ハートフル・プロジェクト

ブログ「北九州商工会議所 新年賀詞交換会」で紹介したイベントの後は、会場の八幡ロイヤルホテルから八幡東区の上本町にある八幡紫雲閣に向かいました。ここで同施設を中核とした高齢者のための街づくりのプロジェクトの打ち合わせをするためです。


八幡紫雲閣で打ち合わせをしました



この地区は日本でも有数の高齢化地区として知られています。
坂道が多い街に多くの高齢者が住んでおられ、日々の買い物やゴミ出しにも苦労をしておられます。もともと、ここには八幡紫雲閣が営業していましたが、新しくリニューアル・オープンすることになり、それにあわせて各種の高齢者支援の機能を高めていきたいと考えています。わが社は、紫雲閣を単なるセレモニーホールではなく、地域のコミュニティセンターにしたいのです。「葬儀を行う施設」ではなく、「葬儀も行う施設」にしたいのです。いわば、紫雲閣の寺院化とでも言いましょうか? 今日は、設計士の先生から再開発の計画についてお聴きしました。まさに日本全国の高齢者を救う可能性を持ったビッグ・プロジェクトです。


ビッグ・プロジェクトの説明を受けました



北九州市の最大の特徴とは何でしょうか。それは、高齢者が多いことです。100万人弱の人口に対して、65歳以上の高齢者の比率は平成27年3月末で28.2%となっています。(住民基本台帳人口要覧による)。この高齢者比率は、全国に20ある政令指定都市の中で最も高い数字です。北九州市はいわば「日本一の高齢化都市」であると言ってよいでしょう。そこで、北九州市は高齢者が多いことを「強み」として、日本一、高齢者が安心して楽しく生活できる街づくりを目指すべきです。昨年ようやく、北九州市は「介護特区」の認定を受けました。


この計画が実現すれば・・・・・・



そこで、大事なポイントは「孤独死をしない」ということ。わが社を中心に年間600回以上開催されている「隣人祭り」をはじめとした多種多様な「隣人交流イベント」のノウハウを駆使して、孤独死を徹底的に防止するシステムを構築することが必要です。そうなれば、「北九州にさえ行けば、仲間もできて、孤独死しなくて済む」というふうになるのではないでしょうか。全国の独居老人には、どんどん北九州に移住していただきたいと願っています。



わたしは「人は老いるほど豊かになる」というコンセプトに基づく「老福都市」をイメージし、そのモデルとして2004年に高齢者複合施設「サンレーグランドホテル」を北九州市八幡西区に作りました。セレモニーホールと高齢者用のカルチャーセンターなどが合体した前代未聞の施設として大きな話題になりました。



老い」と「死」に価値を置く施設であるサンレーグランドホテル北九州市に誕生したことは多くの方々から評価されました。なぜなら、高齢化が進む日本の諸都市、世界各国の都市にとって北九州市とは自らの未来の姿そのものだからです。こういった考え方も、すべてドラッカーの「強みを生かす」という思想をベースにしています。


壮大なプロジェクトを真剣に聴きました



わたしは、北九州市は「老福都市」を、「助け合い都市」を、そして「隣人愛都市」を目指すべきだと確信します。平たく言えば、それは「社会福祉都市」ということになるかもしれません。そんな都市が日本にできるなんて素敵な話ですが、そのためにも、この八幡に日本一の「高齢者支援の街」をつくるというハートフル・プロジェクトの実現に燃えています。買い物支援、ゴミ出し支援をはじめ、いずれは紫雲閣のみならず、隣人館も建設したいと考えています。



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2016年1月6日 佐久間庸和