クリスマスの秘密を知っていますか?

15日の朝、東京に向かいます。
全互連の正副会長会議および理事会が開催されるのです。
さて、「サンデー毎日」12月27日号が出ました。
わたしは、同誌にコラム「一条真也の人生の四季」を連載しています。
第11回目のタイトルは「クリスマスの秘密を知っていますか?」です。


サンデー毎日」12月27日号



いま、街中はクリスマス一色です。わが家でも、妻の作ったオリジナルのクリスマスツリーが飾られています。現在は前日のクリスマス・イヴに押されているとはいえ、イエス・キリストの誕生日として年間最大のイベントとされます。世界中の家族や仲間や恋人同士がこの日を祝います。



しかし、この日はイエスの本当の誕生日ではありません。3世紀までのキリスト教徒は、12月25日をクリスマスとして祝ってはいませんでした。4世紀の初頭まで、キリスト教徒は、後にキリスト教会の重要な祝日となるこの日に、集まって礼拝することもなく、キリストの誕生を話題にすることもなく、他の日と何の変わりもなく静かに過ごしていたのです。



これに対して、同じ頃、まだキリスト教を受け入れていなかったローマ帝国では、12月25日は太陽崇拝の特別な祝日とされていました。当時、太陽を崇拝するミトラス教が普及しており、その主祭日が「冬至」に当たる12月25日に祝われていたのです。



また、真冬のクリスマスとは死者の祭でした。
人類学者のクロード・レヴィ=ストロース中沢新一氏の共著『サンタクロースの秘密』(せりか書房)に詳しく書かれていますが、冬至の時期、太陽はもっとも力を弱め、人の世界から遠くに去る。世界はすべてのバランスを失っていきます。そのとき、生者と死者の力関係のバランスの崩壊を利用して、生者の世界には、おびただしい死者の霊が出現するのです。



そこで生者は、訪れた死者の霊を心を込めてもてなし、贈り物を与えて、彼らが喜んで立ち去るようにしてあげます。そうすると世界には、失われたバランスが回復され、太陽は再び力を取り戻して、春が到来して、凍てついた大地の下にあった生命が、一斉によみがえりを果たす季節が、また到来してくることになるのです。それがクリスマスの正体です。
このように日本のお盆にも似て、クリスマスとは死者をもてなす祭だったのです。
というわけで、今は亡き人を想って、メリー・クリスマス!


サンデー毎日」12月27日号の表紙



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2015年12月15日 佐久間庸和