若き桜よ咲き誇れ!


サンレーグループ報「Ray!」4月号が発行されました。
リアルタイムで、わたしの最新メッセージをお伝えいたします。
今回から、わたしの顔写真も新しくなっております。
タイトルは、「若き桜よ咲き誇れ! 礼の社で『おもてなし』を!」です。


「Ray!」2015年4月号



●新入社員のみなさんへ
今年も多くのフレッシュマン、フレッシュウーマンが入社してきました。心より歓迎いたします。
いつもこの時期になると、社長として、新入社員のみなさんの人生に関わることに対して大きな責任を感じてしまいます。そして、世の中の数多くある会社の中から、わがサンレーを選んで下さって感謝の気持ちでいっぱいです。お会いできて本当に嬉しいです。
新入社員のみなさんは、これまで学生として授業料というお金を払って勉強していました。
しかし、これからは会社が給料というお金をみなさんに払います。
お金を貰いながら勉強するわけですから、とても恵まれています。
世間では、働きたくても、さまざまな理由で働けない人もたくさんいます。みなさんが就職活動をした年は、売り手市場というか、非常に環境が良かったようですね。その中でも、わが社にはかなりの数の応募がありました。新入社員のみなさんは大変な倍率の競争をくぐり抜けてきたわけで、とても優秀です。大いに期待しています。



●会社と社会
新入社員のみなさんが入ったのは、サンレーグループです。
サンレーグループには「ハートフル・カンパニー」というニックネームがあります。「心ゆたかな会社」という意味ですね。そして、サンレーグループは「ハートフル・ソサエティ」というものを創造したいと願っています。これは「心ゆたかな社会」という意味です。
ハートフル・カンパニーのカンパニーは「会社」、ハートフル・ソサエティソサエティは「社会」です。「会社」と「社会」は、どういう関係でしょうか?
陽明学者の安岡正篤(やすおかまさひろ)という方は、人が集まると、その中心に「社(やしろ)」ができると述べています。つまり、人の集まりの中心には神社がつくられる。そこから会社という社、さらには社会という大きな社が生まれるということを言っています。また、経営学者のピーター・ドラッカーは、「会社は社会のもの」と言っています。
ちなみに、「心ゆたかな社会は、心ゆたかな会社から」とはわたしの信条です。



サンレーグループは「礼業」
みなさんは「サンレーは何の会社ですか」と聞かれたら、どのように答えますか。
多くの人は「冠婚葬祭の会社です」と答えることでしょう。でも、サンレーは結婚式や葬儀のお手伝いだけでなく、婚活支援サービスやグリーフケア・サポートも行っています。ホテルや介護施設も経営していますし、昨年からは宅食事業も行っています。よくご存知のように、隣人祭りも多数開催しています。それらの事業はすべて「人間尊重」をコンセプトとしています。そして「人間尊重」をひとことで言うと「礼」ということになるでしょう。そうです、サンレーとは「礼」の実践を業(なりわい)とする「礼業」なのです。世の中には農業、林業、漁業、工業、商業といった産業がありますが、わが社の関わっている領域は「礼業」です。「礼業」とは「人間尊重業」であり、「ホスピタリティ・インダストリー」の別名でもあります。そして、さまざまな事業を展開していますが、わたしたちの本業は冠婚葬祭です。



●冠婚葬祭は「文化の核
わたしは、「冠婚葬祭」の本質とは「文化の核」であると思っています。
日本には、茶の湯・生け花・能・歌舞伎・相撲といった、さまざまな伝統文化があります。
そして、それらの伝統文化の根幹にはいずれも「儀式」というものが厳然として存在します。
すなわち、儀式なくして文化はありえません。儀式とは「文化の核」と言えます。
現在の日本社会は「無縁社会」などと呼ばれています。しかし、この世に無縁の人などいません。どんな人だって、必ず血縁や地縁があります。そして、多くの人は学校や職場や趣味などでその他にもさまざまな縁を得ていきます。この世には、最初から多くの「縁」で満ちているのです。ただ、それに多くの人々は気づかないだけなのです。 わたしは、「縁」という目に見えないものを実体化して見えるようにするものこそ冠婚葬祭であると考えています。
結婚式や葬儀、七五三や成人式や法事・法要のときほど、縁というものが強く意識されることはありません。冠婚葬祭が行われるとき、「縁」という抽象的概念が実体化され、可視化されるのではないでしょうか。



●最高の「おもてなし」業
いま、サンレーグループ創業の地である松柏園ホテルの庭園には見事な桜が咲き誇っています。ホテルでは、この時期、「観桜会」というイベントがたくさん開かれます。桜の花を楽しみながら宴会を行なうのですが、四季のある日本独特の文化だと言えるでしょう。
いま、「おもてなし」が時代のキーワードになっています。料理やお酒も大切ですが、きれいな桜の花は「魂のごちそう」であり、究極の「おもてなし」なのです。
そう、究極の「おもてなし」とは、魂に働きかけること、魂のお世話をすることです。
その意味で、冠婚葬祭業は最高の「おもてなし産業」なのです。結婚式とは新郎新婦の魂を結ぶ「結魂」の儀式であり、葬儀とは故人の魂をあの世へとお送りする「送魂」の儀式なのです。結んで、送る。わたしたちは、魂のお世話をしているのです。考えてみれば、人の人生も桜のようなもので、満開のときに結婚式をあげ、散ったときに葬儀をあげるのかもしれません。
若き桜であるみなさんは、ぜひ冠婚葬祭という素晴らしい仕事で多くの人々の満開と散り際を「おもてなし」をし、1人でも多くの日本人を幸せにして下さい。



日の本の礼の社(やしろ)に咲く花は
          人をもてなす若き桜よ  庸軒




今年の新入社員に期待いたします!(松柏園ホテルの庭園にて)





*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2015年4月26日 佐久間庸和