月への送魂


ブログ「隣人祭り・秋の観月会」で紹介したように、26日夜、サンレーグランドホテルにおいて有縁社会再生のためのイベントが盛大に開催されました。
恒例の「月への送魂」も行われました。これは夜空に浮かぶ月をめがけ、故人の魂をレーザー(霊座)光線に乗せて送るという「月と死のセレモニー」です。


あの月に魂を送る!

今夜の月はクレーターまでよく見える!


唯葬論

唯葬論

それにしても、なぜ月に魂を送るのでしょうか? 
唯葬論』(三五館)の第一章「宇宙論」にも書きましたが、多くの民族の神話と儀礼において、月は死、もしくは魂の再生と関わっています。規則的に満ち欠けを繰り返す月が、死と再生のシンボルとされたことは自然でしょう。わたしは『慈経 自由訳』(三五館)も上梓しましたが、「月の経」の別名を持つ「慈経」を重視するミャンマーなどの上座部仏教の国々では今でも満月の日に祭りや反省の儀式を行います。仏教とは、月の力を利用して意識をコントロールする「月の宗教」だと言えるでしょう。仏教のみならず、神道にしろ、キリスト教にしろ、イスラム教にしろ、あらゆる宗教の発生は月と深く関わっている。そのように、わたしは考えています。


慈経 自由訳

慈経 自由訳

わたしたちの肉体とは星々のかけらの仮の宿です。
入ってきた物質は役目を終えていずれ外に出てゆく、いや、宇宙に還っていくのです。
宇宙から来て宇宙に還るわたしたちは、宇宙の子なのです。そして、夜空にくっきりと浮かび上がる月は、あたかも輪廻転生の中継基地そのものと言えます。人間も動植物も、すべて星のかけらからできている。その意味で月は、生きとし生ける者すべてのもとは同じという「万類同根」のシンボルでもあります。かくして、月に「万教同根」「万類同根」のシンボル・タワーを建立し、レーザー(霊座)光線を使って、地球から故人の魂を月に送るという計画をわたしは思い立ち、実現をめざして、各所で構想を述べ、賛同者を募っています。


見事な月が・・・・・・

「霊座(レーザー)」の意味を説明



この夜は、皇産霊神社の瀬津隆彦神職が登場、魂弓(たまゆみ)を射って、送魂の儀を行いました。昨年から、ブログ「神弓奉納祭」で紹介した弓道家の故・高城久恵先生に寄贈していただいた神弓(かみゆみ)が使用されています。瀬津神職が持つ神弓から発せられたレーザー(霊座)光線が夜空の月に到達すると、満場のお客様から盛大な拍手が起こりました。わたしは月の中に、今は亡き高城先生の面影を見た気がしました。


皇産霊神社神職が登場

いざ月へ魂を送らん!



死後の世界のシンボルである月に故人の魂を送る「月への送魂」は、21世紀にふさわしいグローバルな葬儀の“かたち”であると思います。何より、レーザー光線は宇宙空間でも消滅せず、本当に月まで到達します。わたしは「霊座」という漢字を当てましたが、実際にレーザーは霊魂の乗り物であると思います。「月への送魂」によって、わたしたちは人間の死が実は宇宙的な事件であることを思い知るでしょう。


これが「月への送魂」の瞬間だ!!



ロマンティック・デス〜月を見よ、死を想え』(幻冬舎文庫)をはじめ、『葬式は必要!』や『ご先祖さまとのつきあい方』(ともに双葉新書)、『決定版 終活入門』(実業之日本社)、さらには『永遠葬』(現代書林)、『墓じまい・墓じたくの作法』(青春新書インテリジェンス)でも「月への送魂」を紹介しています。今では、すっかり多くの人たちに知っていただきました。

ロマンティック・デス―月を見よ、死を想え (幻冬舎文庫)  葬式は必要! (双葉新書)  ご先祖さまとのつきあい方 (双葉新書(9))


決定版 終活入門  永遠葬  墓じまい・墓じたくの作法 (青春新書インテリジェンス)

