営業責任者会議

10日の午後から、 サンレーグループの全国営業責任者会議が行われました。
16時半からは、恒例の社長訓話の時間でした。訓話に先立ち、営業部門の各種表彰を行いました。わたしは感謝の念を込めて、表彰状や金一封を表彰者の方々にお渡ししました。


最初は一同礼!

最初に、営業優績者の表彰をしました

営業責任者会議のようす



表彰式が終わると、わたしは60分ほどの社長訓話をしました。
最初に、ブログ「北九州成人式」で紹介した内容を簡単に紹介してから、ブログ「新年祝賀式典」で紹介した社長訓示でも話した内容を繰り返しました。


わが社の志を語りました



サンレーグループは冠婚葬祭業です。結婚式と葬儀は人生の二大儀礼であるとされますが、結婚式とは新郎新婦の魂を結ぶ「結魂式」、葬儀は故人の魂を永遠の世界へと送る「送魂式」です。冠婚葬祭業とは「魂のお世話業」なのです。この世に賤しい仕事つまり賤業というものはないはずですが、聖なる仕事つまり聖業というものは確実に存在します。そして、魂のお世話というわたしたちの仕事が聖業でなくて、何が聖業でしょうか?
この上ない聖業に従事するにあたって、わたしたちは「儀式によって人々を幸せにする」という高い志を抱いています。これほど志の高い会社がどこにあるでしょうか?


史記』の言葉を紹介



今年は酉年ですが、鳥にも大きな鳥と小さな鳥がいます。
「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」という言葉が『史記』にあります。鴻鵠とは、色白く鶴に似て大なる鳥です。燕や雀のような小鳥には、そういう大きな鳥の考えていることはわからない。同様に、高い志を抱いている企業の理念を、同業他社にどうして理解ができるでしょうか!


菜根譚』の言葉を紹介

「雌伏」と「雄飛」について説明



「伏すこと久しきものは、飛ぶこと必ず高し」という言葉が中国古典の『菜根譚』に出てきます。雌鳥が雄鶏に服従している様子を「雌伏」という。苦難の状況に身をまかせながら活躍できる機会の来るのをじっと待つときに使われます。そして、雄鶏が飛揚するように、勢い盛んに勇ましく活動する様が「雄飛」です。


儀式論』について語りました



さて、昨年、わが社の志は冠婚葬祭互助会業界全体に広く届きました。
ブログ「不滅の業界」で紹介したように、全国の多くの互助会さんから拙著『儀式論』(弘文堂)をご購入いただいたのです。
同書でも力説しましたが、わたしは儀式を行うことは人類の本能ではないかと考えます。ネアンデルタール人の骨からは、葬儀の風習とともに身体障害者をサポートした形跡が見られます。儀式を行うことと相互扶助は、人間の本能なのです。この本能がなければ、人類はとうの昔に滅亡していたはず。わたしは「互助会は不滅です!」と大きな声で言いました。


人生の修活ノート』を紹介しました

人生の修活ノート』の内容を説明しました



それから、今年最初に刊行される一条本である『人生の修活ノート』(現代書林)を全員に配布し、内容を紹介しました。超高齢社会を迎えた日本で、エンディングノートの必要性が増しています。 エンディングノートを遺言だと思っている方がいますが、それは違います。遺言というのは、法的な拘束性がありますし、財産の分配などを記載します。自分がどのような最期を迎えたいか、そのような旅立ちをしたいか・・・そんな旅立つ当人の想いを綴るのが、エンディングノートです。


互助会とは「修活クラブ」である!

人生の修活ノート

人生の修活ノート

わたしは2009年7月に自分史ノートの要素をミックスしたエンディングノート思い出ノート』(現代書林)を刊行しましたが、今回の『人生の修活ノート』はそのアップデート版です。
現在、互助会に入会される方のほとんどは、葬儀を目的とした高齢者です。その意味で、わたしは互助会とは巨大な「修活クラブ」であると考えています。これからの互助会は、心ある葬儀サービスの提供はもちろん、会員の方々に「豊かな老い」を実現していただくお手伝いをしなければなりません。そのための最高のツールが『人生の修活ノート』なのです。


一流の人になるには?



また、わたしは現在、『なぜ一流の人は先祖を大切にするのか』(すばる舎)という本を書いています。その内容も営業スタッフにぜひ知ってほしかったので、一部を紹介しました。
まず、「ありがとう」「おかげさま」を口癖にする大切さについて話しました。
言霊という考え方があります。言葉に宿る霊の意味です。古代の日本人は言葉に霊が宿っており、その霊のもつ力が働いて、言葉にあらわせば実現する、と考えていました。
現代人にもその意識はあり、不吉な言葉を口にしないようにしています。たとえば、受験生のいる家庭では「すべる」「落ちる」などという言葉を使わないのも同じ意識ではないでしょうか。じつは冠婚葬祭業というのは、こうした言葉に最も配慮をして使っている業界だと思います。慶事のとき、弔辞のとき、使ってはいけない言葉というのが多々あります。



ただ言霊は、何も不吉なことばかりではありません。逆に「吉を招く」力もあります。一流の人は、この「吉を招く言葉」を必ず使われています。中でも「ありがとう」「おかげさま」という感謝の言葉です。どんな些細なことでも必ず「ありがとう」「おかげさま」の言葉を口にされます。じつは些細なことや当たり前のことなど、この世にはまったくありません。秘書がお茶を入れてくれても、「ありがとう」という言葉をわたしはかけます。仕事だから、部下だからという理由でお礼を言わないことはおかしなことです。レストランで、料理を運んでくれるウェイターの方にも「ありがとう」を言えばいいのです。自分の親でも、子どもでも、配偶者でも、「ありがとう」をいえばいいのです。「ありがとう」を言うことにコストはまったくかかりません。そして、その効果は絶大です。最高の費用対効果ではないでしょうか。


