東八幡キリスト教会献堂式

10月15日(日)の15時から北九州市八幡東区荒生田2丁目にある東八幡キリスト教会で「新教会堂献堂および石橋誠一牧師就任」の感謝礼拝が行われ、わたしも参加しました。


新しくなった東八幡キリスト教会の前で



東八幡キリスト教会は、「隣人愛の実践者」こと奥田知志さんが牧師を務められている教会です。ブログ「抱樸館北九州開所式」で紹介した路上生活経験者の方々の入居施設である抱樸館北九州が昨年9月14日に完成しました。そして今、抱樸館北九州のちょうど向かい側に新しい東八幡キリスト教会が完成したのです。


東八幡キリスト教会のサイン



東八幡キリスト教会の教会の使命(ミッション)は以下の5つです。
1.みことばに生きる
2.祈りに生きる
3.腰に手ぬぐいをしイエスに従う――隣人に仕える教会
4.まちの教会となる――開かれた教会
5.すべての人と家族になる――神の赦しと招きによる家族


新会堂の内部のようす



2013年7月に旧教会堂を解体してから、1年3か月後の完成でした。
わたしは旧教会堂もなかなか趣があって好きだったのですが、今度の新会堂は木造で非常に斬新かつ温かさを感じさせる造りになっています。
設計を手掛けたのは、手塚建築研究所の手塚貴晴さん・由比さんご夫妻です。手塚貴晴さんは1964年生まれの気鋭の建築家で、「プロフェッショナル〜仕事の流儀」や「情熱大陸」などのTV番組でも取り上げられているそうです。なんでも、奥田牧師がNHKの「プロフェッショナル〜仕事の流儀」で手塚さんのことを知り、「この人が教会を作ってくれる人だ!」とひらめくものがあって、東京まで直談判に行かれたとか。


「就任の辞」を読む石橋誠一牧師

手を添えて祈る「按手祈祷」



この日は「新教会堂献堂」だけでなく、「石橋誠一牧師就任」の礼拝も同時に行われました。このように新しい教会堂の献堂式と新しい牧師の就任式が同時に行われることはきわめて珍しいそうです。石橋誠一牧師の「就任の辞」に続いて、奥田牧師をはじめとした関係者の方々が石橋牧師に手を添えて、「按手祈祷」が行われました。


讃美歌が何度も歌われました♪

音響も素晴らしかったです

ギターも登場しました

わたしも歌いましたとも♪



わたしは儀式の専門家ですが、このようにキリスト教プロテスタント)の本格的な儀式を体験する機会がこれまであまりなかったので、非常に興味深かったです。
改めて思ったのは、讃美歌の斉唱の多さです。この日も参加者一同で、新生8番「主の呼びかけに」、新生335番「小さき者のひとりに」、新生73番「善き力にわれ囲まれ」、「東八幡キリスト教会のうた」、新生679番「べネディクション」などを斉唱しました。
わたしは「キリスト教とは、歌う宗教だ!」と思いましたね。日頃のカラオケとは勝手が違いますが、わたしは歌うことそのものが好きなので、大きな口を開けて歌いました。
ちなみに、このたび全互協の会長に就任されたベルコの齋藤斎社長は日曜日に教会で讃美歌を歌われるのが趣味だとか。ベルコさんには新刊『決定版 終活入門』(実業之日本社)になんと5000部の大量注文を頂き、大変感謝しております。他の互助会さんも、ぜひ同書をお買い求め下されば幸いです。(微笑)


感謝状を贈呈される手塚ご夫妻

スタッフを紹介する手塚さん



さて、この日は「感謝状の贈呈」も行われました。
手塚建築研究所代表の手塚貴晴氏・由比氏、(株)東建設代表取締役社長の東邦夫氏、(株)サンレー代表取締役社長の佐久間庸和に対して奥田牧師から感謝状が渡されました。それぞれ5分ほどのスピーチをするように言われていましたが、手塚さんはスタッフを呼びよせて紹介し、マイクを渡して一言づつ話してもらっていました。


