和婚で平和な結婚を!  

4日、「サンデー毎日」2016年10月16日号が発売されました。わたしは、同誌にコラム「一条真也の人生の四季」を連載しています。じつは先月末で連載開始からちょうど1年となり、終了の予定でした。しかし、非常に好評とのことで連載継続が決定しました。ありがたいことです。これからも、日本人が幸せになる「こころ」と「かたち」について書いていきます。2クール目に入り、顔写真も満面の笑みに変りましたが(笑)。
第50回目のタイトルは、「和婚で平和な結婚を!」です。


サンデー毎日」10月16日号



歌舞伎役者の片岡愛之助さんと女優の藤原紀香さんの結婚披露宴が9月28日、東京・日比谷の帝国ホテルで行われました。23日には、世界遺産の京都の上賀茂神社で挙式されたそうです。まことに、おめでとうございます!
歌舞伎界のプリンスの1人である愛之助さんが神前結婚式を選んだことは自然な流れでしょうが、いま一般の人々の間にも神社で永遠の愛を誓う「和婚」ブームが起きています。



以前、わが社の結婚式場で挙式されたカップルの追跡調査を行ったことがあります。わが社では、神前式をはじめ教会式、人前式とあらゆるスタイルの結婚式を提供していますが、調査の結果、興味深いデータが出ました。 なぜか神前式をあげたカップルの離婚率が、その他のスタイルに比べて、とても低いのです。興味を抱いたわたしは、他の結婚式場やホテルの経営者にもたずねてみたが、答えは同じでした。



なぜ神前式のカップルは離婚しにくいのでしょうか。いろいろ理由はあると思いますが、何よりも神道という宗教の本質と結婚という行為は相性が良いのではないかと思います。
もともと結婚とは、男性と女性が結びついて新しい生命をつくり出す、「産霊(むすび)」の行為を意味します。神道における最上のコンセプトですが、わが社の「サンレー」という社名も、この「産霊」に由来しています。




ユダヤ教キリスト教イスラム教はその源を1つとしながらも異なる形で発展しましたが、いずれも他の宗教を認めない一神教です。宗教的寛容性というものがないから対立し、戦争になってしまいます。一方、八百万の神々をいただく多神教としての神道の良さは、他の宗教を認め、共存していけるところにあります。



自分だけを絶対視しない。自己を絶対的中心とはしない。根本的に開かれていて寛容である。他者に対する畏敬の念を持っている。 このような神道の平和性は、そっくりそのまま結婚生活に必要なものではないだろうかと思うのです。


サンデー毎日」10月16日号の表紙



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2016年10月4日 佐久間庸和