営業責任者会議


16日の午後から、 サンレーグループの全国営業責任者会議が行われました。
16時半からは、恒例の社長訓話の時間でした。訓話に先立ち、営業部門の各種表彰を行いました。わたしは感謝の念を込めて、表彰状や金一封を表彰者の方々にお渡ししました。


最初は一同礼!

最初に、営業優績者の表彰をしました

営業責任者会議のようす



表彰式が終わると、わたしは60分ほどの社長訓話をしました。
最初に、「オックスフォード大学が大胆な予測を発表・・・10年から20年後、約47%の人の仕事がなくなる!?」という興味深いネット記事の内容を紹介しました。
オックスフォード大学のオズボーン准教授は、「技術の進歩がめざましい機械による自動化によって、どのぐらい人間の仕事が奪われてしまうのか」ということを分析しました。その結果、今後10年から20年ほどで約半数の仕事が自動化されるリスクが高いという結論が出ました。特に、以下の仕事は90%以上の確率でなくなるといいます。すなわち、銀行の融資担当者 、電話オペレーター 、レジ係 、ネイリスト、弁護士助手(パラリーガル)、ホテルの受付、 税務申告の代行者、 簿記・会計の事務員、 不動産ブローカー、 動物のブリーダー、 時計修理屋、 図書館の補助員、 塗装・壁紙張り、 造園・用地管理の作業員 などの仕事です。


47%の人が仕事を失う!

これから消える仕事は何か?



しかし、わたしたち冠婚葬祭の仕事がなくなることはないと言いました。なぜなら、わたしたちは儀式産業ですが、儀式とは人類で最も古い営みであり、かつ現在にまで続く普遍的な営みであるからです。もちろん、儀式も時代によってアップデートし、変化はしていきますが・・・。
わたしは『儀式論』を脱稿したばかりということもあり、日本人の儀式について話しました。親に限らず、愛する肉親の葬儀をきちんとあげることは、人間として当然のことであることは言うまでもありません。きちんと冠婚葬祭という儀式を行うことが、きちんと人生を送ることにつながるのです。いま、改めて「儀式とは何ぞや」を問わねば、日本という国、日本人という民族は取り返しのつかない「奈落の底」に堕ち、人類社会からドロップアウトしてしまいます。


みなさんの仕事は消えませんよ!



わたしは、冠婚葬祭互助会を経営し、その全国団体の会長も務めています。
いま、日本人に広く儀式を提供する冠婚葬祭互助会の社会的役割と使命が問われています。たしかに、互助会というビジネスモデルが大きな過渡期にさしかかっていることは事実でしょう。その上で、わたしは、互助会の役割とは「良い人間関係づくりのお手伝いをすること」、そして使命とは「冠婚葬祭サービスの提供によって、たくさんの見えない縁を可視化すること」に尽きると考えます。そして、「縁って有難いなあ。家族って良いなあ」と思っていただくには、わたしたちのような冠婚葬祭業者が参列者に心からの感動を与えられる素晴らしい結婚式や葬儀を提供していくことが最も重要であると思います。


互助会の社会的使命はますます大きくなる!



互助会が儀式をしっかりと提供し、さらには「隣人祭り」などの新しい社会的価値を創造するイノベーションに取り組めば、無縁社会を克服することもできるはずです。
「豊かな人間関係」こそは冠婚葬祭事業のインフラであり、互助会は「有縁社会」を再構築する力を持っています。これからの時代、互助会の持つ社会的使命はますます大きくなると確信します。人間は神話と儀式を必要としています。


「不滅の儀式」について語りました



社会と人生が合理性のみになってしまったら、人間の心は悲鳴を上げてしまうでしょう。結婚式も葬儀も、人類の普遍的文化です。多くの人間が経験する結婚というち慶事には結婚式、すべての人間に訪れる死亡という弔辞には葬儀という儀式によって、喜怒哀楽の感情を周囲の人々と分かち合うという習慣は、人種・民族・宗教を超えて、太古から現在に至るまで行われています。この2大セレモニーはさらに、来るべき宇宙時代においても継承されることが予想される「不滅の儀式」であり、人類が存続する限り永遠に行われることでしょう。