関心を抱かれる方も多くなったようで、問い合わせなども増えてきました。
特に最近では、「宇宙葬のカリスマ」ことエリジウム・スペース社のトーマス・シベCEOが『ロマンティック・デス』を読んだことが宇宙葬に取り組みきっかけになったと広言されているおかげで、「月への送魂」にも非常に注目度が高まっています。


終戦70年、すべての戦没者祈りをこめて・・・・・・


終了後は、数え切れないほど多くの方々から「今夜は本当に素晴らしかった」「これまでで最高の月だった」「これで寿命が延びた」「なつかしい故人に会えた気がした」などのお言葉を頂戴し、わたしの胸は熱くなりました。わたしは、「死は不幸ではない」ことを示す「月への送魂」の普及に、死ぬまで、そして死んだ後も尽力したいと思っています。


満月交遊 ムーンサルトレター』上下巻(水曜社)



なお、わたしの最新刊である『満月交遊 ムーンサルトレター』上下巻(水曜社)もこの夜は会場で販売され、多くの方々が購入されていました。京都大学こころの未来研究センター教授で宗教哲学者の鎌田東二先生との往復書簡集ですが、満月の夜に交わされたレターなので、本にも満月の気が漲っています。表紙の満月にウサギのイラストも美しく、通りかかった人たちは「きれい!」と声を上げられていました。


この日で80歳となった佐久間会長と



この日で満80歳を迎えた父の佐久間会長も「今年はことのほか素晴らしかったな」と大喜びで、初めて生で「月への送魂」を体験したという弟の佐久間康弘室長も「これほど幻想的とは思わなかった」と感動していました。本当は、母や妻や娘たちにも見せてあげたかったです。



サンレーグループ役員のみなさんと



さて、わたしの上着の胸ポケットには生花が飾られています。
まるで新郎みたいですが、これは「月あかりの会」の進藤恵美子さんが差してくれたものです。進藤さんは「今夜は佐久間社長のファンがたくさん来られていますので、すぐわかるようにお花を・・・」と言っていました。なんでも、「月あかりの会」で開催サポートしている自助グループ「うさぎの教室」のメンバーの方々35名様が来場されているとのこと。


進藤さんから頂戴したお手紙



進藤さんはお手紙もくれましたが、そこには幻想的なイラストとともに「ツクヨミノミコト様」と宛名が書かれていました。冒頭には「今宵、佐久間社長様にお会いできるのを、心待ちにしておりました」とありました。手紙には、さらに次のように書かれていました。
「先日のブログで『世直しをめざす兎が二羽跳ねり月を見上げて今宵も遊ぶ』と、詠まれていらっしゃいました。最近の私の『修活セミナー』には、『古事記』『日本書紀』が興味深く登場いたします。その中で、特にイザナギノミコトよりいでし、アマテラスオオミカミ様、スサノオノミコト様とともに『ツクヨミノミコト様』が大好きで、皆様にお話しをする時、なぜかいつも『サンレーの社長とツクヨミノミコト様が、かぶるんですよねー』と話してしまいます。佐久間社長は『うさぎ』ではありません。『ツクヨミノミコト様』と何か縁のあるお方です。【うさぎの教室】の皆様は、私以上に本日、佐久間社長にお目にかかれることを、心ひそかに、わくわくされていると思います。まさにファンクラブ――少々平均年齢は高いのですが――『素敵な思い出のひと夜』になる事と存じます」
いやはや、過分な言葉に赤面してしまいますが、嬉しいお手紙でした。進藤さん、ありがとうございます。また、愛する人を亡くされた「うさぎの教室」の方々が「月への送魂」で少しでも悲しみが和らいで下さったら、こんなに嬉しいことはありません。
帰り際、サンレーグランドホテルの前で見送ってくれるスタッフの頭上にも見事な月が上っていました。27日は中秋の名月で、28日は満月です。日本人は月を愛しています。


お見送りの頭上にも月が・・・・・・



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2015年9月27日 佐久間庸和