名画座の喜寿祝い

20日の夜、リーガロイヤルホテル小倉で開かれたお祝い会に出席しました。
ブログ「小倉昭和館」で紹介した日本有数の名画座の77周年を祝う会です。
小倉昭和館は、かの松本清張もこよなく愛したことで知られ、洋画・邦画・そしてヨーロッパ・アジアのミニシアター系作品を2本立てで上映しています。


会場前の受付風景

会場内のようす



祝う会は18時から開催され、発起人代表の挨拶に続いて、北九州市北橋健治市長が挨拶をされました。北橋市長は「わたしは高倉健さん、栗原小巻さんのファンです。あと韓流スターのファンでもあります」と述べられました。


北橋市長の挨拶

栗原小巻さんの挨拶



北橋市長がお名前を挙げられた栗原小巻さんは、現在、北九州芸術劇場で上映中の舞台で松井須磨子を演じておられます。松井須磨子を象徴する「カチューシャの唄」に乗って、栗原小巻さんがステージに上がられ、お祝いの言葉を述べられました。



乾杯の音頭は、(株)井筒屋の影山英雄社長が取られました。
影山社長は「わたしは、血の飛び散るような映画好きです。『悪魔のいけにえ』とか『死霊のはらわた』とかですね。まあ、スプラッター・ムービーというのはシャレですからね」と述べ、会場の笑いを取っていました。それから、影山社長の音頭によってシャンパンで乾杯しました。


小倉昭和館の樋口館主と

死を乗り越える映画ガイド あなたの死生観が変わる究極の50本

死を乗り越える映画ガイド あなたの死生観が変わる究極の50本

乾杯の後は、みなさんとお話しました。北九州を代表する名門劇団である「青春座」の井生代表にも久々にお会いしました。また、樋口館主に「来月、『死を乗り越える映画ガイド』という本が出るのですが、小倉昭和館さんのことを書かせていただきました」と申し上げると、樋口館主がたいへん喜んで下さいました。ブログ「映画で学ぶ人生の修め方」で紹介したように、2015年7月26日(日)の12時10分からシネマトークを行いました。テーマは「映画で学ぶ人生の修め方」で、ブログ「おみおくりの作法」およびブログ「マルタのことづけ」で紹介した映画について語るイベントでした。コーディネーターは小倉昭和館の樋口智巳館主でした。


昔の新聞が展示されていました

昔の映画パンフレットが展示されていました

小倉昭和館の口上看板

貴重な資料を背景に・・・



会場には、昔の映画パンフレットなどが展示されていました。
小倉昭和館は、なんと、映画史上不朽の名作である「風と共に去りぬ」(1939年)をリアルタイムで公開しています。『死を乗り越える映画ガイド』にも書いたのですが、わたしが一番好きな映画は「風と共に去りぬ」です。


じつは、わたしが生まれて初めて観た映画が「風と共に去りぬ」なのです。
たしか、小学3年生ぐらいのときに、テレビの「水曜ロードショー」で観ました。
主役のスカーレット・オハラを演じたヴィヴィアン・リーの美しさに子ども心に一目惚れしたわたしは、「将来、この人に似た女性と結婚したい」と思ったものです。ヴィヴィアン・リーの巨大ポスターをパネルにして、自分の勉強部屋に飾っていました。


栗原小巻さんが喜んで下さいました



また、「風と共に去りぬ」という映画そのものからも、わたしは多大な影響を受けました。
水曜ロードショー」では、ヴィヴィアン・リーの吹き替えを栗原小巻さんが担当したのですが、ラストシーンの「明日に希望を託して」というセリフが子ども心に深く残りました。
原作では“Tomorrow is another day”という、あまりにも有名なセリフですが、訳書では「明日は明日の風が吹く」と訳していました。それをテレビでは「明日に希望を託して」というセリフに変えて、栗原さんが力強く言い放ったのです。わたしは非常に感動し、それ以来、わが座右の銘になりました。これまでの人生で、もう数え切れないほどこの言葉を心の中で唱えてきました。そのことを栗原さんに申し上げると、栗原さんはとても喜んで下さいました。
小倉昭和館さん、77周年、誠におめでとうございました。これからも、ずっと素晴らしい映画を上映し続けて下さい!



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2016年8月21日 佐久間庸和