『コーラン』

東京に来ています。これから大塚のホテルに向かいます。
一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)の総会に参加するのです。
朝日新聞」朝刊に第8回目の「こころの世界遺産」が掲載されました。
今回は、イスラム教における聖典である『コーラン』を紹介しました。


朝日新聞」8月24日朝刊



いま、地球上のあらゆる地域でイスラム教が急激にその勢力を拡大しています。
キリスト教に次いで、世界で2番目の信者数を誇るイスラム教の啓典が『コーラン』です。
正しくは『クルアーン』と呼ばれるべきで、それは「読誦」を意味します。



というのも、開祖であるムハンマドは神の啓示を受けたとき、彼はヴィジョンによって教えられた原典を読誦せざるをえなかったからです。聖書の一連の預言者たちの最後となる預言者ムハンマドに対して、大天使ガブリエルは神の言葉を伝えたのです。



ある意味で『コーラン』とは、『旧約聖書』と『新約聖書』を否定するのではなく、それらを補強し、かつ凌駕する『新・新約聖書』です。この原典は預言者の最初の聴衆にあるがままに伝えられましたが、今度は彼らがそれを読誦し、ラクダの肩甲骨や皮片の上にそれを書き記しました。



しばらくしてムハンマドへの神の啓示は終わり、3年後にしか再開しませんでした。それ以来、神の啓示は規則的になされ、預言者は秘書にそれらを口述筆記させました。少しずつ、信者は断片的な原文集を作成しました。ムハンマドが死んで、完璧で唯一の訂正本を確立する必要が生じたのです。『コーラン』は絶えず、神の「しるし」あるいは「メッセージ」を解読する知性の必要を強調します。イスラム教徒は世界を注意深く、そして好奇心をもって見つめられます。



イスラム教徒はしばしば『コーラン』を翻訳で読むと、別の本を読んでいるように感じるといいます。それはアラビア語の美しさがまったく伝えられていないからです。
「読誦」を意味する名前が示しているように、それは声高く朗唱されるべきものであり、その言葉の響きこそが本質なのです。



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2016年8月24日 佐久間庸和