バレンタインデーに想うこと


サンデー毎日」2016年2月21日号が出ました。
わたしは、同誌にコラム「一条真也の人生の四季」を連載しています。第18回目のタイトルは「バレンタインデーに想うこと」です。


サンデー毎日」2月21日号


2月14日は、バレンタインデーですね。世界各地で男女が愛を誓い合う日とされますが、もともとは西方教会に伝わる聖ウァレンティヌスの記念日です。彼は、3世紀後半にローマ皇帝の迫害によって殉教したキリスト教の聖人。
日本では、女性が男性に愛の告白として、チョコを贈る習慣があります。その最初の仕掛け人としては、モロゾフ、メリーチョコレートカムパニー、森永製菓、伊勢丹ソニープラザなど諸説あるようです。


映画「ショコラ」や「チャーリーとチョコレート工場」などでも描かれたように、チョコレートは人の心を結びつける素敵なお菓子です。しかし、わたしたちの手元に届くまでには深刻な事情があります。キャロル・オフの『チョコレートの真実』(北村陽子訳・英治出版)によれば、原料となるカカオを栽培するアフリカの農園で働く子どもたちは、自分たちの過酷な労働の結果、夢のように甘くて美味しいお菓子が生まれることを知らないといいます。


わたしはカカオ農園で働く子どもたちにチョコレートを味あわせ、「自分たちは人を幸せな気分にする素晴らしいものを作っている」ことに気付かせてあげたいです。そして、彼らの将来が、少しでも望ましい方向へ向かうことを願わずにはいられません。


ところで、わたしは、マザー・テレサをリスペクトしています。彼女の偉大な活動のひとつに「死を待つ人の家」を中心とした看取りの活動があります。ここで死にゆく人々は、栄養失調から苦悶の表情を浮かべて死ぬ人も多いそうですが、いまわの際に氷砂糖やチョコレートなどを口に含ませると微笑んで旅立ってゆくといいます。


ちょうど2月14日、わたしはインドに滞在しています。
スケジュール次第では「死を待つ人の家」を訪れる可能性も高いです。ぜひ、日本製のチョコレートを持参したいと思います。アフリカの子どもたちや、インドの老人たちも含めて、あらゆる人々にチョコレートが行き渡り、みんなが幸せな気分になれますように!


サンデー毎日」2月21日号の表紙


*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2016年2月9日 佐久間庸和