「父の日」をお忘れなく!


梅雨のさなかですが、晴れ間は暑いですね。
サンデー毎日」2016年6月26日号が出ました。
わたしは、同誌にコラム「一条真也の人生の四季」を連載しています。
第35回目のタイトルは「『父の日』をお忘れなく!」です。


サンデー毎日」6月26日号



6月の第3日曜日となる19日は「父の日」です。
例年、わたしは妻が選んだネクタイを持って実家を訪れ、父にプレゼントします。今年で81歳になる父はニコニコしながらそれを受け取ることでしょう。80を過ぎても、まだ現役のビジネスマンなのです。



「母の日」に比べて、「父の日」はどうも盛り上がりに欠けます。もともとは20世紀の初頭にアメリカで生まれた記念日で、ワシントン州スポケーンの女性、ソノラ・スマート・ドッドの発案によるものです。彼女の母は早く亡くなり、父は男手ひとつで6人の子どもたちを育てました。当時、すでに「母の日」は始まっていましたが、ソノラは「母の日があるなら、父に感謝する日もあるべき」と牧師協会に嘆願したといいます。



世界初の「父の日」の祝典は、1910年6月19日、スポケーンで行われました。16年、アメリカ合衆国第28代大統領ウッドロー・ウィルソンは、スポケーンを訪問。そこで「父の日」の演説を行ったことにより、アメリカ国内で「父の日」が認知されるようになったそうです。



また66年、第36代大統領リンドン・ジョンソンは、「父の日」を称賛する大統領告示を発し、6月の第3日曜日を「父の日」に定めました。正式に「父の日」が国の記念日に制定されたのは72年のことです。このように、「父の日」そのものは非常にアメリカ的なのですが、日本においても必要であると思います。なぜならば、「父の日」でもなければ、世のお父さんたちは子どもたちから感謝される機会がないではありませんか!



人間関係を良くする「法則」を求めた儒教においては、親の葬礼を「人の道」の第一義としました。親が亡くなったら、必ず葬式をあげて弔うことを何よりも重んじたというのも、結局は「親に感謝せよ」ということでしょう。親とは最も近い先祖です。「いのち」のつながりを何よりも重んじた儒教では、祖先崇拝を非常に重要視した。それは、「孝」という大いなる生命の思想から生まれました。どうか、「父の日」をお忘れなく!


サンデー毎日」6月26日号の表紙



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2016年6月14日 佐久間庸和