創立50周年の月

今日から11月です。今月の18日、サンレー創立50周年の記念式典が開催されます。
1日の朝、サンレー本社で総合朝礼が行われました。
ラジオ体操、社歌斉唱に続いて、社長訓示の時間となりました。
わたしは、「ついに、創立50周年の月になりました。あと17日です!」と述べました。


カウントダウンボードの数字が「17」に・・・

総合朝礼のようす



わたしは、『論語』の「五十にして天命を知る」という言葉を紹介しました。
いわゆる「知命」として知られていますが、そもそも「命」とは何でしょうか。
陽明学者の安岡正篤によれば、何でもないことのようで、じつは自分を知り、自力を尽くすほど難しいことはないそうです。自分がどういう素質能力を天から与えられているか、それを称して「命」と呼びます。それを知るのが命を知る「知命」ということです。知ってそれを完全に発揮していく、すなわち自分を尽くすのが「立命」です。


論語』の「知命」について話しました



論語』の最後には、命を知らねば君子でないと書いてありますが、これはいかにも厳しく正しい言葉だと言えるでしょう。命を立て得ずとも、せめて命を知らなければ立派な人間ではありません。水から電気も出ます。土から織物も薬品も出ます。これは水や土の命を人間が知って、命を立てたものなのです。自然科学は、この点で大いなる苦心と努力を積んできましたが、命とはかくのごとく先天的に賦与されている性質能力です。



「命」とは、いかようにも変化するものです。つまり、動きのとれないものではなく、動くものであるという意味において「運命」とも言います。運は「めぐる」「うごく」という文字なのです。
異色の哲学者として知られた中村天風によれば、運命には二種類あるそうです。すなわち「天命」と「宿命」の二つです。天命は絶対で、宿命は相対的なものなのです。
この天命こそ、「ミッション」という言葉で表現されるものでしょう。



現在、ミッション・マネジメントという言葉をよく聞きます。「ミッション」という言葉は、もともとキリスト教の布教を任務として外国に派遣される人々を意味する言葉でした。しかし、現在はより一般的に、何らかの任務を担って派遣される使節団やそうした任務のもの、あるいは「社会的使命」を意味するようになってきています。



ミッション経営とは、社会について考えながら仕事をすることであると同時に、顧客のための仕事を通して社会に貢献することです。すなわち、顧客の背後には社会があるという意識を持つ経営です。「会社は社会のもの」と喝破した人物は、世界最高の経営学ピーター・ドラッカーです。わが社は、「選択と集中」「知識化」「イノベーション」など、数々のドラッカー理論に基づいて経営されました。



会社は社会のものであるということは、会社は社会を構成する大きな要素だということです。多くの会社が心ある存在になれば、心ある社会が生まれるはずです。
ミッションが企業価値を高める時代になってきました。
目の前の利益だけを追い求める企業よりも、社会的使命としてのミッションの意識を明確に持って活動する企業が顧客と社会によって高く評価され、発展していくことになります。
その意味で、ミッションとは企業の命そのものと言えるでしょう。



ドラッカーは「仕事に価値を与えよ」と述べていますが、これはとりもなおさず、その仕事の持つミッションに気づくということにほかなりません。わが社は冠婚葬祭業を営む会社ですが、わたしは、この仕事くらい価値のある仕事はないと心の底から思っています。


大いなる天命知りて世の中を明るくせんとさらに進まん  



ホテル、結婚式、葬儀、写真、司会、コンパニオン派遣、生花、清掃、そして介護・・・・・・わが社が関わるすべての事業は、人間を幸せに、社会を良くする仕事です。
サンレーグループは、これからも人間尊重思想を広める「天下布礼」という天命を知り、ミッショナリー・カンパニーをめざします。わたしは「この大いなる使命を果たすには、みなさん全員の力が必要です。お願いいたします!」と述べ、以下の道歌を披露しました。


大いなる天命知りて世の中を
        明るくせんとさらに進まん  庸軒



さあ、創立50周年月が始まりました!



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2016年11月1日 佐久間庸和