ミャンマーのNPO


東京に来ています。これから北九州に戻ります。昨日は、監査役を務めている互助会保証株式会社の取締役会が開催され、わたしも出席しました。同社が主宰する「アジア冠婚葬祭業国際交流研究会」のミャンマー視察について報告が行われ、わたしも意見を求められました。わたしは、バガンの仏教遺跡の壁画修復支援についての提案をさせていただきました。
ところで、今日の「毎日新聞」朝刊に第28回目の「北九州発 ハートフル通信」が掲載されました。今回のタイトルは、「ミャンマーNPO」です。


毎日新聞」11月28日朝刊



先月、ミャンマーに行ってきました。「アジア冠婚葬祭業国際交流研究会」のミッションに加わったのです。滞在最終日、わたしたち一行は「FFSS(フリー・フューネラル・サービス・ソサエティ)」というNPO団体を訪問しました。
この団体は、今は亡きミャンマー映画界を代表する監督であるウーツーカー氏が創設。現在は、1959年生まれのチョートゥー氏が代表を務めています。



チョートゥー氏はもともと俳優であり、ミャンマー映画界の最大のスターの1人だったといいます。この団体、日本で例えるなら黒澤明が創設して、役所広司が代表を務めているといったイメージでしょうか。チョートゥー氏は、ミャンマーにおける超有名人です。そして、その知名度を武器に、2000年代からは貧困を助ける活動をずっと続けています。



災害支援、環境、医療、教育・・・その活動は多岐にわたるが、最も代表的な活動が貧しい人々への葬儀サービスの無料提供だ。現在も1日40件以上の葬儀を奉仕しているといいます。チョートゥー代表には、「アウンサンスーチー女史に続き、ミャンマー人として2人目のノーベル平和賞受賞者になるのではないか」という声が多いようです。FFSSは、葬儀サービスに続いて、無料クリニック、無料学校、無料図書館なども開設しています。



FSSの本部を訪れて、非常に驚いた出来事がありました。スタッフから「日本から来た黄金色をした霊柩車が大活躍しています」と言われ、黄金霊柩車を見に行ったときです。
その車には、なんと「紫雲閣」のプレートが残されていたのです。ミャンマーにはバスをはじめとして日本の中古車がたくさん走っていますが、それらの車には「○○交通」などのプレートがそのまま残されています。そして、わが社がかつて使用していた車が、このミャンマーNPO団体で活躍していたのです。



有名なシュエダゴン・パゴダの「黄金の洪水」を見てもわかるように、ミャンマー人は何よりも黄金色を好みます。なぜなら、それは仏教における天上界の色だからです。
そして、はるばる日本の「紫雲閣」から海を越えて来た霊柩車も光輝く黄金色でした。
スタッフによれば、「この車、パゴダと同じ黄金だということで、大変な人気です。ミャンマーの人々は、この車で送られれば幸せな来世が迎えられると信じています」と言われたという。それを聞いたとき、涙が出るほど感動しました。わたしは、わが社と「世界平和パゴダ」との不思議な縁の謎が解けたように思いました。


黄金霊柩車には紫雲閣のプレートが!



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2014年11月28日 佐久間庸和