わたしの名前が呼ばれました



建築家や建築会社が感謝状を渡されるのは珍しいことではありません。
むしろ建物が竣工した際のセレモニーでは定番と言えます。
では、なぜ冠婚葬祭会社であるサンレーの社長であるわたしが感謝状を頂いたのか?
それは、旧会堂を解体してから、礼拝を行う場所に困っておられた東八幡キリスト教会のみなさんにすぐ近くにある東山紫雲閣を1年間にわたってお貸ししたからです。


礼拝会場として提供させていただいた東山紫雲閣

奥田牧師が感謝状贈呈の理由を話されました



感謝状贈呈式でわたしの名前が呼ばれた後、奥田牧師が「佐久間社長は一条真也さんというペンネームを持つ作家で、多くの著書を書かれています。わたしも大ファンです。ブログも凄くて、愛読しているんですよ」と紹介して下さいました。それから感謝状を贈呈する理由を説明して下さいました。代わりとなる礼拝場が見つからずに、ほとほと困っていたとき、わたしのブログを読まれたそうです。ちょうどブログ「レ・ミゼラブル」の記事を読まれたとき、ジャン・バルジャンを救った老司教の姿が奥田牧師の姿に重なったというくだりが出てきて、「そうだ、佐久間社長に相談してみよう」と思われたとか。それでわたしのケータイに「なんとか助けていただけませんか?」と電話をされたのです。


奥田牧師から感謝状を贈呈されました

贈呈された感謝状



奥田牧師から電話を貰ったとき、わたしは即座に「わかりました。いいですよ」とお答えしました。なぜなら、東八幡キリスト教会さんと東山紫雲閣とは隣人同士ですから、助け合うのは当たり前だからです。また、サンレーは互助会です。「相互扶助」をコンセプトとする会社です。助け合うのは当たり前ではないですか! 奥田牧師から感謝状を頂戴した瞬間、わたしの心の中にとても温かいものが流れていました。わたしは、「ああ、こんなにハートフルにしていただいて、こちらが感謝状をお渡ししたいぐらいだなあ」と思いました。


スピーチを行いました



感謝状を贈呈された後、わたしは以下のようにスピーチしました。
「このたびは、まことにおめでとうございます。また本日は、感謝状まで頂き、感無量です。嬉しいです。本当に良かったです。本日初めて訪問させていただきましたが、素晴らしい教会です。第一印象は、『すべて木で作られていて、ノアの方舟みたいだな』でした。この教会は新しい世界へ旅立つ救いの船になるかもしれません。
わたしは冠婚葬祭という仕事をしておりますので、いくつもの結婚式場を運営しており、その中には教会があります。昨今ブライダル業界では、この教会のデザインが若い二人が結婚披露宴の場所を決定する大きな要因となっています。わたしも、良い教会づくりのため日々研究を重ねている次第です。現在も、弊社創業の地である松柏園ホテルの建替計画が進行しており、その中の新教会の参考にさせていただきたいと思います。
でも、ブライダル用の教会もいいですが、本物の教会はやはり違いますね。(笑)
なんというか、ここには善き力が満ちているように感じます」


偽りのない想いを述べました



また、わたしは続いて以下のようにも述べました。
「弊社は、『人間尊重』をミッションとしており、わたしもよく『結婚は最高の平和であり、死は最大の平等である』と語っております。すべての人は平等に結婚を祝福され、死を弔われなければならないと思っています。この『人間尊重』というミッションとNPO法人抱樸さんのメインテーマである『おんなじ命』は、まさに同義語ではないでしょうか。この同じ思いが昨今いろんな場所で奥田牧師とご一緒させていただくことに繋がっているのではないかと最近つくづく感じております。奥田先生から『助けて下さい』と言われたとき、わたしは『いいですよ』とお答えしました。相手の『HELP!』に続くこちらの答えは『YES!』しかありません。そうすれば、社会が善き方向へ向かって行くのだと思います。
昨年の抱樸館北九州の完成から今回の東八幡キリスト教会の完成により、隣人愛の実践活動は更に次のステージへと向かうでしょう。地域のため、そして次の時代のために今後の更なるご発展を心よりお祈り申し上げます。わが社がみなさまのお力になることができて、光栄に思っています。ありがとうございました!」
わたしがそう言って一礼すると、盛大な拍手を頂戴し、感激しました。


