27日、東京から北陸新幹線で金沢に入ります。
明日からはサンレー北陸の社員旅行に参加します。
この日、「サンデー毎日」11月8日号が発売されました。
わたしは、コラム「一条真也の人生の四季」を連載しています。
第4回目のタイトルは「ハロウィンは死者の祭り」です。
「サンデー毎日」2015年11月8日号
10月31日は「ハロウィン」です。
キリスト教における「万聖節」の前夜祭で、日本では「お盆」に近い。仮装した子どもたちが「お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ!」と言いながら、近所の家を訪問します。かぼちゃをくりぬき、中にろうそくを灯した「ジャック・オウ・ランタン」が有名です。
戦後、日本人は多くの新しい年中行事を作ってきました、あるいは受け入れてきました。その代表的なものこそ、クリスマス、バレンタインデー、そしてハロウィンでしょう。國學院大学副学長で宗教学者の石井研士氏によれば、クリスマスがごく普通に行われるようになったのは、昭和30年代以降といいます。バレンタインはもう少し遅く、40年代の終わりくらいからだそうです。
ハロウィンは20年ほど前は、今のような盛況ぶりは考えられませんでした。ハロウィンほど一気に日本列島に浸透した海外イベントも珍しいと言えます。その他にも、イースター、聖パトリックデー、サンクスギビングデー、ボスの日、セクレタリーの日、あるいはサン・ジョルディの日など、本来、日本の年中行事にはなかった記念日や年中行事が目立ってきました。
年中行事のカタカナ化は、外来の行事の輸入にとどまりません。近年では「七夕」を「ラブ・スターズ・デー」や「サマー・バレンタイン」などと称して宣伝する店もあります。カタカナ行事の“王様”であるクリスマスは、日本のお盆と同じく、死者をもてなす祭りです。クリスマス・イヴの晩餐とは、もともと死者に捧げられた食事であり、この食卓では招待客が死者で、子どもたちは天使の役目を果たしているのです。
天使たち自身も、じつは死者です。
昔のヨーロッパのクリスマスでは、子どもたちが死者の代理人として大人の家庭を訪ね歩く習慣がありました。この習慣が、アメリカのハロウィンに受け継がれたのです。というわけで、ハロウィンでは今は亡き人を思い出していただきたいと思います。
「サンデー毎日」11月8日号の表紙
*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。
2015年10月27日 佐久間庸和拝