キラキラ! ミャンマー仏教

東京に来ています。8日の午後から、神谷町の互助会保証株式会社を訪れ、わたしが副座長を務める「アジア冠婚葬祭業国際交流研究会」に出席しました。
この日は、仙台にある「みんなの寺」坊守の天野和公さんによる講演が行われました。
天野さんは、ブログ「仏教文化交流シンポジウム」ブログ「パゴダ散策」などで紹介した方です。また、ブログ『ミャンマーで尼になりました』ブログ『みんなの寺のつくり方』で紹介した本の著者であり、わたしともブログ『ミャンマー仏教を語る』で紹介した共著があります。
わたしは、天野さんの講演を聴くことをとても楽しみにしていました。


天野和公さんが登場しました

ミャンマーでの尼時代を振り返る



天野さんの講演タイトルは「キラキラ! ミャンマー仏教」というものでした。いつもキラキラ輝いている和公さんにふさわしいタイトルですね。天野さんは、まずは自己紹介、ミャンマーで尼になった頃の話をされました。


テーラワーダ仏教」について説明する



それから、「ミャンマーの概要」「ミャンマー仏教史」を簡単に説明してくれました。
仏教史に続いて、ミャンマー仏教がいわゆる「テーラワーダ仏教上座部仏教南伝仏教)」であり、大乗仏教とは違うということを解説してくれました。天野さんの説明は、まるで小学校の先生みたいにわかりやすかったです。世界平和パゴダのことも紹介して下さいました。


わかりやすく説明してくれる天野さん



それから、「ミャンマーの出家者」として、レーディー・サヤドー(1846〜1923、ミャンマー近代仏教の祖。教学と瞑想法を平易なビルマ語で一般信者に伝える)、マハーシ・サヤドー(1904〜82、独自メソッドのヴィパッサナー瞑想法を確立。世界中に多大な影響を与える)、ミングン・サヤドー(1911〜93、1953年に史上初めて三蔵憶持試験に合格。54年の第6回仏典結集にて経典16000ページを暗唱、ギネスブックに載る)などを紹介されました。


天野さんが講演する研究会のようす



そして、「護経パリッタ(パレイッ)」「仏教の年中行事」「ミンガラー・センナパー(12の吉祥)」「結婚式の習慣の一例」「葬儀の習慣の一例」を説明されました。さらに「法事の流れの一例」として、在家信者の礼拝、僧侶の読経、法話と滴水供養、食事供養、五戒、八戒などについて簡単に説明されました。とてもわかりやすくて、ためになる講演でした。


天野さんに質問する小谷副座長(左端)

質問する石井先生(右)



約1時間の講演の後は質問の時間で、小谷副座長(第一生命経済研究所主任研究員)、石井先生(國學院大學教授、神道文化学部長)などから質問が出ました。
その後で、わたしも以下のような質問をさせていただきました。
世界平和パゴダの支援を通じて、日本仏教とミャンマー仏教のコラボが実現できないかと考えています。日本仏教は『葬式仏教』などと言われますが、その本質は『グリーフケア仏教』であり、その真髄は『年忌法要』にこそあると思っています。四十九日、一周忌、三回忌など、死者との関係が途切れることなくずっと続いていくわけです。しかし、ミャンマー仏教をはじめとするテーラワーダ仏教は先祖供養の要素が薄く、墓もつくらない。では、ミャンマーの人たちは死者とどうのようにコミュニケーションをとるのでしょうか?」


天野和公さんを囲んで記念撮影しました



それに対して、天野さんは以下のように答えて下さいました。
ミャンマーの人たちは死者のことを決して忘れてはいません。瞑想の際には、亡くなった親の冥福を祈ります。また、さまざまな仏教儀礼のたびに故人のために祈ります。ミャンマーの人は、ことあるごとに、亡くなった人のことを思い出します」
わたしの後も質問が相次ぎ、そのすべてに天野さんは丁寧に答えておられました。
最後は、天野さんを囲んで、参加者全員で記念撮影をしました。
こんなこと、アジア冠婚葬祭業国際交流研究会では初めてです。(笑)


ミャンマーの結婚と葬儀について」発表する小谷副座長



天野さんがお帰りになられた後は、小谷副座長による「ミャンマーの結婚と葬儀について」の発表がありました。まずは「ミャンマーの概況」として、(1)人口動態(2)死亡(3)結婚を説明されました。続いて「ミャンマーの結婚式」「ミャンマーのお葬式」を説明されました。日本を代表する大手シンクタンクの主任研究員らしく、小谷副座長は各種のデータに基づいて、ミャンマーの冠婚葬祭を語って下さいました。大変勉強になりました。


ミャンマー視察について説明するJTBの上甲さん



最後に、10月13日(月)から17日(金)までの「ミャンマーにおける冠婚葬祭事情視察」の説明がありました。JTB西日本の海外旅行西日本支店の上甲さんがわざわざ大阪から来て説明して下さいました。上甲さんは冠婚葬祭海外視察のエキスパートで、これまでに、わたしもヨーロッパやベトナムなどの視察でお世話になりました。彼が同行してくるなら安心です。



じつは、今度の視察は3泊5日でヤンゴンバガンを回るために、わたしがこれまでに経験した海外視察の中でも最も過酷なスケジュールとなります。でも、副座長としての責任を果たすためにも頑張ります。まずはミャンマー視察の前に、18日から全互連のニューヨーク視察があるので、そちらの準備を先にすることにします。


ミャンマー仏教を語る:世界平和パゴダの可能性

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2014年9月9日 佐久間庸和