建物説明をする手塚さん

パワーポイントを使って説明

バプテスト派の浴槽もあります(『軒の教会物語』より)

手塚ご夫妻と



一連の礼拝が終了すると、手塚貴晴さんによる建物説明がありました。
パワーポイントを使用して、新教会のポイントをレクチャーして下さいました。
手塚さんによれば、コンセプトは「軒の教会」だそうです。
「軒」というものがなくなってから、日本人のコミュニケーションが希薄になった側面があり、ぜひ「軒」の文化を復活させたいのだそうです。同感です。
また、木造で新教会を作ったことについて、「一番強いのは木なんですよ」と言われていました。1300年前の建築物は木造だし、日本でも200年以上の建物はすべて木造だそうです。手塚さんはヨーロッパの教会も数多く回られたそうですが、ローマの教会でさえ石は外側のみ使われており、じつは木造だったとか。木造は30年に1回メンテナンスします。手塚さんは「変わらないものはおかしいですよ。人だってトシを取れば取るほど美しくなる」と語り、そういう建築を目指して新教会を木造で作られたそうです。
この考えには、「人は老いるほど豊かになる」を持論とするわたしには深く共感できました。
また、東八幡キリスト教会はバプテストの教会です。ですから、祭壇の下には浴槽があります。ブログ「リバーサイド教会」で紹介したニューヨークの世界最大の教会を先日訪れましたが、この教会もバプテスト派であり、やはり浴槽がありました。この東八幡キリスト教会の浴槽は上から木の蓋で覆うことができるというユニークな構造になっていました。
さらには、手塚さんから独自の音響システムについてもお伺いし、大変勉強になりました。ぜひ、松柏園ホテルの新教会の参考にさせていただきます!


記念撮影が行われました

ひとりの「迷いびと」として・・・

みんなでカメラを見上げる

笑顔で「ハイ、チーズ!」

奥田さん、本当に良かったですね!



建物説明の後は、参加者全員で記念撮影をしました。
教会の上方部に天窓があり、そこからカメラマンの方が撮影してくれました。
この新教会の特徴ですが、天井から照明がぶら下がっており、上から見ると、星のように見えます。わたしたちはみんなでカメラを見上げ、笑顔で写真に収まりました。
特に、奥田牧師の嬉しそうな表情が印象的でした。
それを眺めながら、わたしは「奥田さん、本当に良かったですね!」と改めて思いました。


帰り際、奥田牧師とツーショット



記念撮影が終了すると、わたしは動向していたサンレー企画部の石田恭一部長が運転する車に乗って、夕暮れの東八幡キリスト教会を後にしました。帰り際、奥田牧師とツーショットで写真を撮影しました。お土産は、書道家・栗原光峰さんの書による「幸福なるかな、貧しき者よ」という「ルカ伝6章20節」の言葉とともに、かわいい木のキーホルダーが入っていました。なんでも、旧教会堂のベンチの木を再利用したものだそうです。それを教会員のみなさんが手作りで素敵なキーホルダーに仕上げられたのです。わたしは、最高のプレゼントを頂いて、とても幸せな気分になりました。新しい東八幡キリスト教会の未来に幸あれ!


おみやげの木製キーホルダー



*よろしければ、「一条真也の新ハートフル・ブログ」もどうぞ。



2014年10月5日 佐久間庸和