「儀式とは何か」について話しました



しかし、結婚式ならびに葬儀のスタイルは、国により、あるいは民族や宗教によって、きわめて著しい差異があります。それは世界各国のセレモニーというものが、人々の心の支えともいうべき「民族的よりどころ」となって反映しているからです。結婚式や葬儀をはじめとした人生儀礼を総合的に提供する冠婚葬祭互助会の最大の使命とは何でしょうか。それは、日本の儀式文化を継承し、「日本的よりどころ」を守る、すなわち日本人の精神そのものを守ること。さらには日本人を幸福にする儀式を新たに創造することでしょう。その意味で、冠婚葬祭互助会の全国団体とは、茶の湯・生け花・能・歌舞伎・相撲などの日本の伝統文化を継承する諸団体と同じ役割、いや、儀式というさらに「文化の核」ともいえる重要なものを継承するという点において、それ以上の役割を担っていると考えます。これからも、日本人を幸福にするために、わたしは儀式文化の継承と創造に努めていきたいと思います。


「礼」の本質について話しました



そして、わたしは「礼」の本質について話しました。
能楽師である安田登氏は著書『身体感覚で「論語」を読みなおす。』(春秋社)で、「魔術としての礼」について言及した以下のくだりです。
孔子時代の礼は魔術でした。礼が魔術だということを身近な礼で説明しましょう。たとえば遠くに、あなたのカバンがあって、それを取りたいとします。その近くに知人がいる。彼に向かって丁寧なコトバで『それを取っていただけますか』という。すると彼はカバンをここまで持ってきてくれます。この『丁寧なコトバ』というのが、ひとつの礼です。自分が使ったのは『声を発する』という非常に微小なエネルギーだけです。しかし、友人はカバンを持ち上げ、さらにここまで運ぶという膨大な運動エネルギーを駆使して、カバンという物体をここまで運んでくれます」


最後は、一同礼!



続けて、安田氏は「魔術としての礼」について次のように述べています。
「彼我のエネルギーの差を考えてみれば、礼はまさに魔術だといえるでしょう。
額に青筋を立てて、『うーん』と念力を使って物体を動かす練習をするよりは、ずっと簡単に、そしてより確実に物体を移動させることが可能なのです。『何だそんなことか』と思うかもしれませんが、最初にこのことを発見した人は驚いたに違いありません。あなたが飼っている猫が、近所の犬に対してそんなことをやっていたら驚くでしょう。人類だってネアンデルタール人のときには、こんなことはしていなかったに違いない。社会的言語を獲得したホモサピエンスに至ってはじめて獲得した魔術、それが『礼』だったのです」
この話は、営業マンのみなさんも非常に感ずるところが多かったようでした。


懇親会で挨拶する佐久間会長

わたしも挨拶しました

橋本常務の音頭でカンパイ!



社長訓話後は、サンレー本社から松柏園ホテルに移動して、懇親会が開催されました。まずは、わたしが社長として挨拶し、「今夜の締めでは、ぜひ「和のこえ」をお願いします!」と言いました。それから、サンレー北九州の橋本常務の音頭で声高らかに乾杯しました。


最後は、松田取締役による「末広がりの五本締め」で


懇親会の最後は、松田取締役が中締めの挨拶をしました。
松田取締役は、「社長の言われるように、わたしたちは2000円掛けを売っているのではなく、儀式を売っているのです。50周年を大いに盛り上げましょう」と言い、サンレー名物の「末広がりの五本締め」で締めくくりました。すると、不思議なパワーが体の底から湧いてきました。やはり、カタチにはチカラがあります!



いま、冠婚葬祭互助会業界は大きな過渡期にあります。
しかし、わたしたちは「人間尊重」をミッションとする礼業の会社として、正々堂々と胸を張って冠婚葬祭互助会の営業を行っていきたいものです。そして、互助会の会員さんが幸せになるためのお手伝いができるように、つねにアップデートを心がけ、アップグレードを目指したいと思います。二次会は松柏園のラウンジで行われました。


*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2016年5月16日 佐久間庸和