有終の美を飾らないということ

阪神淡路大震災から22年目の日です。犠牲者の方々の御冥福を心よりお祈りいたします。
わたしは沖縄に来ています。17日はサンレー沖縄の新年祝賀式典、新年祝賀会の後、東京へ。夕方から、互助会保証株式会社の新社屋完成披露パーティーに参加する予定です。
さて、「サンデー毎日」2017年1月29日号が発売されました。
わたしは同誌にコラム「一条真也の人生の四季」を連載しています。
第64回目のタイトルは、「有終の美を飾らないということ」です。


サンデー毎日」1月29日号



昨年の大晦日、国民的アイドルと呼ばれたSMAPが引退しました。期待されていたNHK紅白歌合戦への出場も辞退しました。彼らのために空けておいた時間を埋めるためでしょうか、紅白では謎の演出が目立ちました。とにかくグダグダ感、ドタバタ感に溢れた紅白でしたが、やはり常連だったSMAPのラスト・ステージが見たかったです。報道によれば、紅白が放送されている頃、キムタクを除くメンバーは六本木の焼き肉店で打ち上げをしていたといいます。
12月26日のフジテレビ系「SMAP×SMAP」最終回にも彼らは生出演しませんでした。ファンへの挨拶も、別れの言葉もありませんでした。



残念ながら、SMAPの解散は、ジャニーズ史上、いや日本の芸能界史上で「最悪の解散劇」となりました。ここまでメンバー間の人間関係のドロドロが露あらわになるのも珍しいです。解散後の1月3日にファンクラブ会員限定サイトには5人の直筆メッセージが公開されたものの、それぞれ140字にも満たない「つぶやき」のレベルでした。「解散撤回」を願う署名を37万人分以上も集めたファンたちは納得したのでしょうか。SMAPは「スマスマ」最終回および「紅白」で、5人揃って出演し、最後にはファンに別れを告げ、「有終の美」を飾るべきであったと思います。



もちろん、彼らが所属するジャニーズ事務所の責任も大きいです。
有終の美を飾らないと、次のステージには絶対に進めません。
じつは、「有終の美を飾らない」は「葬式は、要らない」に通じています。
この2つの言葉はともに「愛のない時代」を象徴するキーワードであると言えます。



解散撤回を願う署名を大量に集めたファンはSMAPに限りない「愛」を示しました。
でも、彼らにファンへの「愛」はあったのでしょうか。
メンバー間の確執よりも、ファンの心情を優先すべきではなかったでしょうか。
いろいろと報道がありましたが、わたしは解散の真相など知りません。
ただ、SMAPが有終の美を飾らなかった事実だけが最後に残りました。


サンデー毎日」1月29日号の表紙



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2017年1月17日 佐久間庸和