自殺することを防ぎます。日本人の「孤独死」と「自殺」を少しでも減らしたいというのが、わたしの「志」です。
それは、「人間尊重」というわが社のミッションに直結しています。



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2014年10月26日 佐久間庸和