素敵なサービス

「SYNIC DINNER」という新サービスがあることをネットで知りました。
遠く離れたふたりが、同じ時間を楽しむことができる、インタラクティブなディナーサービスです。YouTubeにアップされているauの動画で、その模様を見ることができます。


YouTubeには、「東京と大阪。クリスマスイブの夜、会いたくても会えない人たちのために。400kmの距離を1つのテーブルでつなぐ、特別なレストランが今年もオープン。ボタニカ(東京)とラ・フェットひらまつ(大阪)にて限定ディナーコースとともに、12月22日から25日まで楽しむことができます」という説明が添えられています。



この動画を見て素直に感動したわたしは、早速、サンレーグループの企画四天王にメールで知らせました。早速、四天王から返信が届きました。
企画部の石田部長のコメントは以下の通り。
「なかなかカッコいいですね。バーチャルとリアルの境目がなくなった感がしました」
冠婚企画部の山下部長のコメントは以下の通り。
「素晴らしいサービスです! 感動しました。距離を超えることができるのなら・・・時間を超えることもできそうな気がしました。各スタッフへも転送させていただきます」
北陸企画課の西課長のコメントは以下の通り。
「これは素敵な映像ですね。恋人同士だけでなく、愛する故人ときっと『また会える』を具現化する交霊術のアップデート版として活用される日がくるといいですね。『死者を想え!』が技術革新を産むと信じたいと思います」
そして、紫雲閣企画課の市原課長のコメントは以下の通り。
「お葬儀の中には、遠くに居て、亡くなった方へ最後に声をかけたいが物理的に出来なくて、心残りがある方は多くいらっしゃると思います。声だけでなくその人の姿を届けることで新しいセレモニーとして活用できないか考えていきたいと思います」


唯葬論

唯葬論

いかにもサンレーの企画人らしい発想に触れて、わたしはニヤリとしました。
西課長が「『死者を想え!』が技術革新を産むと信じたい」と述べていますが、これは拙著『唯葬論』(三五館)のメッセージでもあります。
文明の発展は、科学技術の発明と深く関わっています。
わたしはすべての人間の文明や文化の根底には「死者との交流」という目的があったのではないかと推測しています。科学技術でいえば、写真や映画といったメディアの発明も「死者への想い」から実現したのではないかと考えています。



たとえば、写真は一般に「時間を殺す芸術」と呼ばれていますね。
心霊写真というものがありますが、あれはじつは19世紀の欧米の写真館がサービスで故人の遺影と遺族の写真を合成していたグリーフケア・メディアでした。
一方、映画は「時間を生け捕りにする芸術」ではないでしょうか。
さらに、映画とは「死者との再会」という人類普遍の願いを実現するグリーフケア・メディアであるように思えてなりません。実際、映画を観れば、わたしが好きなヴィヴィアン・リーにだって、グレース・ケリーにだって、高倉健菅原文太にだって再会できるのです。



「SYNIC DINNER」で芽生えた新技術が、山下部長の言うように「時間を超える」サービスを実現し、西課長の言うように「『また会える』を具現化する交霊術のアップデート版として活用される日」が訪れると素敵ですね。
サンレーグループのみなさんも、わたしの年賀状写真撮影のブログ記事ばかり見ていないで(苦笑)、ぜひこの素敵な動画を見て、未来のサービスに想いを馳せて下さい。




*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2015年12月14日 佐久間庸和