沖縄のセレモニーホール

早いもので、今日からもう5月ですね。
いま、サンレー本社での総合朝礼を終え、これから5月度本部会議を行います。
今日の「毎日新聞」朝刊に第33回目の「北九州発 ハートフル通信」が掲載されました。
今回のタイトルは、「沖縄のセレモニーホール」です。



毎日新聞」5月1日朝刊



4月4日、沖縄で7番目の紫雲閣となる「豊崎紫雲閣」の竣工神事が行われました。
場所は沖縄最大のアウトレットモール「あしびなー」の真横という素晴らしい立地です。
竣工神事の終了後、わたしは主催者あいさつを行いました。冒頭で「このように立派なホールを建設できて、本当にうれしく思います。これで、多くのサンレー会員様に満足のゆく『おもてなし』を提供することができます」と述べ、それから以下のような話をしました。



豊崎紫雲閣は豊見城市の中心部にあります。豊見城という地名は、13世紀から15世紀の三山時代に、後の南山王となる汪応祖(わんおうそ)が漫湖を眺望する高台に城を築き、それを「とよみ」と呼んだことに由来するそうです。この豊見城市ですが、「都市成長力日本一」として有名です。東洋経済新報社が実施する都市の成長力ランキングでは、毎年のように全国約810市区の中で1位となっています。



このような成長力の高い都市にセレモニーホールは似合わないと思われた方もおられたかもしれません。いま、辺野古の新基地建設をめぐる問題が紛糾し、基地建設を推進している国と反対を掲げて沖縄県知事に当選した翁長知事とが対立しています。ここで政治的な問題に立ち入ることは控えますが、わたしは、「セレモニーホール」とは「基地」の反対としての究極の平和施設ではないかと思っています。なぜなら、「死は最大の平等」であり、亡くなった方々は平和な魂の世界へと旅立たれるからです。セレモニーホールとは平和な世界への駅であり港であり空港なのだと思います。



沖縄は「守礼之邦」と呼ばれます。もともとは琉球宗主国であった明への忠誠を表す言葉だったようですが、わたしは「礼」を「人間尊重」という意味でとらえています。
沖縄の方々は、誰よりも先祖を大切にし、熱心に故人の供養をされます。日本でも最高の「礼」を実現していると思います。今年は、終戦70周年の年。先の戦争では、沖縄の方々は筆舌に尽くせぬ大変なご苦労をされました。わたしたちは、心を込めて、沖縄の方々の御霊をお送りするお手伝いをさせていただきたいと願っています。



竣工式の最後に、わたしは「紫の雲ぞ来たれり豊見城 守礼之邦の礼を守らん」という歌を心をこめて詠みました。沖縄の人たちは、何よりも先祖と隣人を大切にします。
ここは大いなる有縁社会なのです。戦後70年、すべての日本人は無縁社会を乗り越えるために、「本土復帰」ならぬ「沖縄復帰」するべきではないでしょうか。



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2015年5月1日 佐久間庸和