佐久間進(4)


感謝と笑顔と思いやり




言葉は、人生をも変えうる力を持っています。
今回の名言は、サンレーグループ佐久間進会長の言葉です。『わが人生の「八美道」』(現代書林)において、「堂々と生きるには、感謝と笑顔と思いやりが大事」と述べています。


わが人生の「八美道」

わが人生の「八美道」

佐久間会長は、昭和10年(1935年)生まれ。
北九州市で義父の経営するホテルを補佐するかたわら、儀礼文化の事業化に取り組み、昭和41年(1966年)、北九州市冠婚葬祭互助会(現在のサンレー)を設立。昭和48年(1973年)には38歳の若さで社団法人・全日本冠婚葬祭互助協会(現在は一般社団法人)の初代会長に就任しました。現在はNPO法人日本儀礼文化協会会長、宗教法人世界平和パゴダ代表役員をはじめ、公益的な事業にも積極的に取り組んでいます。



昨年(2013年)、一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)が創立40周年を迎えました。この節目にあたり、初代会長を務めた佐久間会長は次のように述懐しています。
「設立時には3団体がひとつになり、347の互助会事業者の加盟でスタート致しました。
当初は、加盟各社のほとんどが任意の組織でありましたから、それぞれの地域で思いのままに活動しており、考え方に大きな違いもありました。また、誹謗中傷もよく聞かされたりしてなかなか大変な船出でした。そのような中でも、自分達は『互助会』と称して仕事をさせていただいているのだから、業界内において問題を抱えている互助会、行き詰って意欲を失くした互助会、何よりもマスコミの目が非常に厳しかった時だけに、自分の会社にとっては負の資産・マイナス面となることを充分承知の上で引き受けていただいたり、統合や合併をしたりと、設立当初の混乱期を会員の皆様のご協力により何とか切り抜けてきました」




佐久間会長は、初代会長としての責任を全うすべく、約20社の互助会を救済のかたちで引き受けてきました。このことで自社の経営上、大きな痛手を受けた苦しい経験なども淡々と語った後、40周年を期に、冠婚葬祭互助会は如何にあるべきかを語っています。
「私はこの業界・冠婚葬祭互助会事業に更なる誇りと自信を持つようになりました。なぜなら、この事業・仕事は、心がけ次第で実に日本人に合っている、必要不可欠な仕事だと感じたからです」



さらに、佐久間会長は敬愛する経営者・出光佐三翁との縁を次のように語りました。
弊社の事業基盤は北九州でございます。その北九州市の門司は、今では異色にして偉大なる経営者と言われております、あの出光佐三氏が興した出光商会(現:出光興産)の創業の地です。私がまだ若かりし頃、その創業地の建物の2階に資料館があり、創始者である佐三氏の写真と共に、次の言葉が添えられてありました。
『社会とは人間が集まってできたものであるから人間は互いに仲良くすること、そして力を合わせることが大切です。それは人間の尊厳だからです。平和の基です。人間の美しさでもあります。私はそれを人間尊重と言っております』
私は、今でもこの言葉を鮮明に覚えております。これに加えて、互譲互助(お互いに譲り合い、助け合うことの大切さ)・和の精神の大切さも添えられておりました。私はその『人間尊重』という言葉に強く惹かれ、事業を始めるにあたっては基本理念にも定めました。今でも弊社の経営の原動力となっております」



佐久間会長は、出光佐三翁をモデルとした小説『海賊とよばれた男』が国民的ベストセラーとなっていることにも触れ、次のように述べています。
「この事実は、今の時代に出光佐三氏の理念や考え方、すなわち、『自分の利益だけではなしに日本の復興はどうあるべきか』『どうしたら仕事を通じて社会貢献ができるか』がこの本の中に強く滲み出ているからではないでしょうか。だから多くの日本人の心を呼び起こし、強い共感を得たのだと思います」



「堂々と生きるには、感謝と笑顔と思いやりが大事」という佐久間会長の信条は、出光佐三氏の理念や考え方に強く影響を受けたものです。この言葉のとおり、佐久間会長は自らの人生を歩み続んできました。そして現在も、「互譲互助」「利他の精神」「和の心」「相互扶助」という、美しい日本人の精神を後世に繋げるべく東奔西走しています。



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2014年3月28日 佐久間庸和