愛する人を亡くした人へ


熊本大地震の本震から10日が経過しました。
地震により、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された方々の不安や心配や苦悩が少しでも軽減されることを心からお祈りいたします。
サンデー毎日」2016年5月8・15日G・W合併号が出ました。
表紙は、熊本のゆるキャラくまモン」を描いた漫画家ちばてつや氏のイラストです。
「熊本に寄り添おう!」の文字が大きく踊っています。想いの伝わる素晴らしい表紙です!
わたしは、同誌にコラム「一条真也の人生の四季」を連載しています。
第29回目のタイトルは「愛する人を亡くした人へ」です。


サンデー毎日」5月8・15日G・W合併号



4月14日の夜、わたしは東京の某シティホテルのレストランを訪れました。宗教哲学者の鎌田東二氏が上智大学グリーフケア研究所の特任教授に就任され、そのお祝い会を開いたのです。同研究所の所長である宗教学者島薗進氏も一緒でした。グリーフケアとは、「悲嘆からの回復」であり、愛する人を亡くした人の悲しみを癒やすケアのことです。冠婚葬祭業を営むわが社では、ここ数年来、グリーフケアのサポート活動に力を入れてきました。



わたしたち3人は食事をしながら、日本におけるグリーフケアの在り方について熱く語り合いました。わたしは、「グリーフケア」という言葉や思想はカトリックから生まれたものだと思うが、日本におけるグリーフケアは土着的なものを無視することはできないと述べました。グリーフケアの臨床現場というべき、われわれの業界では日々、「愛する人を亡くした人」と接しており、この経験を活かして日本のグリーフケアの発展に貢献したいと訴えました。結果、7月20日から上智大でわたしがグリーフケアの講義をすることになりました。



会食後、ホテルの客室に戻ってテレビをつけると、熊本でM6.5の地震が発生したことを知りました。すべてのテレビ局がこのニュースを報じており、事の重大さが伝わってきました。その緊迫感は、東日本大震災を思い起こさせました。じつはグリーフケアは「3・11」で浸透したのです。4月16日の未明には同じく熊本でM7.3の大地震が発生しました。1995年の阪神・淡路大震災級です。



一連の地震により、多くの人々が愛する人を亡くされました。愛する人の死は、その本人が死ぬだけでなく、あとに残された者にとっても、小さな死のような体験をもたらすと言われます。
親を亡くした人は過去を、配偶者を亡くした人は現在を、子を亡くした人は未来を、恋人・友人・知人を亡くした人は自分の一部を失います。東日本大震災後に培ったグリーフケアで、ぜひ熊本大地震の被災者の方々のお役に立ちたいと願っています。


サンデー毎日」5月8・15日G・W合併号の表紙



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2016年4月26日 佐久間庸和