ホワイトデーの夜はカラオケを

サンデー毎日」2016年3月27日号が出ました。
わたしは、同誌にコラム「一条真也の人生の四季」を連載しています。
第23回目のタイトルは「ホワイトデーの夜はカラオケを」です。


サンデー毎日」3月27日号



3月14日は、ホワイトデーですね。一般的にバレンタインデーに女性からチョコレートなどをもらった男性が、そのお返しをする日とされています。お返しの品としては、キャンディー、マシュマロ、ホワイトチョコレートなどが代表的です。
バレンタインデーが生まれた欧米にはホワイトデーの習慣はありません。これは日本で生まれた新しい記念日であり、中国、台湾、韓国など東アジアの一部でも定着しているようです。



昭和40年代に入ると、日本の製菓会社がそれぞれに独自の日を定め、チョコレートの「お返しの贈り物」としてビスケットやマシュマロ、キャンディーなどを宣伝、販売し始めました。日本におけるホワイトデーの元祖については、不二家、エイワ、そして博多の石村萬盛堂など諸説あります。



フランスの社会学者マルセル・モースは、著書『贈与論』で、贈与を巡る義務として、贈り物を与える義務(提供の義務)、それを受ける義務(受容の義務)、お返しの義務(返礼の義務)の3つをあげました。日本においてバレンタインデーよりもホワイトデーのほうがスムーズに普及した背景には、「お返しの義務」があったように思います。物を贈ると「菓子」ならぬ「貸し」ができます。贈られたほうには「借り」ができます。日本男児としては、女子に借りがあってはならぬというわけです。



ちなみに、わたしはバレンタインデーに大量のチョコを贈られました。相手は、家族をはじめ、読者、社員、夜の飲食店の方々などです。お返しとして、わたしはお菓子にブランド物のハンカチなどを添えて贈ります。馬鹿にならない出費です。
本音を言えば、もう義理チョコはいりません。



まあ、「義理がすたれば、この世は闇だ」という言葉もあります。たしか、村田英雄が歌った「人生劇場」の歌詞に出てきたと記憶しています。今夜、カラオケで歌おうかな?
そんなことを呟きながら夜の街に繰り出し、いつの間にやらハシゴ酒する奴。
あっ!そりゃ俺だ(笑)。


サンデー毎日」3月27日号の表紙



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2016年3月12日 佐久間庸和