言霊のパワーについて語りました



「おかげさま」も同じです。自分の力を誇示するより、相手の力を認めるほうがはるかに素晴らしいことです。「あなたのおかげで、うまくいきました」と言われて、嫌な気持ちになる人はいません。
「挨拶は自分から」という言葉があります。「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」という言葉は、まず自分から声かけをしようという意味です。わたしもこれを励行しています。あいさつの言葉だけでなく、「ありがとう」と「おかげさま」も、まず自分から言えばいいのです。



「ありがとう。あなたのお蔭です」
究極の感謝の気持ちを示す対象こそ、じつはご先祖様です。あなたがいま、元気でいられるのは「ご先祖様のお蔭」と思えば、きっと自然と感謝の気持ちを言葉にできるはずです。
わたしは自宅の神棚に向かい、「ありがとう」と「おかげさま」という言葉を口にしながら手を合わせます。一流の人たちとは、「感謝の気持ちは自分から」を励行されている方々なのです。


女性の気持ちについて語りました



また、「直筆のお礼状を書く」ことの大切さについて話しました。
わたしは、手書きの礼状を書くようにしています。たしかにパソコンの日本語ソフトで書いたほうが簡単ですし、もらったほうも読みやすいかもしれません。でも、あえてわたしは手書きにこだわっています。女性は「自分への愛を時間ではかる」といいます。たとえば、誕生日プレゼントを貰ったとき、プレゼントそのものの価値より、「これを探すのに半日かかったよ」とか「君が喜んでくれるものを、ずっと探したよ」といわれることが嬉しいのです。
「わたし(女性)のために、時間を使ってくれた」
「わたし(女性)のことをずっと考えてくれた」
その時間が、彼女たちはうれしいのです。貰ったモノの価値ではありません。



礼状も同じではないでしょうか。わたしは、簡単なクイズを出しました。
(1)内容は素晴らしく、手書き
(2)内容は素晴らしく、ワープロ文字
(3)内容は紋切り型で、手書き
(4)内容は紋切り型で、ワープロ文字
この(1)〜(4)で、貰ったほうの嬉しい度はどんな順番になるか?
わたしは、(1)(3)(2)(4)の順だと思います。内容よりも、「手書き」か「ワープロ文字」で順番が変わると思っています。わたしはこれを『「ありがとう」の見える化』と呼んでいます。


最後は、もちろん一同礼!



これは先ほどの女性たちの感覚と同じように、礼状を手書きで書くのに、どれだけの時間がかかっただろう、という手間の価値が「内容」よりも上だということです。「わたしへのお礼のために、あの(忙しい)方が、わざわざ時間を使って書いてくれたんだ」ということが大事です。忙しい、わざわざということが、嬉しいし、相手の心に届くということです。
先ほどのクイズで追加したい項目があります。
(5)すぐに礼状を出す
(6)内容を吟味して、1か月後に礼状を出す
どちらも同じくらいに感じるかもしれませんが、(5)のほうが、感謝の気持ちが相手へ圧倒的に届くのではないでしょうか。
わたしはすぐに礼状を書きます。「とりあえずお礼まで」の礼状でかまいません。
スピードがもっとも価値があると思っているからです。
今回はそのような話をしましたが、参加者の目がキラキラと輝いているのがわかりました。最後は一同礼で社長訓話を修了しました。


懇親会のようす



社長訓話後は、サンレー本社から松柏園ホテルに移動して、懇親会が開催されました。まずは、わたしが社長として挨拶し、「わたしたちは2000円掛けを売っているのではなく、儀式という最高に価値のあるものを売っています。創立50周年のときを輝かしいものししましょう!」と言いました。それから、サンレー北九州の東孝則常務の音頭で声高らかに乾杯しました。


最後は、玉中取締役による「末広がりの五本締め」で



懇親会の最後は、玉中取締役が中締めの挨拶をしました。
玉中取締役は、「社長の言われるように、わたしたちは2000円掛けを売っているのではなく、儀式を売っているのです。第二創業期を大いに盛り上げましょう!」と言い、サンレー名物の「末広がりの五本締め」で締めくくりました。すると、不思議なパワーが体の底から湧いてきました。やはり、カタチにはチカラがあります!



いま、冠婚葬祭互助会業界は大きな過渡期にあります。
しかし、わたしたちは「人間尊重」をミッションとする礼業の会社として、正々堂々と胸を張って冠婚葬祭互助会の営業を行っていきたいものです。そして、互助会の会員さんが幸せになるためのお手伝いができるように、つねにアップデートを心がけ、アップグレードを目指したいと思います。二次会は松柏園のラウンジで行われました。



ブログ『稲盛流コンパ』では組織の団結を実現するコンパについて紹介しました。
経営トップも管理職も若手社員もすべて胸襟を開いて飲んで語り合うコンパには、人間関係を良くして、業績を向上させる力があります。まさに、理念とコンパは経営の両輪ですね。
じつは、わが社には50年来のコンパの伝統があります。
そして、今夜のサンレー流コンパも大いに盛り上がりました。
やはり、理念と志をともにする「同志」とのコンパは最高です!
今夜は、松柏園ホテルの新館建設予定に立って、未来の夢を大いに語り合いました。



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2017年1月10日 佐久間庸和